雑貨・日用品
2020/8/27 18:00

トレンドの「白いTシャツ」をずっと真っ白に保つ洗濯術【上級編】

今年の夏は猛暑が続きますが、熱中症を防ぐ対策のひとつとして、黒いものより白いものを身に着ける、という方法があるそうです。ご存じのように黒は太陽光線の熱を集めやすいため、黒い衣服やマスクよりも白いもののほうが身に着けたときに暑く感じにくいとのこと。

 

それとは別に、ここ数年は白いTシャツが夏のファッションのトレンドアイテムして注目されています。カジュアルでリラックスした雰囲気を感じさせながら、涼しげで清潔な印象も与える“白T”は暑い季節のマストアイテムですね。

↑夏の定番アイテム「白T」

 

今回は、そんな夏場に欠かせない白いTシャツを、ずっと新品のような白さをキープする洗濯テクニックをもうひとつを紹介します。初級編は関連記事をチェックして下さい。

 

白いものは白いものだけで洗う

とても基本的なことですが、白いものは色のついたものと分けて洗う、これってとても大事なことなんです。なぜだかわかりますか?

 

衣類を洗濯機を使わず手洗いするとわかりやすいのですが、黒や紺、赤、青など色のついた衣服は、水につけただけで染料が少しずつ落ちていきます。いわゆる“色落ち”です。

 

洗濯の途中で洗濯機の中の水を見てみると、茶色や灰色にうっすら濁っていることがありますね。その濁った水を見て、「わーこんなに汚れてたんだ」と勘違いされる方も多いのですが、実は濁りの原因のひとつは衣類から水に溶けだした染料なのです。

 

このとき、白い衣服を一緒に洗っていると、色のついた服から落ちた染料が白い衣服に移ってしまうことがあります。これを「移染」といいます。一般的には、色の濃いものから色の薄いものに色が移ることを指します。

 

お気に入りの白いシャツやブラウスが、洗濯でピンクやブルーに染まってしまったことはありませんか? そこまで劇的な変化でなくとも、色のついたものと白いものを一緒に洗っていると、少しずつ染料が移って、白いシャツがくすんできたり、全体的にうっすらグレーがかかったりしてしまいます。

 

これを防ぐためには、白いものを色のついたものと分けて洗う必要があるのです。

 

分けて洗うのが面倒なら「手洗い」をマスターすべし

こう説明すると、「家族が多いので洗濯物の量も多く、とても色物と白物を分けて洗う余裕はない」「毎晩、その日着たものをまとめて洗うので、分けて洗うのは手間」と思われる方もいらっしゃると思います。

 

その場合は、「大事な白い服だけでも分けて洗う」ことをオススメします。例えば、部屋着にしている白いTシャツは多少くすんでもいいから一緒に洗っちゃってもよし、その代わり大事にしている白いブラウスや高かったシャツは分けて洗おう、という感じです。

 

しかし、大事な服とはいえ1枚だけだと洗濯機で洗うのは面倒ですよね。そういうときは、ちゃちゃっと手洗いしちゃいましょう。

 

手洗いと聞くと、洗濯石けんを塗り付けて洗濯板でゴシゴシ……というイメージを持つ方もいらしゃるかもしれませんが、実はもっと手軽にできちゃいます。

 

まずは衣服の洗濯表示をチェック。水洗い可能かどうかを確かめます。洗えるようなら、全体をさっと確認して食べこぼしのシミやえりそでの黄ばみなどがないか確認しましょう。部分的な汚れがある場合は、液体洗剤を汚れに直接塗布する“直塗り”をしておくと、汚れが落ちやすくなりますよ。

↑汚れが気になる部分にはあらかじめ洗剤を直接塗布しておきます

 

用意ができたら、たらいやバケツに水を張ります。なければ、洗面台に水を貯めてもOK。そこに、普段の洗濯で使っている洗剤を適量入れてさっとかき混ぜたら、衣服を簡単にたたんで浸します。そのまま、軽く全体を押すように“押し洗い”しましょう。押す回数は20回程度で大丈夫です。汚れが気になるえりそで部分は、指でつまんで揉むようにするとなおよし。

