自分が持っている交換レンズの資産を生かしながら、他社カメラへの乗り換えや追加がしたい。そんなときに役立つのが「マウントアダプター」です。マウントアダプターを使うと、どんなことができるのか。その基礎知識を確認しつつ、最近人気を集める「AF対応マウントアダプター」をチェックしていきましょう。
「マウントアダプター」はもはやマニアだけのものではない
一眼レフやミラーレスカメラといったレンズ交換式のカメラでは、どの「レンズマウント」を選択するかが、購入時の重要なポイントになります。レンズマウントとは、カメラのボディとレンズを接合するための機構のこと。多くのメーカーは独自の規格に沿ったレンズマウントを採用しており、異なるレンズマウント間での互換性はほとんどありません。
そうしたレンズマウントの不自由さを補うための用品が「マウントアダプター」です。マウントアダプターとは、ボディとレンズの間に装着し、レンズマウントの規格を変換するための中間リングのこと。
ただし、すべてのカメラで互換性を実現できるわけではありません。マウントアダプターが発売されているのはフランジバック(マウント面から撮像素子面までの距離)が短いカメラ用のものに限られます。また機能面にもいくつかの制約があり、本来のレンズと同じように使えるわけではありません。そのため、マウントアダプターの存在は知っていても、「難しい」「使いにくい」「マニアック」といった印象を持つ人も少なくないでしょう。
そんななか、ここ数年人気を集めているのがビギナーでも扱いやすい「AF対応のマウントアダプター」です。マウントアダプターといえば、銀塩時代のオールドレンズを楽しむためのものと考えがちですが、それだけが目的ではありません。今回取り上げるのは、AF(オートフォーカス)に対応した、比較的新しいレンズを使うためのアダプターです。純正レンズとまったく同じ、とまではいきませんが、複雑な操作や設定を必要とせず、誰でも気軽に利用できます。