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2020/5/13 18:15

最強カメラの呼び声高い「HUAWEI P40 Pro」をP30 Pro、P30 liteと撮り比べた

ファーウェイが、最新フラッグシップ「HUAWEI P40 Pro 5G(以下、P40 Pro)」をグローバル発表しました。ライカのカメラを搭載した5G対応スマホです。本来だったら、ドコモの5Gスマホのラインナップに加わっていたかもしれませんが、今のところ、日本発売は未定です。

↑3月26日にオンラインで発表されたHUAWEI P40 Pro 5G。日本発売は未定だが、ヨーロッパでの価格は999ユーロ(約12万円)

 

P40 Proは、今春、SIMフリーで発売された「HUAWEI Mate30 Pro 5G(以下、Mate30 Pro)」と同じように、Googleアプリに対応していません。日本で発売されたとしても、慎重に判断すべきモデルとなりそうです。

↑ファーウェイ独自の「AppGallery」からアプリをダウンロードできるが、日本向けのアプリはまだ充実しているとは言い難い

 

とは言え、HUAWEIのPシリーズは、スマホカメラのトレンドを牽引してきたモデルです。最新のP40 Proには5000万画素のメインカメラを含む4眼カメラを搭載し、先進的な技術もいち早く導入しているとのこと。そこで、ファーウェイからP40 Proを借りて、注目のカメラ性能を試してみました。

 

ファーウェイの最新モデルですから、キレイに撮れるのは当たり前ですよね? 進化を明確にするために、昨年発売された前モデル「HUAWEI P30 Pro(以下、P30 Pro)」と、カメラはライカではないが、コスパの高さでロングヒットを続けている「HUAWEI P30 lite(以下、P30 lite)」で撮った画質と比べてみました。

↑左からP40 Pro、P30 Pro、P30 lite。P40 Proは超広角(4000万画素)+広角(5000万画素)+望遠(1200万画素)+ToF、P30 Proは超広角(2000万画素)+広角(4000万画素)+望遠(800万画素)+ToF、P30 liteは超広角(800万画素)+広角(2400万画素)+深度測定用(200万画素)という構成

 

P40 Proは、eSIMにも対応したハイエンドの5Gスマホ

まずは、P40 Proのスペックを紹介しておきましょう。ディスプレイは6.58インチの有機ELで、解像度は2640×1200ピクセル。ベゼルが細く、画面の左右にはカーブが施されていて、ギリギリまで画像を表示できます。

↑6.58インチの有機ELディスプレイを搭載しているが、ベゼルを極限まで細くして、横幅を72.6mmに抑えている

 

CPUは「HUAWEI Kirin 990 5G」という自社製の最高グレードのものを搭載。RAMは8GB、ROMは256GBという構成。バッテリー容量は4200mAhでワイヤレスの急速充電にも対応しています。

 

4眼カメラは、超広角(4000万画素/F1.8/18mm)+広角(5000万画素/F1.9/23mm)+望遠(1200万画素/F3.4/125mm)+ToF 3D(深度計測用)という構成。光学5倍、ハイブリッド10倍、最大50倍ズームで撮影できます。フロントカメラは広角(3200万画素/F2.2/26mm)+ToF 3D(深度計測用)のデュアルカメラです。

↑背面にライカ監修のクアッドカメラを搭載。前モデルP30 Proよりもカメラの存在感が強まった

 

↑P40 Proの撮影画面。AIによる被写体・シーン認識に対応。複数の測距点でスピーディにピントを合わせるAFはデジカメライク

 

なお、ディスプレイが同じで、5眼カメラ(望遠カメラが2基で、光学10倍で撮影可能)を搭載する上位モデル「HUAWEI P40 Pro+」も発表されましたが、P40 Proでも十分すぎるほどにハイスペックです。ファーウェイ端末では初めてeSIM(組み込み型SIM)に対応したことも注目すべきトピックです。

↑nanoSIMを2枚セットでき、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応。2枚目のSIMとしてeSIMを選択することも可能

 

P40 Pro vs 現行機種で「風景」を撮り比べてみた!

では、P40 Pro、P30 Pro、P30 liteの3モデルで撮った写真を比べてみましょう。まずは、空と緑と水がある風景を撮り比べてみました。

 

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パッと見では、P40 ProとP30 Proは、そんなに差がないように見えるかもしれませんが、P40 Proのほうが明るく、肉眼で実際に見える色に近い色調で撮影できました。レンズやセンサーの性能が落ちるP30 liteは、水面や樹木の影の部分が黒く潰れがちでした。

 

P40 Pro vs 現行機種で「夜景」を撮り比べてみた!

