頭脳を使ったデスクワークの仕事が中心の「ホワイトカラー」に対して、生産現場で活躍する技術者や作業者を指す「ブルーカラー」。現在、米国のZ世代では後者の仕事に就きたい人が増えているようです。
18歳以上の米国人2019人を対象に行われた最新の調査で、「ブルーカラーの仕事に就く計画がある」と答えた人は全体の23%でした。しかし、1997年から2012年生まれのZ世代に限ってみると、その割合は50%だったのです。
その背景にあるのは、大学に対する考え方の変化。米国の大学は学費が高く、過去24年間で大学にかかる平均費用が2倍にもなっています。そのため、多くの生徒が学生ローンを組み、卒業後にその返済を行っている現実があります。そのせいか、「大学に行く価値が本当にあるのか?」という疑問が芽生えているようです。
実際、この調査では全体の77%が「キャリアの成功に大学の学位が必要と考えるのは時代遅れである」と回答。「大学に投資する価値がある」と答えた人は、半数しかいませんでした。
そんなZ世代が求めているのが、電気工事、配管といったブルーカラーの仕事です。電気技師や太陽光パネル関連の仕事などは需要が高く、最近では風力タービンの設置に関わる仕事は非常にニーズがあり、年収10万ドル(約1500万円※)を超えるケースもあるのだとか。
※1ドル=約147円で換算(2024年10月3日現在)
言い換えれば、職人や技能労働者の総称である「ガテン系」の仕事が注目されているようです。今回の調査で、全体の66%が「職人の仕事は企業で働くより安定している」と考え、Z世代の約23%は「職人の仕事を前向きに考えている」ことがわかりました。
大学に行くより、早くから働いて手に職をつけたい。学費や雇用といった社会情勢の変化に伴い、人気の職業にも変化が生まれているのかもしれません。
【主な参考記事】
New York Post. Gen Z workers training to become plumbers, electricians as they lose faith in college degrees. October 10 2024