売り上げが10倍以上に
Glovoの需要が高まっているほかの理由には、生鮮食品を含めた生活必需品を注文できることや、宅配を実施していない飲食店にもデリバリーフードを注文できることが挙げられます。これまでスペインやイタリアでは、食品のオンライン購入や飲食店からのデリバリー需要がイギリスやアメリカと比べて高くありませんでした。しかし、スペインのように新型コロナウイルスの被害が深刻なイタリアでは、感染拡大後に大手スーパーのオンライン購入者が感染拡大以前と比べて2倍以上に、Glovoの売り上げは10倍以上になったと報告されています。
スペイン国内の大手スーパー各社でも、オンラインで購入した品を自宅まで届ける自社サービスを提供していますが、現在は利用者があまりにも多いため、オンライン購入のサイトに入るまで何時間も待たされたり、商品を選んでも配達可能日時が1週間先まで埋まっていたりと、現実的にはかなり不便な状態。でもGlovoの場合は、実店舗に比べて商品数こそ限られますが、現在のような状況でも必要な商品を必要なときに購入できるうえ、1時間以内に届けてもらえるのです。
新型コロナウイルスによる行動制限が開始される前から若い世代を中心に注目されていたGlovoですが、今回の緊急事態を機に、これまで同アプリを利用していなかった人たちの間にも需要が広がっています。スペインの行動制限措置は緩和されても、出前アプリを使った買い物の新しい方法は普通のことになるかもしれません。