次に、「夜景モード」に設定して、夜景を撮り比べてみました。撮影時間が長くなり、長時間露光と画像処理によって、手ブレを抑えて、明るい夜景写真が撮れる仕組みです。

 

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できれば、もっと美しい夜景を撮りたかったのですが、不要不急の外出を自粛すべきご時世ですから、自宅の窓から撮影しました。

 

実際には、P30 liteで撮った写真よりも、さらに暗い状況でしたが、P40 ProとP30 Proは非常に明るく撮れました。センサーの違いによるものと思われますが、それぞれ色味が異なり、P40 Proは暖色系、P30 Proは寒色系が強めに出ました。P30 liteはピントが甘くなり、画質も粗くなりました。

 

P40 Pro vs 現行機種で「花」を撮り比べてみた!

続いて、公園の花壇を撮影した写真を比べてみましょう。いずれも、AIによって「花」と認識され、背景はボケました。

 

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花の写真は、どの機種でも見栄えよく撮れましたが、色味に差が出ました。最も淡い色になったのがP40 Pro、最も鮮やかな色で写ったのがP30 Proでした。実際の色に近いのはP40 Proで、色の再現性が非常に向上した印象を受けました。しかし、ほどよく補色されたP30 ProやP30 liteの色合いを好む人も多いでしょう。背景のボケ方もP40 Proが最も強く、花の存在感がより強調されました。

 

P40 Pro vs 現行機種で「食べ物」を撮り比べてみた!

買ってきたスイーツを、自宅の窓辺で撮りました。AIによって「フード」と認識されました。

 

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見る人によって意見が異なるかもしれませんが、最も美味しそうに撮れたのはP40 Pro。ナチュラルかつ鮮やかな色で撮影できました。お皿も本来の色で撮れました。

 

P30 Proは、イチゴが実際よりも黄味がかったのが気になります。この写真に限らず、P30 Proで料理を撮ると、やや黄色が強く出る傾向があり、筆者はAIをオフにすることもあります。おそらく、一般的なRGB(赤・緑・青)センサーではなく、RYYB(赤・黄・黄・青)センサーを採用しているからでしょう。P40 ProもRYYBセンサーを採用していますが、光源・照明に関係なく、どこでもリアルな色で撮れる印象。AI補正など、細かい部分がアップデートされているように感じました。

 

フツーに使えるハイブリッド10倍ズーム

P40 Proは、光学5倍の望遠カメラを搭載し、10倍までは画質劣化が目立たないハイブリッドズームで撮影できることもセールスポイントとしています。本当に10倍まで鮮明に撮影できるのか? 倍率を変えて撮影してみました。

 

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ハイブリッド10倍で撮った画像は、スマホの画面はもちろん、パソコンに取り込んで大きな画面で見ても鮮明な画質で表示されました。超解像技術によって精細さが維持されることに加え、画質が明るくなることも魅力。遠くにあるものを確認したい場合にも重宝しそうです。さほど画質を気にしないのであれば、20倍くらいまでは実用レベルだと思います。

↑池を泳ぐ鴨をハイブリッド10倍で撮影。毛並みや水面の表情を鮮明に写すことができた

 

ビデオ撮影を楽しみたい人も要チェック!

ファーウェイが昨年来、注力しているのが動画です。まだ8Kには対応していませんが、4Kでの撮影が可能で、手ブレ補正にも対応しています。

 

筆者は、普段ビデオを撮ることは少ないのですが、P40 Proを手に持って、それを動かしたり、歩いたりしながら撮影してみました。スマホが動いても、映像がカクカクすることなく、安定した画質で記録できました。


↑P40 Proのデフォルト(1920×1080)で撮影したビデオ

 

最近のスマホは手軽にスローモーション動画を撮影できる機能を搭載していますが、P40 Proでは、ライバル機種よりもスローな動画を撮影できます。発売中のMate 30 Proに引き続き、7680fpsで撮って30fpsで再生できる機能を搭載しています。つまり実際の動きよりも256倍スローで見られるわけです。


↑窓に水が流れるディスプレイを256倍(7680fps)で撮影したスローモーション動画

 

P40 Proは、ビデオ撮影を楽しみたい人も注目すべきモデルでしょう。できれば、日本でも発売してほしいし、願わくば、Googleのアプリも使えるようになってほしいんですけどねぇ……。

 

 

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