雑貨・日用品
キッチン用品
2021/6/5 22:00

モノは便利さだけで選ぶべきでないと教えてくれる月兎印「スリムポット」【愛用品コラム64】

本連載ではGetNavi web編集長・山田佑樹が日々の生活で愛用している品々を紹介していきます。

 

【#愛用品 64:月兎印「スリムポット」】

●起

今の家に引っ越す前、キッチン周りのアイテムは赤で揃えていた。オーブンレンジ、炊飯器、コーヒーメーカーなど。リビングは緑で統一。家の中で場所ごとにキーカラーを設定して彩りを与えていたのだ。赤を代表するアイテムが、月兎印のポットである。

 

●承

便利さ、だけで判断するとスリムポットは選択肢からこぼれ落ちてしまうアイテムだ。湯を沸かすととにかく熱い。取手に布を巻いても熱い。注意して注がないとヤケドする。あまり水を入れすぎると沸騰時に吹き出してコンロがお湯びたしになる。便利ではない。ただし、長く使い込んで一緒に歳をとっていくなら、一級品だ。そして、お湯を沸かすことから楽しみたい行為にも最適だ。

 

●転

以前、タイガーの黄色いタンブラーを紹介した際、「目にとまったら黄色信号。一旦ひと休み」と触れたが、このスリムポットも役割は似ている。昼間、このポットが目にとまるときは、アイデアが浮かばず、次のtodoが整理されていなくて家の中を徘徊しているとき。そんなときは、お湯を沸かして小休憩をして頭を落ち着ける。とても2020年代的なアイテムとして機能している。

 

●結

このコラムを書くときに、本商品をテーマにした600文字の超短編小説を書いた。お見せできるレベルのものではないが、創作意欲がかき立てられたのだ。短編を書くなんてほんと久しぶり。美しいフォルムに、美しい琺瑯の色合い。このポットには表現欲をたぎらせて、吹き出させる魅力がある。

 

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