JRに西武線と地下鉄が交わるターミナル、高田馬場。大学や専門学校が点在することから学生の街としても知られ、2000年代初期のラーメン激戦区でもある。つまりは安うまグルメの宝庫であり、街中華の名店も存在。そのなかから、今回は特に個性的な一軒「秀永」を紹介したい。
食べやすく仕上げられた個性派二大めしは必食だ
同店の個性を光らせているのが、独創的なメニューの数々だ。ラーメンやチャーハンなどの王道も当然あるが、それらを凌駕する人気の逸品をご覧いただきたい。まずは、ネーミングからして独特な「ほんこん飯」(ほんこんはん)を。
具材のベースは同店の「ホイコーロー」(920円)と同じ。調味はテンメンジャンとしょうゆ、酒。にんにくでパンチのある風味を、豆板醤で辛味を演出している。ただ「ほんこん飯」の場合はご飯がよく進むよう、若干濃い味付けに。またご飯と一緒に食べやすいよう、野菜を小さめに切っている。
これと双璧をなす名物が、「バッコチーハン(とりめし)」だ。こちらは「ほんこん飯」以上に珍しい(「ほんこん飯」的な料理を提供する街中華はある程度存在)メニューであり、特にユニークなのは、ぎんなんが入るところ。名称のバッコは漢字で「白果」と書き、これがぎんなんのことなのだ(チーハンとは鶏飯のこと)。
辛さはなく、やさしい甘味がおいしい。また、ご飯と絡みやすいよう片栗粉でとろみを付けているため、全体的にマイルドな味わいとなっている。