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2019/7/30 18:21

「MISIA × JICAトークイベント〜アフリカをもっと身近に アフリカをもっと子どもたちに〜」【JICA通信】

日本の政府開発援助(ODA)を実施する機関として、開発途上国への国際協力を行っているJICA(独立行政法人国際協力機構)に協力いただき、その活動の一端をシリーズで紹介していく「JICA通信」をお届けします。

 

JICAは、「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)」(8月28〜30日)の名誉大使を務める歌手・MISIAさんとのコラボレーション企画として、全国の大学でトークイベント「〜アフリカをもっと身近に アフリカをもっと子どもたちに〜」を開催しています。6月には国立大学法人東京学芸大学(東京都小金井市)で100人以上の学生を前にアフリカへの思いを語りました。このトークイベントは、MISIAさんが行なってきた教育支援と、同じくアフリカで教育支援を行なってきたJICAの取り組みが、教職を目指す学生にとって将来のヒントになればと実施されました。「学生だからできる活動もある。自分と世界がどうつながっているのかを感じてほしい」とMISIAさんは学生たちに呼び掛けました。

 

↑東京学芸大学で講演するMISIAさん(photo: Santin Aki)

 

アフリカは決して遠い存在ではない

「アフリカと言うと、どこか遠いイメージを持つ人が多いと思います。でも、タコの輸入は60%以上がアフリカからですし、シアバターやルイボスティーの茶葉はアフリカで生産されているものです。みなさん、知らず知らずのうちにアフリカとつながっているんですよ」

 

そう言って、学生とアフリカとの距離をぐっと縮めたMISIAさん。彼女は仲間と共に立ち上げた一般財団法人mudef(ミューデフ)の活動を通じて、10年以上にわたるアフリカへの支援を継続。特に、子どもたちへの教育支援に力を入れています。そんな彼女とアフリカをつないだものは、音楽でした。

 

「私が歌手になりたいと思ったきっかけは、ソウルミュージック。そのルーツを辿ると、アフリカに行き着きました。初めてアフリカに足を運んだのは2007年。印象的だったのは、ケニアのスラム街にある小学校を訪ねたときのことです」

 

そこでMISIAさんが目にしたのは、エイズによって両親を亡くした子どもや、虐待によって心に傷を負った子どもたちの姿。貧困や飢えなどの理由から、生まれてすぐに捨てられてしまう子どもたちの存在も知りました。

 

「そんななかで、子どもたちの希望になっているのが“教育”でした。文字の読み書きを覚え、学校にいる大人たちから愛情と知識を与えられ、子どもたちは生きる力を身に付けて成長していく。私が教育支援したいと思った理由です」

 

↑2018年2月、MISIAさんは10年ぶりにケニア・ナイロビのキベラスラムにあるマゴソスクールを再訪し、子どもたちと交流しました。(photo: 一般財団法人mudef)

 

MISIAさん初の絵本『ハートのレオナ』

トークイベントでは、MISIAさんにとって初の絵本となる『ハートのレオナ』(主婦と生活社/2019年7月26日発売)も紹介。ケニアのサバンナに住むおでこにハートの模様があるライオンの女の子・レオナとペリカンの友だち・ムワリがアフリカ大陸を旅して、さまざまな国が抱える困難や希望を知っていくという物語です。絵は、mudefでMISIAさんと共に理事を務める大宮エリーさんです。

 

↑MISIAさんにとって初の絵本となる『ハートのレオナ』を紹介(photo: Santin Aki)

 

絵本には、MISIAさんが目にしたアフリカの“リアル”が描かれています。遊牧民のマサイ族、2500年以上も生きるバオバブの樹、マラリア感染を防ぐための蚊帳の使い方を子どもに教えるポレポレハウス、6時間掛けて井戸から水汲みをするために学校に通えない女の子、文字が読めないことで自分の子どもを助けられなかった母親、スラム街で助け合いながら暮らす人々の姿——レオナは自分の目でアフリカを見て、知ることで、さまざまなことを考え、成長していきます。

 

「絵本という手法を選んだのは子どもでも手に取れるからですが、そのためにはまず大人に知ってほしい。絵本なら読み聞かせができますから幅広い人たちに伝えられると思いました。この本を通じて、命のメッセージが届いたら幸いです」とMISIAさん。なお、同書の売り上げの一部は、mudefを通じて、アフリカ・日本の子どもたちの支援に充てられることが発表されています。

 

MISIAさんが学生に伝えたいこと

教職を目指す学生が多く参加した本イベント。質疑応答のコーナーでの「教師を目指す学生に伝えたいことは何ですか?」という質問に、MISIAさんは次のように答えました。

 

「私が思う教育とは、『子どもたちが自分の意思で幸せを追求できるようになるサポートをしてあげること』。子どもたちに何かを教える立場の人に必要なのは、いろいろな経験を経て、さまざまな視点を身に付けることだと考えています。ぜひ、みなさんには社会貢献活動などを通じて、自分と世の中がどうつながっているのかを感じてほしいと思います」

 

↑教師を目指す学生たちからの質問を受けるMISIAさん(photo: Santin Aki)

 

ザンビアで難民キャンプの子どもたちと音楽やダンスで交流

MISIAさんはこれまで、仲間と共に立ち上げたmudef(ミューデフ)の活動などを通じて、ケニア最大のスラムに暮らす子どもたちの教育サポートなど、アフリカでさまざまな境遇のもとに暮らす子どもたちへの支援を続けてきました。そして、今、アフリカの難民問題にも大きな関心を寄せています。今夏、MISIAさんはザンビアを訪問し、JICAの青年海外協力隊員が活動する難民キャンプの小学校で、子どもたちと音楽やダンスで交流します。

 

MISIA(ミーシャ)

歌手。1998年、「つつみ込むように…」でデビュー。2007年に初めてアフリカを訪れ、10年には同じ志を持つアーティストと共に一般財団法人「mudef」を設立。当初から理事も務めている。同団体は、音楽とアートを通じて世界の問題を解決することを目的としており、マラリア防止の蚊帳を配布する「ラブ イズ フリー キャンペーン」、ケニアのスラム街・キベラにある小学校のマゴソスクールを支援する「プロジェクト・マゴソ」のほか、東日本大震災の支援など国内外で活動している。

 

【JICA(独立行政法人国際協力機構)のHPはコチラ

 

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