インテリア雑誌や「ピンタレスト」などでインテリアの写真を眺めていると、注文住宅や海外の部屋の壁の多様さに、憧れてしまいますよね。
今住んでいるのが持ち家なら、それらにならってDIYでペイントしたり、壁紙を好きな色柄に変えたりして楽しめます。でも賃貸住宅に住んでいるなら、白い壁紙を採用している部屋がほとんどで、いずれ原状回復をしなければならないことを考えると、なかなか壁への施工はしにくいものです。
ところが最近では、そんなニーズに応えるようなアイテムが開発され、賃貸であってもバラエティに富んだ部屋づくりができるようになってきています。今回は、たくさんのDIYグッズを販売し、使い方をレクチャーしてくれるカフェ「友安製作所」に、相談してみました。
賃貸でも自分で好みの壁紙に
壁紙を張り替えるとき、通常は今ある壁紙を剥がしてから貼りますが、賃貸物件のDIYでは、今の壁紙の上から新しい壁紙を貼る方法で貼り替えを行うのがおすすめです。剥がすときにきちんと原状回復できるか、今貼られている壁紙の種類を把握してから貼ります。「和紙など紙素材の壁紙の上から施工してしまうと、剥がすときに元の壁紙を破いてしまう可能性があります。不織布や塩化ビニールの壁紙の上からであれば問題なく貼って剥がせるので、あらかじめ今の壁紙がどんな素材なのかを不動産業者に確認しておきましょう」(友安製作所cafe・店長東さん、以下同)
壁紙DIYに必要なものを揃える
自宅の壁紙が施工できる素材だと確認できたら、次は必要な道具を揃えましょう。壁紙施工に必要なのは、「糊」「貼るときに必要な道具」「壁紙」です。壁紙はホームセンターやインテリア専門店にも売っていますから、好みの柄や予算から選ぶとよいでしょう。もっとも注意しなければならないのは、貼って剥がすことができる壁紙用の糊を使うことです。「糊は、強すぎると剥がしたいときに元の壁紙まで剥がれてしまいますし、弱すぎると貼っても剥がれてきてしまいますから、剥がすことを前提に作られた壁紙用の糊を使いましょう」
おすすめの壁紙DIYグッズ
1. 自分で貼って剥がせる壁紙用の糊
「DIY楽のり」
2700円
壁紙には、もともと裏側に糊がついていてシールのようになっているものと、糊がついていないものの2種類があります。シールタイプはそのまますぐに貼れて手軽な反面、粘着力が強くて剥がれにくいものもありますから、糊のついていない壁紙を購入し、糊をつけて壁に貼ります。「友安製作所では、貼ったあと剥がれやすくならずにしっかりと壁紙が貼れ、かつ、剥がしたいときには元の壁を傷つけることなく剥がせる糊をおすすめしています。壁紙施工に使えるカッターやヘラなどのついた壁紙5点セットも一緒に使うといいと思います」
2. 好みの柄で選べる種類豊富な壁紙
335円~/1m
https://www.kabe.xyz/shop/
壁紙の素材は、塩化ビニールや布、不織布、紙などさまざまありますが、初心者でも失敗なく貼りやすいのは不織布、次に塩化ビニールでできたものだそうです。日本製のものと外国製のものでは、販売されている壁紙の幅が違いますが、トイレの壁4面を貼るのには15メートルほど必要だと言われていますから、どのくらいの広さの場所に貼りたいのか、必要な壁紙の長さを計算してみましょう。「日本製と外国製では、値段に大きな差があります。たとえば国産だと10メートル3500円くらいですが、外国製だと8000円くらいすることも。どちらも柄は豊富にありますので、予算と相談しながら壁紙を決めてみてください」
賃貸物件でもできる壁紙の貼り方
賃貸物件では壁紙はどのように貼るのでしょうか。貼り方を友安製作所cafeの店長・東さんにレクチャーしていただきました。
1. 糊を壁紙の裏側に伸ばす
キャップを開ければすぐに使える「DIY楽のり」を、壁紙の裏側に塗っていきます。オンラインストアでも購入できる「初めて道具セット」に入っている、糊づけ用のローラーがあると同じ厚みで塗ることができて、きれいに仕上がります。「糊は2mmくらいの厚さに伸ばしていきましょう。紙製の壁紙の場合は糊をつけると壁紙が少し縮むので、馴染ませるために糊をつけたあとすぐ貼り始めず、5分くらい置いておきます」
2. 貼りたい部分より大きくカットして最後にサイズを合わせる
上から貼る新しい壁紙は、貼りたい部分のサイズぴったりにカットするのではなく、余裕をもたせてカットしておきましょう。「貼りたい部分に壁紙を当てて貼っていきます。このとき、壁紙の天地を間違えないよう壁紙の柄を確認しましょう。壁紙の耳の部分にも、天地の目印が書いてあります。また、貼りたい部分の利き手側から貼っていったほうが、のちのちカットするときに楽です」
3. ブラシでしっかりと密着させていく
貼りたい部分に壁紙を合わせたら、壁と壁紙をブラシでしっかりと密着させていきます。壁と壁紙の間に空気が入らないよう、内側から外側に向かって空気を逃がします。「手で押さえて貼ってしまうと凹凸ができやすいので、糊の厚みを調節するようにブラシで撫でていきます。あまり強くこすりすぎると、ついた糊が端からでてきてしまうので、やさしくなじませる程度にしておきましょう」
4. フチに合わせて型をつけていく
竹ベラを壁のフチに沿わせて壁紙をカットする位置を決めていきます。このとき、糊がついて柔らかくなった壁紙が破けてしまわないよう、丁寧に行いましょう。「壁紙とフチの間に溝ができないよう、少しフチの中に壁紙を押し込むようなイメージで型をつけていきます」
5. 壁紙をサイズに合わせてカットする
新しく貼った壁紙を傷つけないよう、ステンカッターガイドという、カッターを沿わせる定規を使って壁紙を切っていきます。「貼ったほうの壁紙に、ガイドを当てて保護しながらカットしていきます。カッターの歯は、切れにくくなったらすぐ交換してください。常に切れ味のいい状態でカットしないと、壁紙が引っかかって破けてしまうことがあります」
6. 壁紙をつなぎ合わせる
1枚目の壁紙が貼れたら、2枚目を貼っていきましょう。国産の壁紙の場合、1枚目に柄を合わせるようにして上から2枚目をかぶせます。「1枚目と2枚目の柄が合っているかどうかは、重ねる2枚目の壁紙をパラパラ漫画のようにめくりながら見ていくと失敗がありません」
7. 貼り合わせの部分をカットする
2枚目の壁紙が貼れたら、1枚目と2枚目が重なっている部分を切っていきます。このとき、2枚一緒に切らなければならないので、少し力を強くして一気に切りましょう。「切れたら2枚目をめくり、不要な部分を取り除きます。重ねて貼るのですが、最終的にカットすることで重なる部分がなくなり、1枚の壁紙になります」
DIYは楽しいものですが、壁紙の貼り替えを自分でこなすのはハードルが高い……という方におすすめしたいのが、壁に掛けられるパネルやシールなどを使った、手軽にできるイメージチェンジです。