中国の公道は国際ライセンスでは走れません。日本の道路とは異なり、クルマが多く取り締まりも厳しいため、難易度がかなり高いのです。特に、オービスの数は数え切れないほど。でも、そんな中国の道に特化したナビアプリ「高徳地図」を使えば、ドライブも一気に快適になります。このアプリは、もともと何の変哲もない地図アプリだったのですが、百度地図(中国版Googleマップのようなもの)と差別化を図るため、現在ではナビに特化しています。本稿では実際に使ってみた所感をレポートしたいと思います。
元祖を上回る地図アプリ
高徳地図は、元祖地図アプリであるバイドゥ地図より遅くできた後発組ではあるものの、ナビ機能強化を求めるユーザーのニーズへ的確に応え、ここ数年のバージョンアップで大きな進化を遂げてきました。中国では自動車の交通量が増えており、それに伴い交通規制も厳しくなっています。オービスの量も日本とは比較にならないほど多く、特に大都市内ではナビがないと走れません。
このような中国の現状に特化したアプリが「高徳地図」です。アプリダウンロードサイトでは評価も高く、バイドゥ地図を超えています。UI(ユーザーインターフェース)がシンプルかつ機能的で必要な機能がすべて揃っている、まさに完ぺきな地図アプリともいえるでしょう。
クルマだけでなくシェアバイクでも使える万能型アプリ
このアプリは、街歩きの際や交通手段の検索、レストラン、レジャースポットなどの周辺検索ができ、そのクオリティはGoogle Mapに迫ると言えます。2014年にアリババに買収された高徳地図は、アリペイを通してさまざまなサービスを利用することが可能。例えば、このアプリで滴滴タクシー(タクシー配車サービス)を呼んだり、レストランでの支払いを行ったりすることができます。
このアプリの本領が発揮されるのは、カーナビモードで使用するときです。GPS測位の誤差はほぼなく、交差点などでの車線案内も的確。また、オービスの種類や位置、速度超過などをこまめに教えてくれます(日本人にとってはうるさいくらい)。オービスによる交通違反の取り締まりが厳しい中国ではうれしい機能です。
また、中国ではナンバー制限があります。例えば、下1桁が1のナンバー車は月曜日に運転禁止など細かくルールが定められており、違反した場合は200元の罰金となりますが、高徳地図に自分のクルマのナンバーを登録しておけば、通行制限がかかっている道を避けてナビをしてくれるのです。
また、高徳地図にはAIのディープラーニング技術も応用されており、リアルタイムに変わる道路状況に応じて的確な情報を提供してくれるのも特徴の1つ。例えば、工事中の道路で車線が規制されている場合には、どの道を走ればいいかアナウンスしてくれます。
クルマの場合だけでなく、シェアバイクで移動する際にもシェアバイクアプリを開く必要はなく、高徳地図アプリのなかでシェアバイクの解錠を行えます。旅には必携のまさにオールマイティーアプリと言えるでしょう。