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2018/8/31 6:00

楽園ハワイの厳しい現実! 「小企業に向く州」調査で全米最低になったワケ

「アメリカで起業したい」と考える人にとって、州ごとに法律が異なるアメリカでは、どこで起業するかということがビジネス成功の大切な分岐点になるかもしれません。8月14日、アメリカのオンラインサービス企業が調査した「小企業に向く州」が発表され、ハワイ州は全50州のうち49位という結果になったのです。ハワイが小企業に向かない理由とは何なのでしょうか?

 

ハワイ州は全米で最低の評価

この調査は、人材系オンラインマッチングサービスなどを行うサムタック(Thumbtack)が2012年から毎年発表しているもの。アメリカの小規模企業7629社のオーナーが調査対象で、全米50州と57の都市について、ビジネス経営についての情報が発表されています。この調査における小企業というのは、対象者の67%が従業員1人のみ(個人事業主)、全体の94%が従業員5名以下です。

 

その結果によると、「小企業の経営のしやすさ」において、ハワイ州は最低のFランクでした。Fランクになったのは、ハワイ州のほかはイリノイ州のみ。ではなぜ、ハワイ州がそれほど小企業に向かないのでしょうか?

 

1:所得税が高い

多くの方が個人事業主としてハワイでビジネスを始めますが、問題となるのは税金。アメリカでは所得税は、国に払う「連邦所得税」と、州に払う「州所得税」の2種類がありますが、ハワイ州の個人所得税はアメリカのなかでも高い部類に入るのです。

 

2018年の税率で、最も州所得税が高いのがカリフォルニア州の13.3%。それ以外のほとんどの州が10%以下なのに対して、ハワイ州は11.0%とかなり高く、今回の発表でも最低のFランクが付けられているのです。

 

2:従業員を雇用しづらい

従業員を雇うことはビジネスを拡大していくうえで必要不可欠。でもハワイ州は「従業員の雇用のしやすさ」においても最低のFランクに分類されています。必要な書類の提出などが多く、ビジネスオーナーが雇用を行う際の妨げになっている場合に評価が下がることになりますが、ハワイ州の場合、従業員の雇用に関して労働時間や残業代など細かい条件があることなどが影響していると考えられます。

 

3:ライセンス取得についてはDランク

ただハワイ州の結果の中で唯一、最低ランクのFを免れたのが、Dランクだった「ライセンス取得」(ライセンスの取得に必要な書類や条件、費用に関する項目)。決して良いスコアではありませんが、ライセンス取得については、それほど取得しにくいという状況ではないと判断されたようです。

 

ちなみに、全米で「小企業が経営しやすい」と最高ランクA+を獲得したのは、サウスダコタ、テネシー、アラスカ、ミシガン、ユタの5つの州でした。

アメリカのテクノロジー経済を調べたITIFの「2017年版ニュー・エコノミー指標」でも、ハワイ州は40位と下位でした。この指標は、スタートアップがどれくらい生まれているかを含めた「経済的なダイナミズム」などを評価していますが、今回の調査とあわせて考えてみると、ハワイで起業するのは簡単ではなさそうです。

 

小企業に向かないといっても、日本人観光客も在住日本人も多いハワイ州は、日本の(大)企業やビジネスマンにとって魅力的なマーケットであることは間違いありません(詳しくは「ついにハワイにユニクロが初登場! ハワイに進出している日本ブランドとホノルルの意外な一面」)。しかし、憧れのリゾート地で独立してやっていこうと思っている方は、よく考えたほうが良いかもしれませんね。