ビジネスの現場でもう姿をほとんど見ることのないフロッピーディスク。2022年に山口県の自治体が住人に約4600万円を誤送金した問題では、「役所はまだフロッピーディスクを使っていた!」と人々に衝撃をもたらしました。しかし今度は、米・サンフランシスコの地下鉄でも、まだフロッピーディスクが使われていたことが判明。同国のメディアを騒がせています。
路線バス、高速鉄道、ケーブルカーとならんで、サンフランシスコの人々の足となっているのが、地下鉄です。その地下鉄は、列車が地上を走行している間は運転手による手動での運転が行われていますが、列車が地下に入ると搭載したコンピュータが「自動列車制御システム」に接続し、運転手の目視確認を行いながら自動で走行するそう。そして、この自動列車制御システムを実行するソフトウェアが、毎朝フロッピーディスクに読み込まれて保存されているというのです。
このことが米国のメディアで報じられたのは、サンフランシスコ交通当局がこの老朽化した列車制御システムの刷新にかかる2億1200万ドル(約327億円)を承認したから。
※1ドル=約154円で換算(2024年11月7日現在)
当初は、フロッピーディスクを利用した現在の仕様から新システムへの移行を2018年に開始する予定でしたが、新型コロナウイルスのパンデミックによって延期されていました。移行にかかる期間は約10年と予測され、現在の最終目標は2030年に決定されたそうです。
このことを報じた米国のメディアは、「フロッピーディスクは1980年代から1990年代によく使われたものだが、CD-ROM、USB ドライブ、ハードディスクの登場で姿を消した」と紹介しています。フロッピーディスクの最後の大手製造メーカーはソニーとされており、同社がその生産を中止したのは2011年。それから10年以上が経っても、まだ使われている現場がどこかにあるのかもしれません。
【主な参考記事】
New York Post. San Francisco OKs $212M plan to finally replace aging train system run by floppy disks. November 4 2024