ここ数年で名称としてはおなじみとなった「ふるさと納税」。最近では大手企業のCMやPRも熱を帯びていることで周知とともに理解が深まり、2015年の寄付受け入れは1653億円に。これは2014年比で4.3倍の伸び率となっており、今後さらなる拡大が見込まれそうです。そんななか、弁当を買うことで納税返礼品の一部を味わえる「ふるさと納税応援弁当」という商品が登場しました。
「ふるさと納税」という言葉は聞いたことあるものの、どんな制度なのかよくわからないといった人も多いのではないでしょうか。そんな人たちにふるさと納税を身近に感じてもらうため、食べるだけで地域を応援できるように開発されたのが、ふるさと納税応援弁当です。実はこちらの弁当、一度で二度も三度もおいしい内容になっているので、その詳細をお伝えします！
第1弾は有機農法を先駆けてはじめた奇跡の町の弁当
ふるさと納税応援弁当は、「地方創生フォーラム」の開催や「Yahoo! ふるさと納税」などで地方創生に力を注ぐYahoo! JAPANと、法人・団体向けに弁当やケータリングを展開する「ごちクル」や「シャショクル」の運営元「スターフェスティバル」の共同企画・開発によるもの。以前からヤフーの「東北エールマーケット」で協力し、弁当の売り上げの一部を東北復興支援として寄付するなどの地域貢献をしてきた両社が、地方活性化の取り組みをより広げるべく始めた事業です。
ふるさと納税“応援”弁当とあるように、この弁当を買うだけでふるさと納税が納められるというものではありません。ですが、売り上げの一部は農家や畜産家などの生産者支援に活用されるなど、地域活性化に貢献できます。また、同弁当ではふるさと納税の返礼品である良質な食材を使用。料理を考案したのもミシュラン星獲得店の店主とだけあって、味に対する期待感も申し分ありません。
そんな同弁当の第1弾は、宮崎県にある「綾町（あやちょう）」という自治体の食材を使用。今回は「伊勢丹新宿店」の本館地下1階食品フロア「おいしい+」と「ごちクル」で販売（ごちクルは100個以上の注文から受付）されていますが、立ち上げ記念としてヤフー社でもこの日だけ特別に販売されました。
調理を手掛けるのは、7年連続でミシュランガイドの3つ星を獲得している日本料理店「青山えさき」と超大御所です。そんな国内屈指の料理人である江﨑新太郎氏が、「綾町の食材ならぜひ！」とほれ込んでいたとのこと。その実態を調べると、実は綾町はすごいところでした。
人口約7200人と小規模ながら、町の面積約80％にもおよぶ日本最大級の照葉樹林は、2012年にパリで開催されたユネスコ会議において「ユネスコ エコパーク」に登録。また、1988年に全国初の「自然生態系農業の推進に関する条例」（自然生態系農業とは、いわゆる有機農法のこと）を制定するなど、自然と人の調和した町づくりが「理想郷」、「奇跡」として注目されています。
当然ながら、ふるさと納税の返礼品も大人気。名産品の「綾ワイン」を醸造する工程で生じる、ぶどうの搾り果皮や種子で育てた「綾ぶどう豚」を筆頭に、野菜やフルーツなども大好評となっています。これら人気の食材を使った弁当が、今回の逸品というわけですね。また、売り上げの一部が綾町に寄付されるほか、食べてもらうことで町のPRができたり、簡単にふるさと納税サイトに案内できたりというメリットがあります。
奇跡の弁当は新宿伊勢丹の地下1階で買える！
ということで、実際に弁当をチェックしていきましょう。先述の綾ぶどう豚を使った味噌しょうが焼きにはじまり、綾小松菜と油揚げのお浸し、綾ひめたけとトマトの醤油バター炒め、綾ひめたかとまいたけのご飯など、彩り豊かな旬の食材がいっぱい！ 大満足の内容です。
味も当然ながら激ウマ！ 茹でる、炒める、煮込むなど、素材本来の特徴を生かした手法で調理されており、味付けは優しいテイストながら旨味がしっかり。見事な盛り付けもさることながら各料理のメリハリのバランスも素晴らしく、さすがに匠の技は秀逸です。
なお、のしには綾町の魅力がわかるミニパンフレットを挿入。QRコードから「Yahoo!ふるさと納税」にアクセスすれば、ふるさと納税に協力することもできます。綾町の魅力に取り付かれた人や、弁当のおいしさに共感を覚えた人は、ぜひアクセスしてみてください。
筆者が取材したヤフー社での特別販売も大盛況。真の食通から認められるミシュラン星獲得の名店の特別な弁当ですから、1250円（税込）という価格もそう高くないのでは？
なお、スターフェスティバルではこれからも地方創生に特化した弁当を企画中。現状、ふるさと納税応援弁当ではないものの、地方自治体と組んで地方の魅力をPRする企画弁当も近日注文受付を予定しているそうです。第2弾、3弾と続くであろう、ふるさと納税応援弁当の今後の展開は楽しみですね！