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2021/12/17 19:30

人は「笑い声」で国籍を見分けられる? オランダの大学の研究

欧米の人は日本人よりリアクションが大きく、「笑いのツボが違う」などと一般的に言われています。笑いは文化ということかもしれませんが、先月そのような見方と関連する研究が発表されました。どうやら人間は、笑い声を聞いただけで、笑っている人が聞き手と同胞であるかどうかわかるようです。

↑笑い声を聞けば、同胞を当てられる

 

人が笑うという行為は、言葉を使わないけれど、誰かと共感したり人との距離を縮めたりできる非言語コミュニケーションですが、文化的背景によって表現方法が異なることが指摘されています。では、人は笑い声を聞いて、笑っている人の国籍が自分と同じかどうかわかるのでしょうか?

 

この問題に取り組んだのが、オランダ・アムステルダム大学と日本の研究者たちです。彼らは、日本人131人とオランダ人273人に、前後の会話部分は排除して人の笑い声の音声だけを聞いてもらう実験を行いました。笑いは、面白いジョークを聞いたときに自然に生まれるような「自発的な笑い」と、上司とコミュニケーションするような場面で考えて行う「人為的な笑い」の2種類に分類し、この実験では両者から、笑っている人が自国の人かそうでないか被験者に判断してもらいました。

 

その結果、自発的な笑いの場合、自国の人か判断し正解率は、日本人が約77%、オランダ人が約76%。人為的な笑いの場合の正解率は、日本人が約77%、オランダ人が約71%でした。

 

笑いはアイデンティティを示す?

人為的な笑いは、本人が意図的に笑おうとするので、話し手本人の個人的な特徴が出やすいもの。先行研究では、人為的な笑いのほうが自発的な笑いより、笑っている人本人を識別しやすいことがわかっていました。そのため、今回の実験を行った研究チームは、人為的な笑いのほうが、国籍が同じ人を見抜きやすいと予想していたのです。

 

しかしそれに反して、オランダ人も日本人も、自発的か人為的かに関わらず、笑い声を聞いただけで、高い確率で自国の人かどうかを判断することができたのです。この2か国以外の人たちはどうなのかという問題はありますが、仮にこの結果が普遍的に妥当だとしたら、私たち人間は笑い声を聞いて、そこから民族や国籍といった情報を引き出していると考えることができます。

 

たとえ何について笑っているかわらかなくても、人間は、声の高さや発声方法など、あらゆる情報を瞬時に判断して、笑っている人物がどのような人なのかを推理しているようです。私たちは日常生活でさまざまな人の笑い声や笑い方を耳にしていますが、その経験が積み重なり、無意識のうちに「日本人の笑い方」だという認識を持つようになっているのかもしれません。

 

【出典】Kamiloğlu Roza G., Tanaka Akihiro, Scott Sophie K. and Sauter Disa A. 2022. Perception of group membership from spontaneous and volitional laughter. Philosophical Transactions of the Royal Society. http://doi.org/10.1098/rstb.2020.0404

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