雑貨・日用品
2020/6/12 18:25

柔軟剤は“機能性”で選ぶ時代へ――2020年春の「ハミング」「レノア」は進化がすごい

最近では、普段着にも使うことが当たり前になりつつある「柔軟剤」ですが、ここ数年のトレンドであったイヤなニオイを防ぐ「抗菌防臭効果」に加え、最近では新たな機能を持った製品が相次いで登場しています。今回は、2020年春に発売された、2つの新しい柔軟剤をレビューと合わせて紹介します。

 

体感湿度を最大10%下げる「ハミング涼感テクノロジー」

花王がこの春発売した衣料用柔軟仕上げ剤「ハミング涼感テクノロジー」は、大きく「体感湿度 MAX-10%」と書かれたパッケージデザインが目を惹きます。これは、吸水性のある成分を配合することで、繊維に汗などの水分をしっかり吸収させ、通気性を向上させることで衣服の中が蒸れにくくなる効果を狙ったもの。汗をかいても衣類の通気性を保つため、涼しく感じさせる効果もあるようです。

↑花王「ハミング涼感テクノロジー」(左:アクアティックフローラルの香り、右:スプラッシュグリーンの香り)(容量530ml)

 

↑吸水性のある成分を配合することで、繊維が汗を吸収して通気性をキープします

 

↑通気性をキープするので、汗をかいても涼しく感じられます

 

実は、柔軟剤というものは、髪に使うヘアリンスやコンディショナーと同じように、カチオン界面活性剤という成分が繊維に吸着する原理を利用して、繊維を油分でコーティングしているような状態にし、衣類をやわらかく肌触りがよくなるようにしています。

 

このとき、繊維の表面には親油基(疎水基)が並ぶため、肌触りはなめらかになりますが繊維の吸水性は下がってしまいます。おろしたてのタオルがなかなか水を吸わないという経験はありませんか? 売り場に並ぶタオルは、肌触りをよくするために柔軟剤をたっぷり使って仕上げているので、吸水性が弱くなっているのです。

 

花王は、以前からこのジレンマを解消するために、柔軟効果はしっかり感じられるようにしつつ、繊維の吸水性を損なわない柔軟剤の開発にチカラを入れてきました。発売中の「ハミングファイン」シリーズでも汗ムレを防ぐ“ふわさらスルー”効果をうたっていますし、無香性の柔軟剤「ハミング LINNE(リンネ)」の<さらり>タイプでも吸水性のよさをアピールしています。

↑無香性の柔軟剤「ハミング LINNE(リンネ)」

 

今回の「ハミング涼感テクノロジー」では、吸水性に加えて、汗や生乾きのニオイを防ぐデオドラント成分を高配合することで、夏の衣類にピッタリな柔軟剤に仕上がっています。

 

「ハミング涼感テクノロジー」を実際に使った感想は?

さっそく現物を購入して使ってみました。香りの違いによって2種類用意されており、緑のパッケージの「スプラッシュグリーンの香り」は、シトラスが効いたさっぱりとした爽やかな印象。青のボトルの「アクアティックフローラルの香り」は、清潔感のある甘めな香りで、コストコなどに売っている外国製の芳香剤のような印象を受けました(個人の感想です)。

 

洗濯時に使ってみましたが、脱水後の香り残りは強めで、乾いたあともしっかり香ります。特筆すべきは、乾いたあとの感触の軽さ! 柔軟剤を使うと、衣類が乾いたあとも多少しっとりした感触が残るものですが、こちらはサラッとドライに仕上がります。インナーシャツやスポーツウェアなどに使うと気持ちよく着られそうです。

 

実際に「ハミング涼感テクノロジー」で仕上げたシャツを着てみましたが、ウリの体感湿度や涼しさについては実感できるほど違いが感じられなかったものの、多少汗をかいても服がベタつかず、サラッとした感触が続くのは快適でした。

 

また、爽やかな香りが長続きするので、汗をかいても服が臭くならず、一日中しっかり防臭してくれる点もグッド。これからの季節に使いたい柔軟剤です。

 

【「ハミング涼感テクノロジー」のポイント】

・独自の「涼感テクノロジー」により、着用中の汗の蒸れを防いで涼しく感じさせる

・抗菌防臭効果のあるデオドラント成分を高配合することで、干すときの生乾きのニオイや汗のニオイを防ぐ

・サラッとドライな仕上がりで、汗をかいても衣服がベタつきにくい

・香りはどちらも爽やかで清潔感があり、暑い季節でも使いやすい

 

