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2020/2/20 21:00

「ロッキー」VS「T-Cross」どちらが買いか? 5つのポイントで比べてみた

両モデルともにコンパクトで大人気のSUVだが……

2019年末に相次いで発売された最新のコンパクトSUV、という点こそ共通する「T-Cross」と「ロッキー」。両車とも人気で売れ行きも好調です。では、実際どちらが「買い」と言えるのか? コスパだけで見ればロッキーの圧勝と言えそうですが……。

 

コスパなら断然ロッキーだがこだわり派ならT-Cross

コストパフォーマンスという点で比較をすれば、勝敗は明らか。グレードを問わずオーディオ関連の装備がオプションとなる点などを差し引いても、ロッキーの優位は動きません。日本でも扱いやすいサイズのボディに、十分な室内の広さを確保。さらに4WDも選択できて価格は100万円台からとなれば、もはや付け入る隙がないほど完成された商品です。

 

この点、T-Crossも輸入SUVとしては大健闘していると言えます。ですが、ベースとなる価格の開きを考えると、このクラスの購入を考える人にはロッキーのオトク感が際立って見えても仕方がありません。

 

とはいえ、T-Crossにも勝機はあります。いざ走らせてみれば特に乗用車としての質感の違いは明らか。必要十分ではあっても、残念ながら「それ以上」は望めないロッキーに対し、T-Crossには長く付き合える上質さと走りのパフォーマンスが備わります。となれば、こだわり派が選ぶべきはT-Crossとなるはずです。

 

圧倒的なコスパの高さが魅力

ダイハツ
ロッキー
170万5000円〜242万2200円

「新世代のクルマづくり」とダイハツが銘打つプラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を採用。トヨタからは内外装などが独自デザインとなる兄弟車の「ライズ」も発売されています。ライズもエンジンは1ℓガソリンターボのみですが、全グレードで4WDが選べます。

 

SPEC【X(2WD)】●全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm●車両重量:970kg●パワーユニット:996cc直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:98PS(72kW)/6000rpm●最大トルク:140Nm(14.3kg-m)/2400〜4000rpm●WLTCモード燃費:18.6km/ℓ

 

兄弟車はトヨタ「ライズ」

↑ライズの価格は167万9000円〜228万2200円。全長4m以下のコンパクトなボディに、広い室内が特徴でもあります

 

小さくても作り込みは上級車級!

フォルクスワーゲン
T-Cross
299万9000円〜335万9000円

フォルクスワーゲンでは最小サイズのSUVで、日本では2019年末に受注を開始。ラインナップは、導入記念特別仕様の「1st」と「1st Plus」の2モデル。日本仕様のエンジンは1ℓガソリンターボで、駆動は2WDのみです。

 

SPEC●全長×全幅×全高:4115×1760×1580mm●車両重量:1270kg●パワーユニット:999cc直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:116PS(85kW)/5000〜5500rpm●最高トルク:200Nm(20.4kg-m)/2000〜3500rpm●WTLCモード燃費:16.9km/ℓ

 

【比較その1】サイズ

【TーCross】ワイド&ローな外観は“プチ・ティグアン”

全長に対して長いホイールベース(2550mm)が印象的なT-Crossの外観は、兄貴分のティグアンを彷彿とさせるデザイン。ロッキーと比較すると全幅が65mmワイドな一方、全高は40mm低く抑えられています。

 

【ロッキー】日本生まれらしくサイズは5ナンバー規格

全高は1620mmとSUVらしい高さだが、全幅は1695mmに抑えられ5ナンバー規格に収まる点は日本車らしいところ。ホイールベースは2525mmで、全長に対してはこちらも長めの設定です。

 

【比較その2】パワーユニット

【TーCross】余裕ある走りを生み出す1ℓターボ+7速DCT

3気筒の1ℓガソリンターボにツインクラッチの新世代AT、7速DCT(DSG)を組み合わせます。パワフルなだけではなく、3気筒であることを意識させない質感の高さも魅力です。

 

【ロッキー】車重の軽さを活かした高い動力性能が魅力

こちらもエンジンは3気筒の1ℓガソリンターボ。ミッションはスプリットギアを組み合わせたダイハツ独自のD-CVTです。2WDモデルは1tを切る車重とあって動力性能は高い。

 

【比較その3】居住性

【TーCross】ドイツ車らしい緻密さを実感

全高が低いのでロッキーより頭上空間は少々タイトですが、高い着座位置をはじめとしてSUVらしさは十分。ポップな色使いながら、緻密さも兼ね備えた質感の高い作りも魅力です。

 

【ロッキー】サイズ以上の広さを実感

●写真はトヨタ ライズ

絶対的な広さは前後席ともにT-Crossを凌ぎます。一方、インテリアの装備はクラス相応というところで、オーディオやナビゲーションシステムはグレードを問わずオプション扱いです。

 

【比較その4】ラゲッジルーム

【TーCross】容量はクラストップレベル

前後にスライドする後席や床面の高さを選べるラゲッジスペースの容量は、後席使用時でも385〜455ℓを実現。後席を完全に畳めば、最大で1281ℓに達します(数値はVDA方式)。

 

【ロッキー】床下にはオマケの空間が

●写真はトヨタ ライズ

こちらも床面の高さは2段階から選択可能。容量は後席使用時で最大369ℓですが、床下には2WDで80ℓ、4WDでも38ℓのサブトランクが用意されています。後席格納時の容量は非公表。

 

【比較その5】安全運転支援

【TーCross】初期導入モデルはほぼフル装備の状態

最新モデルらしく、運転支援システムはより上級のモデルと比較しても遜色がない充実ぶり。全車速追従型のクルーズコントロールや駐車支援システムなども標準で備わります。

 

【ロッキー】装備のラインナップは「T-Cross」と同等

歩行者検知機能付き衝突回避・被害軽減ブレーキは全車標準。その他の機能もT-Crossと同等という充実ぶりですが、エントリーグレードではオプションでも選択できない点は残念です。

 

撮影/宮門秀行、我妻慶一

 

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