太古の昔から人間の生活には音楽があり様々な楽器も生まれてきました。そして現在、最も人気のある楽器のひとつはギターです。プロのギタリストはさることながら、たくさんの人たちが趣味として熱心にギターの演奏に打ち込んでいます。
ギターが自分の身体の一部と言い張るほどギターへのこだわりが並大抵でない人もいますが、そんな彼らのこだわりに応えるギター作りに取り組んでいる楽器メーカーが存在します。
SOLIDWORKS World 2019に大手楽器メーカーのYamaha Guitarとリトアニアの新興楽器メーカーLavaDropsが登壇しました。この2社のギター作りへの取り組みから現在進行しているギター作りの現状を追います。
クラウドと3Dモデルを活用したギター作りを進める「Yamaha Guitar」
Yahama Guitarは、SOLIDWORKSで制作したギターの3Dモデルを製品開発の段階でクラウドを使ってギタリストらと共有し、ギタリストからデザインについてフィードバックをもらいながら修正を加えるなどしてギターづくりを行っています。
従来のギターづくりでは市場調査をして製品の機能・デザインを決定し生産に入りました。しかし、この方法ではユーザーであるギタリストからのフィードバックを初期の製品開発段階に活かしづらい点に課題がありました。この問題を解決したのがSOLIDWORKSなんです。
Yamaha GuitarのプロダクトマネージャーAndrew Bonica氏は「ギターは極めてパーソナルな楽器で服みたいなものなのです。個々のギタリストがギターに何を求めているのかを知るには、実際にギタリストからフィードバックを受けるのがよいのです」と言います。
「ギターのプロダクトマネージャーとして心がけているのは、それぞれのギタリストがどのようなギターを欲しているのかを理解することです。製品開発の初期段階でクラウド上で実際に3Dモデルをギタリストに見てもらうことで、どの素材、カラー、デザインがよいのかニーズを知ることができます」
ギタリストはパーツやカラー素材を選択して、どのデザインがよさそうか3Dで比較します。Yamaha Guitarの顧客であるイギリス在住のギタリストJonny Lee氏は、自分好みのギターを手に入れることができて満足だと言います。彼のように長年ギターを弾いている人は細部のデザインにも強いこだわりを持つ傾向があるとのこと。
このように、Yamaha Guitarは3Dモデルやクラウドといったテクノロジーを駆使しながら、ギタリストの細かい要望に応える体制を整えています。