衣類のダメージを防ぐ第三の柔軟剤「レノアリセット」

続いて紹介するのは、P&Gが「消臭、香りだけじゃない第三の柔軟剤」として発売した「レノアリセット」です。美容家のIKKOさんのCMでもおなじみですね。

↑P&G「レノアリセット」(左:ヤマユリ&グリーンブーケの香り、右:フレッシュローズ&ナチュラルガーデンの香り)(容量570ml)

 

こちらの特徴は、シルクの原料である繭玉から着想を得たという「ファイバーケア成分」を配合していること。洗うだけで衣類のダメージをケアし、コットンの襟などはヨレ戻し効果も実感できるそうです。

↑繭玉に着想を得た「ファイバーケア成分」を配合(写真はイメージ)

 

↑繊維のダメージやヨレを防いで、新品のような美しさが長持ちします

 

柔軟剤は、近年は衣類の柔軟効果だけでなく、部屋干しの生乾き臭を防ぐ抗菌防臭効果や、香りを衣類にまとわせる効果も重視されきましたが、さらに衣類のダメージをケアする効果まで持つようなったのです。

 

わたしは以前、衣類の糸から生地まで生産する繊維メーカーに勤務していたのですが、洗濯時に衣類にダメージを与える1番の原因は「衣類同士がこすれることによって起こる摩擦」だと言われていました。洗濯機の中では、衣類同士がこすれ合うことで汚れを落としているのですが、その摩擦が繊維にダメージを与え、毛羽立ちや色あせ、擦り切れの原因にもなっているのです。

 

「レノアリセット」は、そういった摩擦によるダメージから衣類を守り、買ったばかりのようなキレイな状態を長持ちさせてくれるとアピールしています。10年以上前に、ライオンがセルロースパウダー配合の粉末洗剤「トップ 風合い感」という商品を販売していましたが、ダメージケアのイメージはそれに近いかもしれません。

 

独自の「ファイバーケア成分」のほか、同社の柔軟剤「レノアハピネス」の香り成分と、「レノア本格消臭」の消臭成分も配合しており、イヤなニオイを防いで洗い立てのいい香りが長続きするとのこと。

 

香りは2種類を用意しており、白いボトルの「ヤマユリ&グリーンブーケの香り」は、清楚で清々しい印象赤いボトルの「フレッシュローズ&ナチュラルガーデンの香り」は、華やかで気品のある印象です。どちらもやや甘さが強いかもしれません。香りは衣服が乾いたあとも長続きします。

 

実際に洗濯時に使ってみたのですが、脱水後に洗濯物を取り出すときに、その感触に思わず驚いてしまいました。ちょっとほかの柔軟剤では感じたことがないくらい、衣類がツルンっと滑るのです。繊維の潤滑効果がかなり高く、これにより繊維同士の摩擦を減らしてダメージを防ぐのでしょう。最初はダメージケア効果について半信半疑な部分もあったのですが、これだけ風合いを滑らかにするのなら効果は見込めそうな気がします。

 

コットンのTシャツを洗ったのですが、干すときに軽く襟元を引っ張って形を整えておけば、ヨレもなくきれいに乾きました。おしゃれ着用の洗剤を使うほどでもないけど、ダメージやヨレは気になる、というような衣類を仕上げるのにピッタリだと思います。

 

【「レノアリセット」のポイント】

・繭玉から着想を得た「ファイバーケア成分」が、風合いを滑らかにして洗濯時のダメージを防ぐ

・Tシャツなどの襟元のヨレをケアして形を整える

・レノアならではの消臭成分でイヤなニオイを防いで、洗い立ての香りが長続き

・香りはどちらもフラワーブーケのような自然な香り。やや甘め

 

今回は2つの機能性柔軟剤を紹介しましたが、その進化には目を見張るものがあります。もはや柔軟剤という名前ではなく、洗濯仕上げ剤とか、ランドリーコンディショナーという名前に変えたほうがいいのではないでしょうか? これからは、洗浄力や香りだけでなく、機能に応じて洗剤や柔軟剤を選ぶ時代が来るかもしれません。

 

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