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2019/12/30 17:30

なぜ注目度が高い? あえて「キリンシティ」らしさを消した最新店に度肝を抜かれた

ドイツ伝来の“3回注ぎ”が名物のビアレストラン「キリンシティ」。同社が今冬、恵比寿にオープンした新業態に世間がざわついています! ブランド名は「クラフトマルシェ」。

 

↑1号店は「クラフトマルシェ 恵比寿店 by Kirin City」。恵比寿駅東口から徒歩3分ほどの、地下1階にあります

 

恵比寿らしい隠れ家ビストロ的な小規模空間には、筆者を含め多くの報道陣がパンパンに。TV系の大型カメラも多く、注目度の高さを物語っていましたが、では何がそんなにスゴいのか。特徴を紹介します。

 

最大16種のクラフトビールを高級グラスで楽しめる

冒頭で述べたように、「キリンシティ」といえばドイツ伝来の“3回注ぎ”。伝統の技でビアマイスターが丁寧にサーブした、こんもりとした泡のビールが魅力です。

 

↑「キリンシティ」にて。ここはビアマイスターが3回に分けて注ぐことで、苦味や炭酸をほどよく抜きつつホップの香りを立たせた至福の一杯を提供してくれるのが真骨頂

 

ところが新業態で提供されるビールは店名に“クラフト”が用いられている通り、伝統のビールではなく斬新なクラフトビールのみ。あえて伝家の宝刀は使わずに勝負するというのです。

 

↑クラフトビールのラインナップは実に多彩。26種のなかから定番11種+ほぼ日替わりゲスト5種で、最大16種の銘柄を楽しむことができます

 

またご存知の人は、「マルシェ」にもピンときたことでしょう。こちらは、生のクラフトビールを大掛かりなサーバーがなくても抽出できるようにした「タップマルシェ」に由来するものです。

 

↑2017年4月から展開が開始された「タップマルシェ」は、2019年末時点で全国約1万3000店に置かれているとか。取り扱い銘柄は2020年1月に27種となります(写真は別店舗)

 

「クラフトマルシェ 恵比寿店 by Kirin City」には1台で4種のクラフトビールを抽出できる「タップマルシェ」を4台設置。つまり、ビールに関してはすべてこのサーバーを使って16種を提供するのです。

 

ただ、それだけでは一般的な「タップマルシェ」提供店とそこまで変わりはありません。同店はドイツの名門「シュピゲラウ」のグラスを3サイズ用意。そこから好きなサイズを選んで楽しめるのもウリです。個人的に筆者が驚いたのはこの点にあり!

 

↑以前開催された「シュピゲラウ」×「グランドキリン」のセミナーにて。ビールのスタイルごとにグラスの形状があり、香りや味を鼻や舌などトータルの味覚で感じやすいように設計されています(写真は「シュピゲラウ」などを扱うRSN Japanの庄司大輔さん)

 

というのも、「シュピゲラウ」は値段がなかなかするうえに薄張りでデリケートなため、クラフトビール専門店でもあまりみかけません。つまりここまでこだわるには費用と勇気が要るのです。

 

↑ビールは120ml/440円から用意。ワンランク上のグラスでクラフトビールを飲み比べできるという点だけでも、超魅力的なお店といえます

 

同店のビールを飲んで、「あれ? ここのクラフトビールはほかのタップマルシェの店よりおいしい気がするぞ」と思ったら、それはグラスの影響だと思ってほぼ間違いないでしょう。クラフトビールは味わいが個性的なぶん、グラスによってそのポテンシャルがいっそう大きく花開きますから。

 

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