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2019/11/30 20:00

油を水に変え、未来を予知する! 「魔法のような最新エアコン」の仕組みを解説

エアコン市場のピークは年に2回、夏と冬ですが、新製品は冬のシーズンを前に発売されます。すなわち、今。メーカー各社は続々と2020年モデルの発表・発売を済ませ、冬を迎える準備を整えています。エアコンの今年のトレンドは内部クリーンと人工知能(AI)。清潔性と賢い空調です。パナソニックが11月下旬から発売を開始した新モデルもこの2点が強化されています。それではパナソニック2020年エアコンのフラグシップモデル、「エオリア Xシリーズ」の特徴を見ていきましょう。

 

微粒子イオン「ナノイーX」をエアコン内部に充満させて油分を分解

リビングのエアコンはキッチンからの油分を吸って熱交換器がベタベタになり、それにホコリなどが付着してカビの原因になります。そこで新エオリアでは、新たに微粒子イオン「ナノイーX」を運転後のエアコン内部に充満させることで、熱交換器に付着した油分を分解・低減する「新・内部クリーン」機能を追加。新搭載の高濃度ナノイーXデバイスは従来のナノイーの2倍にあたる毎秒9兆6000億個のOHラジカルを放出し、油の中の水素を抜き取って水分に変えることで油を分解します。これにより熱交換器に付着した油分が流れ落ちやすくなり、ホコリやカビ胞子がたまらずカビが防げるという仕組みです。

↑リビングのホコリには約30%もの油分が含まれている

 

↑エオリア Xシリーズには、ナノイーに比べて10倍の高濃度のOHラジカルを発生させるナノイーXデバイスを搭載

 

↑ナノイーXは油分から水素を抜き取って分解する

 

冷房・除湿後だけでなく、暖房運転のあとにも内部クリーン制御が可能に

さらに新製品からは、冷房・除湿運転だけでなく、暖房運転のあとにも内部クリーン制御を行うこととしました。これは、冬の暖房時に加湿器を同時使用する家庭が増えたり、冬はリビングで鍋料理をしたりと、エアコン内部に湿気がたまり、カビの原因になることもあるからです。

↑新製品は従来の冷房・除湿運転後だけでなく、暖房運転後にも高濃度ナノイーXを充満させる

 

↑赤く着色した油を垂らし、そこに高濃度ナノイーXを投射すると、ものの1分で分解されて水に溶けやすい状態に

 

↑送風運転60分中に油を吸わせることを100回実施したエアコン(A)と、同じく送風運転60分中に油を吸わせたあとに冷房運転→新内部クリーン運転のサイクルを100回実施したエアコン(B)の2台を用意。その後、疑似花粉を吸わせると、Aは疑似花粉が油分に付着して真っ黄色に(写真)

 

↑ナノイーXで内部クリーンを行ったもの(B・写真)は、油分が分解されて疑似花粉はついていない

 

また、熱交換器を組み立てた後にホコリレスコーティングを施すことで、プレス加工後の凸凹した断面一枚一枚にもしっかりとコーティングが行き届き、付着する油分を少なくする工夫もしています。

↑熱交換器1枚1枚の断面にホコリレスコーティングを施している

 

↑ホコリレスコーティングありのステンレス素材に油を塗って水をかけるとすぐに流れていくが(左)、コーティングなしはべっとりくっついて流れない(右)。そもそもコーティングによって熱交換器に油分がつきにくくなっている

 

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