家電ライター、倉本 春さんが話題の家電を使い倒し、こってり濃厚にレビューするコーナー。今回のこってりレビューのターゲットは、5月27日に発売されたダイソンの最新スティッククリーナー「Dyson V8 Fluffy」。「吸引力は?」「取り回しは?」「ゴミの捨てやすさは?」など、みなさんが「実際どう?」と思っている部分を網羅しました!
【関連記事】
パナvsダイソン、大掃除に使えるのはどっち? 最新コードレス&コード付き掃除機でサシ勝負!
ダイソンの新スティック掃除機は「騒音半分で2倍長持ち」! 新時代の幕開けを告げる4大進化を見逃すな!
ダイソンのスティック掃除機はなぜ人気があるのか? V6 Fluffyの魅力を改めて検証
犬の毛で汚染されている我が家をキレイにできるのか?
現在のコードレススティッククリーナーの売れ筋といえば、ダイソンのFluffy(フラフィ)シリーズ。先月、このFluffyシリーズに新しく「V8」シリーズが発売されました。じつは、毛の抜けまくる雑種室内犬を飼っており、そこら中が犬の毛で汚染されている我が家。こちらをどれくらい処理してくれるのか? さっそく新しい「Dyson V8 Fluffy」を試してみました。
Fluffyは「ソフトローラークリーナーヘッド」が付属した基本モデル
ところで、ダイソンの掃除機を購入したい人によく聞かれるのが「名前がいろいろあるけど、なにが違うの?」というものです。先月発売されたスティッククリーナーV8シリーズも、今回使用する「Dyson V8 Fluffy」のほか、「Dyson V8 Absolute」や「Dyson V8 Animalpro」などさまざまな種類があります。基本的に注目すべき点は「V8」の部分。これは、掃除機の心臓部ともいえる本体モーターの型番です。名前の「V8」以降にある「Fluffy」などは、付属品の違いとなります。
今回試用する「Fluffy」は、名前の通りFluffy(ふわふわ)な床用ロールブラシ「ソフトローラークリーナーヘッド」が付属した基本モデル。このほかに狭い場所を掃除できる「隙間ノズル」と、ノズルとブラシが合体した「コンビネーションノズル」、そしてソファーの上や車内掃除などに力を発揮する「ミニモーターヘッド」が付属します。
吸引力はさすがはダイソン!
ダイソンのコードレスクリーナーといえば、清掃力の高さが人気です。新しい「Dyson V8 Fluffy」は、吸引力が従来の「Dyson V6 Fluffy」よりも、さらに15%アップしています。実際に掃除をしてみると、床にへばりついた犬の毛から、細かなゴミまでグイグイ吸引してくれます。このあたりは、さすがダイソン!
ヘッドまわりがスッキリしていて狭い場所が掃除しやすい
ちなみに、V8の本体重量は2.61kg。さらに、床掃除時はヘッドの「ソフトローラークリーナーヘッド」の重さが加わります。我が家で測定したところ、このヘッドの重さは約770gほどで、合計すると床掃除時は約3.38kgとなかなかの重さ。このため、掃除をする部屋までの運搬中などは少々重く感じます。ただし、運転中はローラーが回転するからかスルスルと軽い力で掃除できました。
また、V8は本体が手元に配置されているため、ヘッドまわりがスッキリとしています。このため、ソファの下などの狭い場所や、狭い隙間の掃除がしやすいのも便利。さらに、手元に重心があるため、高い位置の掃除をしてもあまり疲れないのも好印象です。唯一、ヘッドを下にして自立できないのが惜しいです。
排気が顔に当たってもまったく臭くない!
