“寿司には日本酒ではなくビールに合わせるのが最新トレンド”がテーマで、今春にゲットナビウェブでも紹介した「寿司×クラフトビールフェス」。このイベントは、2016年2月に代官山の「スプリングバレーブルワリー(以下:SVB)」で行われました。前回は、目標来場者数の1500人を上回る1700人が訪れたという盛況ぶりで、早くも第2回が7月9日・10日に開催される運びとなりました! 内容はさらにパワーアップさせるということで、筆者も興味津々。今回は事前のミーティングとメディア向け試食会の両方に参加してきたので、その様子とともに注目ポイントをレポートしていきます!
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事前ミーティングとはフェスの関係者を中心に行われた企画会議で、6月初頭に行われました。GetNavi web編集部は、メディアで唯一このミーティングに参加。内容としては、顔合わせや内容の共有にはじまり、“当日提供予定の寿司とビールはこちらです”といった試食会を兼ねたものでした。
ただ同時に、それは責任重大なペアリングの最終チェックの場でもありました。当日提供された寿司は12種類、クラフトビールは16種類だったのですが、試作段階のそれらをすべて賞味。マイベストペアリングに投票するという重要なミッションが待っていたのです。
筆者はこれでもフードアナリストのはしくれ。ということでこの栄えあるテストに臨み、しっかりと投票させてもらいました。とはいえ、あくまでのこの結果はメニューのブラッシュアップが目的。来場者向けの指標やペアリングの順位などを決めるものではありません。
192通りの組み合わせから楽しくベストペアリングを見つけよう!
そんなミーティングを経て、当日の約一週間前に行われたメディア向け試食会にも参加してきました。ここにもそうそうたる顔ぶれが集結。クラフトビールは「ヤッホーブルーイング」に「ベアードブルーイング」など、有名ブルワリーがズラリ。
寿司でも“グルメ回転寿司”と称される名店が勢ぞろい。回転寿司王国と名高い石川県で屈指の人気を誇る「金沢まいもん寿司」をはじめ、米どころ・新潟のカリスマ店「佐渡前握り ことぶき寿司」、そして首都圏からは問屋直営による「まぐろ問屋 三浦三崎港恵み」がの3軒が出店します。
冒頭のあいさつで、藤原氏が興味深いことを語りました。
「回転寿司店では日本酒よりもビールのほうが飲まれており、その事実だけで考えても、寿司とビールが合うのは明らかです。また、寿司にワインが合うということで提案する寿司屋もありますが、寿司のシャリは穀物なので、ブドウから醸造されるワインよりも麦から造られるビールのほうが合うと考えられるでしょう。さらにビールには焦がしたり、果物やハーブをプラスしたりと無限に掛け算ができる可能性を秘めています。伝統的な寿司に創意工夫を加えて発展した回転寿司と、豊かな感性で多彩なスタイルを生み出し進化してきたクラフトビールは似たもの同士。自由に掛け合わせて究極のペアリングを見つけてください」(藤原氏)
ペアリングの組み合わせは実に192通り。すべて試すのは無理があるので、ペアリングのコツを3点伝授してもらいました。それは「似た色」、「似た風味」、「味の補い合いによる相乗効果」です。そうして、ズラリと並べられた寿司とビールは、前回の試食会を経てより相性が高められた傑作の数々。藤原氏のアドバイスをもとに見つけた、マイベストと思われる組み合わせを紹介しましょう。
【その1】 似た色同士のペアリング
寿司:のど黒炙りすだち・能登塩(一貫300円)/金沢まいもん寿司
ビール:スノーブロンシュ(140ml・300円、280ml・600円)/小西酒造
ビールのスタイル:ウィートエール
芳醇なのど黒を炙り、酢橘(すだち)と塩で味付けはさっぱりめのお寿司は、小麦やオレンジピール、コリアンダーで酸味を効かせた「スノーブロンシュ」にぴったり!
