人気シェフたちがSNSでボランティア
新型コロナ蔓延後にイタリアで目立っているのは、自分のレストランを持ちメディアへの露出度も多い人気シェフたちの活躍です。現在本業のレストランは休業中のため、家にこもるイタリア人に向けて、それぞれのシェフがソーシャルメディアでレシピを公開し始めたのです。
グッチのレストランの料理を手掛けるマッシモ・ボットゥーラ氏は「外出制限中の料理レッスン」と銘打ち、シンプルで実践的なレシピをソーシャルメディアにアップしています。ミシュランの3つ星シェフらしい贅を尽くしたものではなく、家庭で気軽に楽しめる料理というところが好感を持たれているようです。
また、テレビ出演が多く名前を広く知られているアントニオ・カンナヴァッチュオーロ氏も同様に、高尚な料理ではなく、自身の幼少期にルーツがある家庭的な料理をソーシャルメディアで発信中。
ミシュランの星付きシェフのカルロ・クラッコ氏は、感染の被害が大きい北イタリアで医療の最前線で働く人々のために料理を提供しています。ミラノでは見本市会場を臨時の病院として改装しましたが、そこで働く工事従事者や病院関係者のために、レストランのスタッフとともにボランティアとして食事を作り続けているのです。
料理分野以外でも、イタリアを代表するブランド各社が新型コロナ撲滅のための取り組みに乗り出しています。ブルガリは香水の代わりに消毒液を、アルマーニは防護服をはじめとする医療関係製品を、フェラーリはボローニャの医療関係企業と協力して人工呼吸器を生産しています。
長期化した都市封鎖に疲れ切っているイタリア人にとって、料理をはじめ各分野においてメイド・イン・イタリーの底力を目の当たりすることは、前を向く勇気をもらえるきっかけになるのではないでしょうか?