昨年末に家族旅行で「草津温泉」に行ってきました。スーパー銭湯などの大浴場も大好きなのですが、草津温泉に入って思ったのは「あ。温泉だ!」ということ(笑)。すごいざっくりした、あくまでも個人的な感想ですが、ちゃんと体に効いているというのが実感できて、温泉ってすごい元気になるんだ! と体感できたのです。
ちなみに温泉地でよく聞く「源泉掛け流し」ですが、『温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300』(小林 裕彦・著/集英社・刊)によると、実際は掛け流しにしておらず、循環風呂といって浴槽のお湯を消毒、加熱し再び元の浴槽に使いまわしているところもあるんだとか。
新しいお湯がじゃんじゃん湧き出ていると思っていた私には、もう衝撃……。今後温泉に行くなら、じゃんじゃん湧き出てくる温泉に入りたい! ということで今回は、『温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300』から本物の温泉の見極め方をご紹介していきます。
弁護士の温泉博士って?
この『温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300』の著者である小林 裕彦さんは、岡山県で弁護士さんとして活動しながら、35歳のときに岩手県にある夏油温泉で温泉の魅力にはまってしまったんだとか。それ以降、各地の温泉地を巡っていくうちに、「どうして循環風呂なのに温泉と言うんだ?」と疑問を持ち始め、様々な人とお話をしていくうちに、なんと岡山市のケーブルテレビで温泉番組を持つまでになったそう! 当たり前ですが、弁護士さんのお仕事もしっかりされていて2019年には岡山弁護士会会長も務めていらっしゃるすごい方なんです。
温泉業界をめぐるさまざまな問題点や全国の珍しい温泉の話を仕事の関わりがある方々に折々話をしていたところ、私の話がおもしろいということになり、平成22年に地元岡山市のケーブルテレビで私の温泉番組がスタートしました。
それが「温泉博士小林弁護士が行く」という番組です。今から考えると、よく制作してくれたと思います。
(『温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300』より引用)
最近では、副業なんて当たり前になっていますが、弁護士と温泉博士の二足の草鞋で活躍しているなんて後にも先にも小林さんだけではないでしょうか?
実際に(平成30年3月末時点で)2983か所あると言われている全国の温泉地にはほぼ足を運ばれているそうで、こちらの書籍でも300というとてつもない温泉が紹介されています。ひとつひとつの紹介は100〜400文字程度で文章とちょっとしたモノクロ写真と合わせてされているので、気になる温泉を見つけるのにはぴったりの一冊! 「ここは近所だな」とか「今度草津に行くならここに泊まろう!」とか「こんな温泉あったんだ!」と幅広い温泉情報を知ることができます。温泉はやっぱり実際に行ってみて、入ってみて体感するものですからね。
本物の温泉とは?
昔、温泉偽装問題があったことを覚えていますでしょうか?
なんの疑いもなく「温泉」と書いてあれば、温泉なのだと思っている私たちですが、実はこの問題が起こる以前は、冒頭でご紹介した循環しているかどうかだけでなく、加水、加温、塩素殺菌の有無などについては掲示する義務すらなかったそうなのです。
現在は、温泉法第41条第2号において、掲示していないところについては30万円以下の罰則が課せられるようになったものの、今でも浴槽の温泉成分について明記していない施設もあるんだとか。全部を疑いたくないですが、せっかく楽しい温泉旅行だから気分良くお風呂に入りたいですよね。温泉博士の小林さんも本書で、温泉法を改正して利用する前に正しい情報を得られる環境整備が必要だとおっしゃっていました。ではどうやって本物の温泉を見極めたらいいのでしょうか?
私なりの良い温泉の条件を挙げると、かけ流しで、塩素殺菌がなされていないことを当然の前提として、次のとおりです。
①源泉の注入量が多い
②源泉から近い(足元湧出がベスト)
③色、臭い、ヌルヌル感など泉質が個性的である
④複数の泉質がある
⑤低温の源泉浴槽がある
⑥飲泉可能である
⑦浴槽や露店風呂に個性がある
⑧自然環境に恵まれている
⑨共同湯巡りができる
⑩歴史を感じさせる古き良さがある
⑪施設がさほど大規模ではなく、小綺麗で、サービスが良い
⑫料理がバイキングでなく、手作りでおいしい
⑬宿泊料がリーズナブルである
(『温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300』より引用)
ちょっと長くなってしまいましたが、上記の13点を温泉選びの参考にしてみてくださいね!
本物の温泉の中から自分のお気に入りを見つけよう!
とは言っても、3000近くある温泉施設から本物の温泉を選ぶのは大変ですよね(笑)。でも『温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300』ならその中から300にまで温泉博士が絞ってくれているので、そこから探してみましょう。
温泉INDEXも掲載されているので、お近くの地域から探してみるのもおすすめ。私も東京都板橋区にある「前野原温泉 さやの湯処」が紹介されていたので、早速行ってみようと思っています!
【書籍紹介】
温泉博士が教える最高の温泉 本物の源泉かけ流し厳選300
著者:小林裕彦
発行:集英社
お値頃で大満足できる1万円台の宿や日帰り湯など300軒超。弁護士でもある温泉博士が、うそ偽りのない「真の名湯」選びを伝授。成分表示偽装や誇大広告は、もってのほか!便利なインデックス付き。