■その2 似た風味同士のペアリング
寿司:サーモン炙り・チェダーチーズ・ピリ辛明太マヨ(二貫300円)/三浦三崎港恵み
ビール:よなよなエール(140ml・300円、280ml・600円)/ヤッホーブルーイング
ビールのスタイル:アメリカンペールエール
暖色系のネタと食材で濃厚に仕上げた寿司には、パンチのある「よなよなエール」がベストマッチ。アメリカンホップの柑橘系の香りと苦みが絶妙!
■その3 味の補い合いによる相乗効果のペアリング
寿司:クリスピーライス マグロ乗せ(二貫300円)/ことぶき寿司
ビール:ほうじ茶エール(140ml・300円、280ml・600円)/SVB
ビールのスタイル:エクスペリメンタルエール
揚げたシャリにスパイシーマヨネーズ和えのマグロを乗せた洋風な寿司と、カテキン系の苦みが滋味深さを演出する和風の「ほうじ茶エール」が混然一体に。
■番外編 フードアナリスト・中山秀明がオススメするペアリング
寿司:佐渡銀鮭レモン〆トリュフ乗せ(二貫300円)/ことぶき寿司
ビール:静岡サマーみかんエール(140ml・300円、280ml・600円)/ベアードビール
ビールのスタイル:フルーツエール
“幻の鮭”と言われる佐渡銀鮭を東京で味わえるのは奇跡。上品で爽やかなサマートリュフの香りが、コク深いながら清涼感満点の「静岡サマーみかんエール」と美味なるハーモニーを奏でます。
寿司のためにつくられた限定ビールが絶妙に合う!
お気づきの人も多いと思いますが、メニューの価格が爆安ですよね。しかもメニューはチケット交換制となり、前売り券を買えばさらにおトクに! 前述ののど黒の寿司は一貫300円。ほかにも「石川県産ふぐタタキ 炙り白子」は二貫で300円!
そのほかにも高コスパの寿司が満載で、寿司×クラフトビールフェス限定のここでしか味わえないネタも多数。ビールは苦手だけど寿司は好きという人も、絶対参加すべきです!
また、今回は酢をはじめとする調味料でおなじみの「ミツカン」も特別協力として参加。30年以上前から同社は“土曜日は手巻きの日”と食卓での寿司シーン提案を行ってきましたが、今度は家庭で「ケーキ寿司」をブレイクさせるために、具現化させたメニューを提供します。
イベントに行けなくても限定ビールが飲める!
なお、7月9日・10日のイベントに行けない人は公式オンラインショップ「DRINX」をチェック。こちらのサイトでは、イベント内でSVBから提供される「鮨祭(すしまつり)」という柔らかい甘味と華やかな口当たりが特徴のウィートエールが7月15日より発売されます。また、七夕企画として2種類の新作ビールもSVBで発売中です。
「EpisodeⅡ」は完熟南高梅が漬け込まれており、後味に爽やかな梅が香るやさしい酸味の画期的なエールビールです。対する「EpisodeⅠ」は南半球のGalaxyホップを生のまま空輸して使用。「南半球のホップを生の状態で、北半球で使われるのは世界初」ではないかとのこと。生のホップならではのフレッシュ感が爽快で、パッションフルーツを思わせる華やかな香りと生ホップみずみずしさが鮮烈です。
寿司×クラフトビールフェスもそうですが、これからもSVBは“Beer Surprise”をテーマに、年間43種のビールを展開したり、画期的なイベントを開催していくとか。今回のフェスがさらなる成功を収めるとともに第3回のフェスが開催されることも期待しつつ、今後もSVBの斬新な取り組みをレポートしていきたいと思います。
【EVENT INFORMATION】
第2回 寿司×クラフトビールフェス
会場:SPRING VALLEY BREWERY TOKYO
住所:東京都渋谷区代官山町13-1
開催日程:7月9日(土)、10日(日)
営業時間:9日11:00~22:00、10日11:00~20:00(予定)
前売り券:1700円(300円券×5枚+オリジナル手拭)
当日販売券:2000円(300円券×5枚+オリジナル手拭)
追加チケット:1500円(300円券×5枚)
※各メニューはチケット交換制となります。
【URL】
ニュースリリース http://www.kirin.co.jp/company/news/2016/0610_02.html