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2018/7/15 10:30

【オランダのうらやましいBBQ事情】バーベキューでワークライフバランスが向上する生き方

オランダは夏の日没時刻が22時頃と遅く、定時に仕事を上がってからでも、充分家族や友人と過ごす時間を取ることが可能。市販の下準備された食材と多彩なソースを使って楽しむ、オランダのカジュアルでシンプルなBBQはスペシャルディナーではなく、まさに日常の楽しみといった様相になっています。

 

オランダBBQの特徴

家族と過ごす週末の公園などはもちろんですが、オランダ人は、平日でも仕事が終わり帰宅した午後6時ごろから準備をして、家族や少人数の友人たちでBBQを楽しみます。お天気の良い日には、スーパーマーケットのなかで買い物かごを下げながら「今日ビール飲んでちょっとBBQしない?」と誘いの電話をしている姿をよく見かけます。

 

BBQを行うのは、庭、近所の公園、そしてベランダなど。ファミリー以外にも庭付物件は人気で、心地よいソファーとBBQセットは必須のファミリーアイテムといえるでしょう。BBQができる公園も多く、近くにごみ捨て場や炭専用のごみ箱も備え付けてあり、片付けも楽々。

 

狭いベランダにBBQセットを置いてベランダで肉を焼き、室内で食べているカップルも目につきます。「そこまでして炭火で焼きたいのだろうか?」という素朴な疑問を持ちつつも、それだけ日常食としてBBQが浸透している証拠なのかなとも思います。

BBQで食べる料理は?

5月になり気温が暖かくなると、どのスーパーでもBBQ用に串刺し処理された肉や魚のパッケージが並びます。ソーセージやスペアリブは定番ですが、チキン・白身魚・サーモンやニジマスのマリネなど、アルミケースごと焼いたり、そのまま食べたりと手軽で本格的な味が楽しめるものも多く、手をかけて準備はせず、手間なく気軽に食べられるような印象です。

また、日本などに比べ、焼いただけの食材をアレンジするためのソースがとても豊富です。たくさんの民族が集まるオランダは、フライドポテトでさえソースの種類が多い国ですが、BBQにもソースの多様性は反映されています。バーベキューソース、ケチャップ、マスタードはもちろんのこと、ヨーロッパらしくハーブを使ったソースから、レモンやトリュフ味のフレバーマヨネーズ、インドネシア風ピーナッツソース、タイ風のスイートチリソースまで、素材をアレンジできるソースも数多くあります。シンプルに塩コショウで焼いた食材も、このソースを使うと好みの味にアレンジできるため、みんなが自分の好きなおいしさを楽しむことが可能です。

流行しているBBQグッズ

↑HEMAのBBQグリル

 

アメリカやオーストラリアのように、大型のBBQ Grillを使うのではなく、木炭を使用する丸形のタイプが一般的です。オランダはツールもBBQも シンプルなものが好まれるようで、価格も安価なものから高価なものなどが揃っています。コンパクトで持ち運びが便利なものはアウトドアショップだけでなく、スーパーマーケットやHEMAというおしゃれ系雑貨店でも販売されており人気が高いようです。

さらに最近では「Kamado grill」と呼ばれる、日本のかまどからインスピレーションを得たと思われる陶器製のラグジュアリーなBBQグリルが注目を集めています(写真上)。ゆっくり時間をかけて加熱することで、食材から旨味を引き出すこのグリルは、燻製用のスモーカー、あるいはピザ用オーブンとしても使用できるマルチなアイテムです。

自分自身の余暇を楽しむことがとても上手なオランダ人は、市販の食材とソースを使って気の合う仲間と平日でも気軽にBBQを行います。そのシンプルでカジュアルなスタイルは、暮らしを楽しむオランダ人ならではのもの。これはワークライフバランスにも通じるものがあります。日常的にBBQを行うことで生活を充実させるというのも、よいのかもしれません。