年々盛んになるオンラインショッピング。昨今の外出自粛にも後押しされ、その利用者は増加している模様ですが、それと同時に配送業者の需要も高まっています。そんななか、UPSの傘下でドローン配送を手掛ける「UPSフライトフォワード」と、ドイツのドローンメーカー「ウイングコプター」が、最大時速240㎞にもなる宅配用ドローンの共同開発に取り組むことが発表されました。近未来のドローン配送がどんなものになるのか見てみましょう。
両社が共同で手掛けるドローンは、ウイングコプター社の垂直離着陸できるタイプがベースとなっており、離陸も着陸も最小限のスペースでできます。航続距離は120㎞、時速はギネス世界新記録となる最大240㎞、強風時でも時速72㎞を維持。これまでに他メーカーで開発された宅配用ドローンと比べて、時速も航続距離の面でも飛行能力に優れているのが特徴です。
また、ウイングコプターが特許を取得している独自技術「ティルトローター」が採用されており、垂直飛行と水平飛行をスムーズに切り替え、雨風などの悪天候下でも安定飛行を維持することができます。
機能も実績も見た目もよし
ウイングコプター社のドローンを活用した宅配実績はすでに多数。アイルランドの島までインスリンを運んだほか、ユニセフが支援する地元の保健局を代表して、バヌアツでアクセスが困難な場所までワクチンを届けるなど、商業利用だけでなく、緊急物資や医薬品の宅配プロジェクトにも利用されています。
一方、2019年からドローンの宅配サービスに参入しているUPSフライトフォワードは、特に病院からの医療用品の配送を中心に行っており、今後は小売店の商品や処方箋、医療品の宅配にサービスを拡大していく計画。また同年9月にはアメリカ政府より、ドローン運営に関する企業としての認可も取得しています。
共同開発されたこの新型ドローンは、アメリカ連邦航空局(FAA)から承認が下りれば、アメリカ国内外での宅配に活用する予定とのこと。
見た目のデザインは、まるでタカやワシが翼を大きく広げて飛んでいるかのようなシルエットです。こんな本物の鳥と見間違えるような宅配ドローンが近い将来、世界中の空を羽ばたいて、高速で物資を宅配することができるようになるのでしょうね。