ハワイ島で続いているキラウエア火山の噴火。20か所以上の亀裂から流れ出した溶岩は住宅地も飲み込みながら、現地時間5月19日には島南東部の海岸線まで到達しました。溶岩流が海に流れんでいることも確認されています。そんななか、ハワイ島の住民たちの間で心配されているのが、有毒ガスによる健康被害です。
噴火前からある、ハワイ島の「ヴォグ」とは?
ハワイで大気汚染やガスについて話題にするときに、必ず登場するのが「VOG(ヴォグ)」。VOGとは、火山を意味する「Volcano(ヴォルケーノ)」と、「Fog(フォグ=霧)」、「Smog(スモッグ)」をミックスした言葉で、ハワイではよく使われています。
ハワイ島のキラウエア火山は活火山であり、今回の噴火が起こる前でも、火山からはガスや煙が噴出されているのです。そのため、ハワイ島周辺がガスなどに覆われて、空がすっきりしない日もあります。また、天気や風向き次第では、ハワイ島から飛行機で約1時間離れた場所にあるオアフ島も霞がかることも。そんなときは、「今日はヴォグがひどいね」なんて言ったりするんです。
これに加え、現在の噴火で住民の間でもヴォグや火山灰に対する不安が増加。さらに、高温の溶岩が海水に流れこみ始め、有毒ガスが発生する危険性が高まっているのです。
15分で売り切れる店も! ハワイでマスク不足
そんななか、簡単にヴォグから守る手段として、住民たちが飛びついたのがマスクでした。ハワイ島のある店では、開店15分で店にあるマスクがすべて売り切れてしまい、マスクが不足していることが1週間ほど前に報道されました。
日本では、風邪を引いた人も健康な人もマスクを着用する習慣があり、ドラッグストアやスーパーなどでは年間を通してマスクが販売されています。しかしハワイでは、「マスク=伝染病など重症な病気を持っている人」というイメージを持つ方が多いようで、街中でマスクを着用している人を見かけることはほとんどありません。もともとマスク需要が低かったことも手伝って、今回の噴火によりマスクの品切れ状態が加速しているようなのです。