↑洗面台に水を張れば簡単に手洗いできます

 

洗い終わったら、水を捨て、軽く脱水を行います。このとき、雑巾をしぼるようにギュッとねじるとダメージになりますので、手巻き寿司を作るイメージで端から丸めるようにしぼるとよいでしょう。

 

軽く脱水したら、再び水を貯めて、水の中で衣服を振るようにしてすすぎます。そして、もう一度脱水→すすぎを繰り返します。柔軟剤で仕上げたいときは、この最後のすすぎのときに入れてください。2回目のすすぎが終わったら、最後の脱水は洗濯機で行いましょう。脱水時間は、しわが気になる衣類なら短めに、しっかり脱水したいときはいつもの長さでOK。

 

以上で手洗いは完了です。慣れれば5分程度で2回目のすすぎまでできるようになります。洗濯機での分け洗いができない場合は、ぜひ手洗いも活用してくださいね。

 

白いものは“蛍光増白剤”入りの洗剤で洗おう

白いTシャツの白さを保つ方法をもうひとつ。白いものを洗うときは、「蛍光増白剤」入りの洗剤を使うようにしましょう。蛍光増白剤が入っていない洗剤は「無蛍光」「蛍光剤無添加」などの表示がありますが、パッケージの裏にある成分表を見ても判別できます。

↑パッケージの成分表をチェック

 

蛍光増白剤とは、日光などの光に含まれる紫外線を吸収して青い光に変えることで、繊維の黄みを打ち消して白く見せるという染料です。ブラックライトを当てたとき、青白く光るアレですね。

 

実は、コットンなどの天然繊維は、本来、茶色がかった色をしています。繊維製品の中には「生成り」と呼ばれるものがありますが、あの色が綿花本来の色に近い色です。

↑綿100%の化粧用コットンで比較。左が漂白されている一般的なコットン。右が無漂白のコットン。無漂白のコットンは全体に黄みがかっており、綿花の葉や茎などのカスが混入して黒いツブのように点在しています

 

筆者がかつて繊維メーカーに勤めていたときに、自社の工場で綿花(原綿)から糸を作る工程、さらに糸を織って布にし、その布を白いシャツ用の生地にする工程を見てきました。茶色がかったコットンは、綿花から生地にするまでの工程で何度も漂白しますが、それだけでは真っ白にはなりません。最終的に蛍光染料を使って、どのような白にするのか「白度」を調節しています。つまり、市販されている白い衣服は、ほとんどが蛍光染料で処理されているのです。

 

蛍光染料は染料の一種ですから、先ほど説明したように、洗濯などで水に浸かるたびに徐々に落ちていきます。その結果、新品だったときに輝くような白さだったシャツが、洗濯を繰り返していくと徐々にくすんだような白さに変化していくのです。

 

洗濯のたびに落ちていく蛍光染料を補って、買ったときのような白さを維持しようというのが、洗剤に含まれる「蛍光増白剤」の役目というわけです。

 

この蛍光増白剤は、青白い光を発光して黄みを打ち消し、生地を白く見せるという仕組みなので、生地そのものを白く染めているわけではありません。よって、色のついた衣服に使っても白っぽくなってしまうということはありませんが、生成りやパステルトーンなどの淡色の衣服に付着すると、色の見え方が変わってしまう場合があります。そのため、淡い色の衣服には使えません。蛍光増白剤が入った洗剤には、必ずその旨注意書きがありますのでチェックしましょう。

 

洗剤は1種類しか使わない、ということであればどんな服でも洗える無蛍光の洗剤を選んだ方が無難ですが、白い衣服には蛍光増白剤入りの洗剤を使ったほうが白さをキープできますので、お気に入りの白い服をお持ちなら、白物用として蛍光増白剤入りの洗剤ひとつ持っておくと便利ですよ。

 

白い服はきちんとお手入れすれば、いつまでも新品のような白さを保つことができます。正しい洗濯方法をマスターして、お気に入りの白Tシャツを長持ちさせましょう。

 

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