長らくのオンラインイベント続きのせいで感覚を忘れていたが、リアルでの展示会や見本市の取材では、いつもカバン選びが難しいのである。取材中は多くの出展ブースを巡るので、もらった資料やサンプルを収納したり、名刺入れを出し入れしたり……という動作を繰り返すことになるのだが、リュックだと、いちいち背中から下ろしたり上げたりが面倒なのだ。だから基本的には肩掛けのトートバッグが便利なのだが、それでも肩紐の上げ下ろしは発生するので、万全とは言い難い。
なにか良いモノはないかな、と探していたところ、すごいバッグを見つけてしまった。それが、コミケなど同人誌イベント用に開発されたトートバッグである。考えれば、展示会での「資料などの紙束・小冊子をスムーズに出し入れしたい」という要望は、まさに同人誌イベントで必要とされる所作とまったく同じなわけで。そんなの、便利に決まってるぞ。
オタ活トートに取材バッグの最適解があった!
サンスター文具によるオタ活向けバッグブランド「ジョイカバ」から、2022年7月に発売されたのが「カウモ 買いまわりトート A4」である。見た目はごく普通のトートバッグって感じで、特になにかすごい機能を秘めているようには見えない。
ところが、筆者はもう「今後、展示会取材はこのトート以外ありえない」と断言しちゃうぐらいにハマっているのだ。
サンスター文具
ジョイカバ
カウモ 買いまわりトート A4
3500円(税別)
先にも述べた通り、展示会取材でとにかく面倒なのが、資料の受け取り。両手にカメラやメモを持った状態で、バッグの肩紐を下ろして、資料を受け取って収納して、また肩紐を上げて……手間が多すぎて、いつも軽くパニックなのだ。
それが、側面(左右両方)にサイドファスナーを備えた「買いまわりトート」さえあれば、すべては驚くぐらいスマートに済んでしまうのである。
サイドファスナーをジャッと下げて、もうそこからバッグ内部にアクセスできるので、資料を突っ込んだら、ファスナーを上げて終わり。肩紐の上げ下ろしが発生しないだけで、「マジか……!」ってくらいにラクなのだ。さすが同人誌イベント専用に作られただけあって、紙束・小冊子を出し入れするスムーズさは圧倒的である。
また、前面のポケットは名刺入れを入れておくにもジャストなサイズ感だ。ここならバッグ内よりも取り出しやすいので、とっさの名刺交換にも対応しやすいはず。なんならケース型の名刺入れは使わず、ポケットに直で名刺を入れて運用する(もう片方のポケットに、もらった名刺を入れておく)のもアリかもしれない。
ちなみにオタ活で用いる場合、このポケットは缶バッジをびっしりつけて痛バッグ化したり、Dリングにアクキー(アクリルキーホルダー)をぶら下げたり、といった使い方になるようだ。
見えないところも取材&オタ活にチューニング済み!
素材はかなり分厚いポリエステル生地を使っているので、頑丈さに関しては文句なし。しかもそれに加えて、表裏にそれぞれ芯材まで入っているので、安心感は半端ない。イベントや取材後に満員電車に乗っても、押されて中が潰れる心配はほぼないと言っていいだろう。
マチのあるトートバッグに大量の紙束を入れると、バッグの底がボッコリと沈んで不格好になってしまうので、硬い底板付きなのもありがたいポイントである。ちなみにこの底板は、単にバッグの中に敷いてあるだけなので、取り外せばバッグ自体を薄くして畳むことも可能。
また、背面にはループも付いており、キャリーバッグのハンドルにセットできるのもありがたい。出張取材のときなどは、この有無で地味に機動力が変わってくるのだ。
また、これは取材用バッグとしてはあまり関係ないが、同人誌の買いまわりで助かるのが、バッグ内部にある大きなフラップである。自身の趣味全開で購入した同人誌は、他人に見られると正直恥ずかしいもの。だから、買った本の上からこのフラップをかぶせてしまえば、上から覗き込まれてしまう心配がないというわけ。イベント後の電車移動なども、これなら安心だ。
同人誌イベント常連の知人が、「このトートを作った人、我々の気持ちを理解しすぎている!」と叫んだほどである。
ちなみにこのトート、プレミアムバンダイでの限定品なので、準備数に達すると終売となってしまう。現時点ではまだ販売されているが、気になったなら一刻も早くゲットすることをオススメする。