この時期、各社からコードレス・スティッククリーナーの発表が続いています。今年の新作モデルは、どのメーカーもユニークな機能を備えていおり、各社の打ち出したいポイントが明確に表れている印象です。8月9日に発表された日立アプライアンスの「パワーブーストサイクロン」PV-BEH900もそのひとつで、同社の訴求テーマは「立体おそうじ」。多彩なツールを駆使することで、床だけでなく、さまざまな場所を立体的に掃除できるとのこと。しかも、吸引力が強く、車内の掃除にも便利なんだとか! 発表会の会場で、実際に本機をじっくり試してきました。
掃除したいのは床だけじゃない! 豊富な付属ツールで多彩なシーンに対応
日立が独自に調査したところ、ユーザーの「掃除がやりにくいところ、困っているところ」は、サッシの溝や網戸、高い場所のホコリ、TVなどの配線まわりなど細々とした場所だという結果に。また、スティックとハンディで分けて使えるコードレス・スティッククリーナーの場合、スティックを使うことが多いのは階段や家具、ハンディを使うことが多いのはクルマの中やふとん、家具の上や棚ということがわかりました。
こうしたユーザーの声を反映し、新モデルの「パワーブーストサイクロン」PV-BEH900では、基本の「パワフルスマートヘッド」に加え、「マルチすき間ブラシ」「ミニパワーヘッド」「ハードブラシ」「ほうきブラシ」「スマートホース」「ハンディノズル」「延長パイプ」といった多彩なツールを付属品として用意。これらのパーツを利用することにより、床だけでなく、掃除が難しい高い場所や階段、家具の隙間、サッシの溝などを簡単に掃除できる「立体おそうじ」が可能となりました。その付属品の充実ぶりは、こちらが「そんなに付けて大丈夫?」と心配になってしまうほど。「今ならアレも、コレもお付けして○○円!」というテレビ通販を思わせる、旺盛なサービス精神が感じられます。
本体はコンパクトで、女性やお年寄りも持ちやすい形状。バッテリー、基板、モーターのサイズや配置を見直し、集じん部の小型化に成功したそうで、本体の重さは1.5kgに抑えられています。
ボーリング球を持ち上げるほどのパワフルな吸引力
付属ツールの多さからテクニカルな印象の本機ですが、もちろん基本となる吸引力も確かなもの。もともと日立のコードレス・スティッククリーナーは吸引力が強いことも特徴で、本機も小型ハイパワーファンモーターと独自のパワーブーストサイクロンを搭載。発表会では3㎏の重いボーリングの球を持ち上げることで、その吸引力をアピールしていました。
さらに、新しい「パワフルスマートヘッド」は、従来モデルから圧力が約2倍に向上。床面付近に速い空気の流れができるようになり、高い集じん力を実現しています。これにより、以前のモデルでは取り切れなかった大きなゴミや微細なゴミ、さらには「きわぴた構造」で壁際のゴミまで吸い取ることができるようになりました。
クルマの掃除もミニパワーヘッド&交換バッテリーで万全
ハンディにして使うときは、クルマの中を掃除をする人も多いとのこと。ということで、会場にはクルマが用意されていました。実際に掃除してみたところ、背もたれ部分にぴったりとミニパワーヘッドが吸い付いてゴミを吸引。そのパワーは非常に強く、座席の隙間に入り込んだゴミもっしっかり吸い込んでいました。足元の暗い場所でも、ホース先端付近のLEDが照らしてくれるので隅々まで掃除可能です。
なお、バッテリーは満充電・満放電で約1100回使用できるので、毎日使ったとしても3年ほどは使えます。1回の充電で通常モードで40分間、強モードでは8分間運転可能となっていますが、クルマの掃除などで長時間使いたい人向けに、交換可能なカセット式バッテリーを採用。1万2000円(別売)の交換用バッテリーを用意しておけば、離れた場所でも長時間掃除ができます。
さらに、細かい点ではありますが、身体に排気が当たらないように方向を左右に切り替えられる「排気方向シャッター」も便利な機能。あの排気を浴びるのが苦手な人も多いですが、この機能があれば不快さを感じることはありません。
多彩なツールによってさまざまな掃除シーンに対応しつつ、パワフルな吸引力も兼ね備えた「パワーブーストサイクロン」PV-BEH900。“柔”と“剛”の魅力をあわせもった本機は、従来からある掃除への不満を双方向で解決してくれる、新たなコードレス掃除機といえるでしょう。
【SPEC】
●サイズ/標準質量(本体質量):308mm×255mm×1012mm/2.1kg(1.5kg) ●充電時間:約3.5時間