生活リズムや睡眠スタイルについて話をするとき、たいてい私たちは人間を早寝早起きの人と夜遅い時間まで活動している人の2つに分けます。しかし人間の生活リズムは単純に「朝型」と「夜型」の2種類だけではなく、実は6つのタイプが存在することがロシアの大学の研究で判明しました。
私たちの身体は体内時計や生態リズムによって、朝は自然と目が覚め、夜になると眠くなります。このリズムを朝型や夜型などと分けるのが「クロノタイプ」と呼ばれる分類法で、これまでのクロノタイプは朝型と夜型の2つに分けるのが一般的でした。しかし、これをもっと詳細に見てみると、実際には6つのタイプがあるというのです。
そう主張するのは、ロシア諸民族友好大学の生理学の研究者。その研究では2283人以上を対象にオンラインで調査を行い、集めたデータを解析。すると、従来の朝型と夜型に加えて、さらに4つのカテゴリーに分けることができるのを発見しました。睡眠時間、日中の眠気度合、朝の目覚めやすさ、入眠までの時間など、新しい基準で分類を行い、新たにわかった6つのタイプが以下の通りです。
1 朝型(Morning Type、朝に最も覚醒レベルが高くなるタイプ)
2 夜型(Evening Type、夜に最も覚醒レベルが高くなるタイプ)
3 覚醒型(Highly Active Type、一日を通して覚醒レベルが高いタイプ)
4 日中眠気型(Daytime Sleepy Type、日中に覚醒レベルが下がるタイプ)
5 日中覚醒型(Daytime Type、日中に覚醒レベルが高くなるタイプ)
6 非覚醒型(Moderately Active、一日を通して覚醒レベルが低いタイプ)
グラフの横軸は朝、昼、夜の時間を表し、縦軸は覚醒レベルを表しています。ここでは、特に「覚醒レベル」、つまり意識がハッキリしていて集中力や注意力がある状態について着目。朝型は、朝に覚醒レベルが最も高くなり、夜型は朝から夜にかけて覚醒レベルがどんどん上昇するタイプと分類できます。さらに、一日中ずっと覚醒レベルが高いタイプや、日中だけ高くなるタイプなどと分けられるのです。
この研究チームでは調査に参加した人のうち、朝型は13%、夜型は24%、覚醒型は9%、日中眠気型は18%、日中覚醒型は15%、非覚醒型は16%いると分析。つまり、従来の朝型と夜型に当てはまるのは全体の37%に過ぎず、残りの6割近くが新しい4つのタイプに分類できるとわかったのです。従来の朝型と夜型の分類は曖昧な分け方だったんですね。
クロノタイプには、その人が持つ遺伝子が関係していると言われ、ライフスタイルによってその影響も異なると考えられます。自分は6つのなかでどのタイプに当てははまるかを考えてみると、仕事のパフォーマンスを高めたり、健康的な生活を送ったりするうえで参考になるかもしれません。