日本は社会的課題先進国と言われています。少子高齢化がこのまま続くと2065年には人口は現在の3分の2に減り、65歳以上が総人口の38%以上になる超高齢化社会になるとみられているのです。超高齢化社会で問題になるのが医療費の高騰。平成28年度の国民医療費42兆円のうち、65歳以上の高齢者医療費は約60%の25兆円を占めています。高齢者社会が進展すると、これがさらに拡大していくことになるのです。
高齢化社会が進むなか、「平均寿命」と「健康寿命」の乖離をいかに埋めるか?
医療費拡大を防ぐには「平均寿命」と「健康寿命」の乖離をいかに埋めるかが重要となってきます。現在、その乖離は男性が8.84歳、女性が12.35歳と言われていますが、この乖離を少しでも減らし、健康に天寿を全うできる社会を実現することで医療費の増大を抑えられるということです。
健康寿命を延ばすには、身体の危機を早期に発見すること
さて、突然ですが、みなさんは“フレイル”という言葉はご存じでしょうか? フレイルとは、日本老年医学会が提唱した用語で、要介護状態に至る前段階を言うそうです。つまり、加齢とともに心身が弱っていく状態で、物理的に肉体が弱っていく身体的フレイル、認知機能の障害やうつ病などの精神的フレイル、一人住まいや経済的困窮などの社会的フレイルの3形態に分けられます。なかでも、タニタが着目したのが身体的フレイル。身体的フレイルを早期に発見し、適切な介入を行うことで寝たきりや要介護状態への突入を防ぎ、健康寿命を延ばそうと考えたのです。