文房具
2019/5/3 21:00

姿を隠しながら目立たせる!? 矛盾した付箋「線ふせん」のアイデアに脱帽

【きだてたく文房具レビュー】カバンの中で剥がれ落ちない付箋

ここしばらく、仕事の関係で何冊か資料本を読み込む必要に駆られている。しかも、自宅で腰を据えて読めればいいが、そんな時間も取れない。仕方ないからカバンに分厚い本を何冊も放り込んで持ち歩き、空いた時間に細切れで目を通す感じ……。

 

この状態ではメモを取りながら読むのも難しく、ひとまずポイントごとに付箋を貼っていくものの……本をカバンの中に雑に放り込んでいるせいで、気付くと付箋が剥がれ落ちてしまうのだ。専門外の内容なので、付箋を足がかりにして何度か読み返さないといけないのだけど、当の付箋が剥がれているともう、完全にお手上げ! 帰宅してカバンをひっくり返したときに、剥がれた付箋が数枚ペラッと出てくると、絶望的な気分になる。

 

本からはみ出さない付箋

そこへ「あら、いいじゃないの!」となったのが、サンスター文具の「線ふせん」だ。

↑サンスター文具「線ふせん」各432円(1セット2色入り)
↑サンスター文具「線ふせん」各432円(1セット2色入り)

 

そもそも付箋が剥がれ落ちる最大の原因は、本の端からはみ出た付箋がカバンの中で他のものに当たってしまうこと。対策としては、あまりはみ出さないように調整して貼る、強粘着の付箋を使う(借りている本では使えない場合も)、ぐらいだろうか。

 

「線ふせん」は、まさに「本の端からはみ出さない」ことに特化した、剥がれ落ちない付箋なのである。

↑ページの端から出ないギリギリに貼る。慣れないとちょっと手間取るかもしれない
↑ページの端から出ないギリギリに貼る。慣れないとちょっと手間取るかもしれない

 

↑半透明なので貼っても紙面は読み取れるし、上からメモ書きも可能だ
↑半透明なので貼っても紙面は読み取れるし、上からメモ書きも可能だ

 

貼るときは、色が付いた側を本のページからはみ出さないギリギリの部分に貼る。だから、本を閉じると付箋は完全に隠れてしまう。

 

なんだよ、そんなの役に立たないじゃん、と言うのはまだ早い。本の小口(断面)を見ると、いま貼った付箋の色が“線”のようにチラ見えするのである。辞書の小口が章段ごとに色がついたインデックスになっている、あの感じに近いかもしれない。

↑本の小口に、色の線となって付箋が見える
↑本の小口に、色の線となって付箋が見える

 

たしかに、従来のように付箋がビローンと飛び出しているのと比べると分かりづらいが、剥がれて、どこに付箋を貼ったか分からなくなるよりはずっと助かるだろう。カバンの中から剥がれた付箋が落ちてきて「ギャー!どこから剥がれた!?」とパニックを味わうこともないし、なにより見た目もスッキリするのが嬉しい。

↑従来のフィルム付箋との比較。そりゃ、これだけはみ出してたら剥がれるわ
↑従来のフィルム付箋との比較。そりゃ、これだけはみ出してたら剥がれるわ

 

それなら普通の付箋をはみ出さないように貼っても一緒じゃん、と言うのも早計だ。「線ふせん」は、“色のついている側に糊がついている”ので、端ギリギリを攻めて貼りやすいのがポイント。

 

見た目は同様なフィルム付箋であっても、色のついていない側に糊がついていると、ページの端ちょうどに調整して貼るのが、思ったよりも難しいのである。

↑台紙は折り返してブック型ケースに変身。これならペンケースに放り込んでもクシャッとならずに済む
↑台紙は折り返してブック型ケースに変身。これならペンケースに放り込んでもクシャッとならずに済む

 

あとは、ちょっと地味なポイントだが、付箋台紙を内側に折り畳んでからミシン目で切り離すと、ブック型で収納できるのも便利だった。

 

今回は外で使う機会が多かったので、台紙ごとペンケースに放り込んで持ち歩けるのは、なかなかありがたいのである。最近はこういったブック台紙の付箋も多く発売されているが、折り畳むだけでなく、ベルトできちんと閉じて固定できる製品はあまり見かけない。本当に地味だけど、こういうのは親切でいいと思う。

 

最後に、これはもう難癖に過ぎないんだけど、あまりにも貼った状態が普通すぎて、貼ったことを忘れてしまうのだ。実は今回も、図書館で借りた本に結構な枚数を貼り込んだまま返しかけて、返却窓口であわててすべて剥がす羽目になった。これからは、本を返すときに小口をきちんと確認せねば!

 

さて、もうひとつサンスター文具の技あり付箋が秀逸なので紹介したい。打って変わって、存在感を主張するタイプだ。

 

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