【きだてたく文房具レビュー】リヒトラブの書類立たせツール
仕事上、書類を手元に置いて確認しながらの入力作業をする機会は、けっこう多い。筆者は普段、13インチのノートPCで原稿を書いているが、プレスリリースなどの資料をいちいち画面で参照しつつ……となると、エディタとのウインドウの切り替えが面倒くさい。なので場合によっては、資料をプリントアウトしたものを手元に用意して作業をすることもある。
そういうとき、基本的に書類は立てておきたい。そもそも机の上で書類を寝かせておくのはスペースがもったいないし、また寝かせた書類を見ながら垂直に近いPCの画面で入力するのは、視線の上下動が頻発するため、目と首が疲れやすいのである。
書類を寝かせていいのは書き込むときだけ。それ以外(閲覧・保管など)は、立てておくのが効率化の大原則なのだ。ということで今回は、2019年秋に立て続けに発売されたLIHIT LAB.(リヒトラブ)の“書類立たせツール”を紹介したい。
シンプル機構で書類を立たせる「クリップボード<スタンド付>」
書類を見ながらの入力作業をする際に便利なのが、書見台。要するに、書類を立たせておくためのペーパースタンドで非常に便利なのだが、わざわざそのために専用の道具を備えておくのも、ちょっと馬鹿馬鹿しい気がする。それなら、書見台にもなるクリップボードがおすすめだ。
LIHIT LAB.の「クリップボード<スタンド付>」は名前の通り、スタンドで自立もさせられるクリップボードである。
実はこれまでにも、各メーカーからこういった自立式クリップボードはいくつも発売されていたのだが、そんな中でも「クリップボード<スタンド付>」が優れているのは、そのスタンド部分のシンプルさだろう。
ボードを立たせるときは、裏面右端の溝に埋め込まれた半透明の樹脂製のバーを引き出して、真ん中で曲げつつ、先端を溝にパチッとハメ戻す。たったこれだけで、ボードをタテ/ヨコどちらにしても安定して自立させられるのだ。
自立式クリップボードは、基本的に「平置きする・手に持つ・立たせる」という3シーンに対応する必要があるため、板面の裏に直接スタンドを取り付けることができない。そこで従来品は、カバーを折り返してスタンドにしたり、板自体を分厚くしてスタンドを埋め込んだり、とややギミックがかさばる傾向にあった。
対して「クリップボード<スタンド付>」は、一見どこにスタンドが付いているのか分からないほど。とてもスマートだ。
さらに、樹脂パーツの先端をハメ戻す位置を変えることで、ボードの角度を70~80度の間で3段階に変更可能なのもポイントだ。
例えばデスクトップPCのモニターなら80度、ノートPCなら少し倒して70度と、ボードを画面に近い角度で立てられる。これなら書類を見るときも視線の上下動がなくなるため、疲れにくいというわけ(ただし横置きは75度のみで角度変更はできない)。
ボードの左端には縁がせり出しており、書類を挟むときはここに長辺を当てて揃えることができる。また、ボードをヨコ向きに立てる場合は、書類がずり落ちないように支えるストッパーとしても機能する。
実はこの縁、裏のスタンド棒を埋め込む溝が表側に干渉しているだけなのだが、それが邪魔にならず、便利に使える機能として成立しているのだ。見れば見るほど「へー、よくできてんなー」と感心する仕組みである。
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