もうひとつ、掃除をしているときに感じるのが排気のキレイさです。前述したように、ダストカップが顔の近くにあるため、角度によっては顔や身体に排気風を感じることもあります。しかし、Dyson V8 Fluffyだと、この風がまったく臭くないのです。ダイソンによると、Dyson V8 Fluffyは「0.3ミクロンの微細な粒子も99.97%以上とらえる」という高性能フィルターを搭載しており、フィルターを通った風は「部屋の空気よりキレイ」なのだそうです。
ちなみに、コードレスクリーナーで気になるバッテリーは、従来の約2倍までアップして最長40分ほど使用できるそうです。我が家で使用したところ、ソフトローラークリーナーヘッドを使用して、だいたい30分ほど連続使用できました。
ちなみに、我が家は100平米程度の4LDKですが、V8は小回りが利いて素早く掃除できるため、家じゅう掃除してもバッテリーが切れることはありませんでした。ただし、「強」モード使用時はバッテリー消耗が早いので注意が必要です。
ロングヘアがローラーに絡まないのがうれしい!
ダイソンを購入する一番の理由が掃除性能の高さ、という人も多いですが、個人的に一番気に入っているのは、V6から引き継いでいるソフトローラークリーナーヘッドの使いやすさです。このヘッドのローラーには、密集した柔らかな毛が植毛されているため、床を傷つけにくいというメリットがあります。
そして筆者にとっての一番のポイントが、ローラーに長い毛が絡まりにくいこと! 実は筆者は最長60cmほどのロングヘアの持ち主なのですが、普段使用している掃除機だと、一つの部屋を掃除するたびに、ローラーに巻き付いた髪をカッターで切る作業が必要でした。
しかし、ソフトローラークリーナーヘッドは、家じゅう掃除しても、髪が絡まることがありません。もちろん、髪が掃除できていないわけではなく、クリアビンの中には長い髪がみられます。ローラーヘッドを採用する他社製品では「髪の毛が絡まる」不満もよく聞きますが、その不満がないのはかなりうれしいポイントではないでしょうか。
新ダストボックスが画期的! ゴミ捨てが本当にラクになった!
実は、筆者は従来機のV6も何度か使用しているのですが、従来機で一番使いにくいと感じていたのが「ゴミ捨て」でした。従来のV6は、レバーを引っ張るとゴミが入ったクリアビンの底フタがパカッと開き、「手を汚さずにゴミが捨てられる」……はずなのですが、少しでもゴミが多いとビンとシュラウド(メッシュフィルター)の間にゴミが詰まり、手や割り箸でゴミをほじくり出す必要がありました。また、クリアビン内部のシュラウドの凸凹に白い粉汚れが溜まり、見た目が汚くなるのも気になっていました。
新モデルのV8では、これらの問題が一気に解消されています。ゴミ捨て時にはクリアビン底が開くだけでなく、シュラウドがビン上部にせり上がります。このため、ビンとシュラウドの間に詰まっていたゴミも簡単にポトンと下に落とせるのです。また、クリアビンには赤いシリコンのスクレイパー(こそげ取るへら状の器具)があり、このスクレイパーがシュラウドに付着したゴミをこそげおとすため、ゴミ捨て時にシュラウド掃除も同時にできてしまいます。
長年の悩みだった「長い髪の毛問題」が解消した!
最後に、Dyson V8 Fluffyを使ってみた印象をまとめましょう。手元のトリガーを引いて運転するため、個人的には、「家事をする」というより、「ゴミを撃退するゲーム」のように掃除が楽しくなる点も気に入りました。ただ、この機能は年をとった筆者の母にとっては「手が疲れる」と、少々面倒だったよう。このあたりは、今後トリガーをロックできる機能を搭載するなどの改良があればうれしいと感じました。
今回は使い勝手を中心にレビューしましたが、さすがダイソンだけあり、驚くほどよくゴミを吸引してくれました。そして、なんといってもソフトローラーヘッド使用時の「長い髪の毛問題」が解消したのが、我が家にとっては革命的。以前使用していた掃除機は、掃除時間の多くを「カッターでローラーに巻き付いた髪に切り目を入れ、絡まった部分を外す」という面倒な作業に費やしていました。この作業がなくなるだけでも、掃除時間が3割ほど減ります。
多くのペット飼いが悩まされているであろう、ファブリックに絡みついた犬の毛も、驚くほどキレイになりますよ。「コードレス掃除機はパワーが心配」という人にこそ、ぜひ一度体験してもらいたい製品です!
【関連記事】
パナvsダイソン、大掃除に使えるのはどっち? 最新コードレス&コード付き掃除機でサシ勝負!