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2015/5/19 16:23

日本酒好きなら知っておきたい、”家庭の日本酒保存術”

これから暑くなり、食材が日持ちしない時期になります。折角買ったのに、保存方法が悪かったがために味を損ねてしまった……。読者のみなさんにもそんな経験があるのではないでしょうか。

 

さて、今回紹介するのは日本酒の保存術。日本酒は繊細な味わいが持ち味で、おいしく家飲みするためには、保存法が重要なカギとなるのです。ここでは、誰でもカンタンに実践できて、暑い時期でも劣化を防げるワザを紹介します。

 

大吟醸と吟醸の違いが言えますか? 日本酒の種類がわかるたった2つのポイントとは?

 

「吟醸酒は冷蔵庫」、「純米酒は冷暗所」が基本

日本酒には、冷蔵しないと味が劣化する酒と、常温でもさほど変わらない酒があります。

 

吟醸酒のように長期低温発酵させて造った酒、生酒のように鮮度が命の酒は、冷蔵保存が原則です。特に生酒は常時5~6℃の温度で保存しないと味が変質してしまいます。問題は、家庭の冷蔵庫ではスペースが狭く、収納しにくい点です。その点、4合瓶で保存すれば、スペースを取らないので便利です。

 

本醸造酒や純米酒は冷蔵せず、冷暗所に置いても大丈夫。冷暗所が良いのは、涼しく、1年を通して温度が一定で、日光や照明器具の光が届かないためです。

 

次に注意が必要なのは、日光や蛍光灯。紫外線が酒の成分を変化させ、味の劣化を招きます。昔から酒の瓶が緑色や茶色なのは紫外線防止のため。専門店では、冷蔵ケース内に紫外線をカットした博物館用の蛍光灯を使用し、ガラス面もUVカットを施しています。家庭では同じようにいきませんが、瓶を新聞紙に包む、あるいは箱に入れて保存するなどの対策は可能です。

 

空気も酒にとっては大敵。日本酒は栓を開ければ空気に触れて酸化し、味がどんどん劣化してしまいます。栓を開けたらできるだけ早く飲み切りましょう。

 

家庭でもできる! 3つの日本酒保存術

その1

冷蔵庫で保存する!

効果:★★★★★

ラベルに「要冷蔵」と記載された日本酒は冷蔵庫に入れて保存すべき。特に吟醸酒は冷蔵保存した方が良いでしょう。また、火入れしていない生酒は必ず冷蔵庫で保管しないと、味が劣化します。

↓保存の目安となる温度↓

  • 生酒    ……5~6℃
  • 吟醸酒……10℃前後
  • 純米酒……常温OK
  • 普通酒……常温OK

 

↑日本酒居酒屋の大型冷蔵ケース。吟醸酒などの繊細な日本酒は、冷蔵保存が常識となっています
↑日本酒居酒屋の大型冷蔵ケース。吟醸酒などの繊細な日本酒は、冷蔵保存が常識となっています

 

 

その2

新聞紙で包むか化粧箱で保存!

効果:★★★

簡単にできる紫外線対策は、酒瓶を1本ずつ新聞紙に 包むか、化粧箱に入れて紫外線を防ぐこと。冷蔵庫に入れるときもドアの開閉などで微量の光を浴びるため、注意が必要です。

 

↑酒瓶を新聞紙で隙間なく包んでから保管。酒蔵から出荷される段階で、新聞紙に包まれている酒もあります
↑酒瓶を新聞紙で隙間なく包んでから保管。酒蔵から出荷される段階で、新聞紙に包まれている酒もあります

 

↑箱に入れても新聞紙で包むのと同様の効果が得られます。スペースがあれば保存しやすく、破損防止にもなります
↑箱に入れても新聞紙で包むのと同様の効果が得られます。安定感が増すため保存がしやすく、破損防止にもなります

 

↑酒便を横にすると、酒と空気が触れる面積が増えてしまうのでNG。酒が栓に触れて、腐食の原因になることもあります
↑酒瓶を横にすると、酒と空気が触れる面積が増えてしまうのでNG。酒が栓に触れて、腐食の原因になることもあります

 

その3

4合瓶に移して保存する or 4合瓶で買う!

効果:★★★★

冷蔵庫に一升瓶が入らない……そんな場合は、一升瓶を購入後に自分で4合瓶に入れ替えればOK。もちろん最初から4合瓶で購入してもOKです。

 

↑4合瓶は狭いスペースにも入るので冷蔵保存に向いています。冷蔵が必要な生酒などは4合瓶がオススメです
↑4合瓶は狭いスペースにも入るので冷蔵保存に向いています。冷蔵が必要な生酒などは4合瓶がオススメです

 

↑冷暗所への保存も4合瓶がラク。ちょっとしたスペースがあれば保存できるので便利です
↑冷暗所への保存も4合瓶がラク。ちょっとしたスペースがあれば保存できるので便利です

 

↑4合瓶は価格が割高なのが欠点。ならば一升瓶を購入して、自分で4合瓶に移せばOKです
↑4合瓶は価格が割高なのが欠点。ならば一升瓶を購入して、自分で4合瓶に移せばOKです

 

どうせお酒を飲むならおいしく飲みたいもの。晩酌することが多い方は、これを機会に保存方法の改善を検討されてはいかがでしょうか。