家電
掃除機
2016/7/21 15:51

【辛口採点!】家電のプロはAmazonで2万5000円の格安ロボット掃除機をどう見たか?

ロボット掃除機といえば、5万円以上が当たり前という現在。そんななか、Amazonで何と約2万5000円という激安のロボット掃除機が登場しました。その性能は「安かろう、悪かろう」「安物買いの銭失い」なのか? それとも、価格以上の性能があるのか? その本当の価値を知るべく、最新ロボット掃除機に詳しい家電のプロ、戸井田園子さんに実際に使ってもらうことに。集じん性能、走行性能、操作性、メンテナンス性の4項目を、5点満点で評価してもらいました!

 

私がチェックしました!

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家電コーディネーター

戸井田園子さん

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。自宅では最新のロボット掃除機を複数使用し、その使い勝手を熟知。

 

【コレをチェックした!】

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Anker RoboVac 10 

Amazon価格:2万5110円

米国のメーカーによるロボット掃除機。お部屋に合わせて3つの清掃モード(自動モード、スポットモード、エッジモード)を選択可能。段差は15mmまで乗り越えることができるので、カーペットの上や隣の部屋の敷居をまたいで家中が掃除できます。2600mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、約100分間の連続使用が可能です。

【URL】

販売サイト(Amazon)

 

Checkその1

集じん性能 3.5/5点

集めたゴミの種類を見ると、大きなホコリ(綿ぼこりや犬の抜け毛)はそこそこ集めていましたが、細かなホコリ(砂ホコリ)や重いゴミ(砂利系)は少なめ。

 

我が家には犬がいるので、抜け毛が多く、それがダストボックスの中に入らないことも。吸込み口に毛が詰まり、ダストボックスはほぼカラの状態で終了したこともありました。おそらく、ダストボックスの入り口が小さすぎなのかと思われます。抜け毛のような、ふわふわしてかさばるホコリが多い家には向かないかもしれません。

↑このように、吸い込み口に犬の毛が詰まってしまいました
↑このように、吸い込み口に犬の毛が詰まってしまいました

 

また、「オート」だと壁にぶつからないようプログラミングされているため、壁際や家具のキワなどのホコリの取れ具合は甘め。ただし、壁際を掃除するための「エッジモード」を使えば解消できます。

 

Checkその2

走行性能 4/5点

オートモードはランダム走行型。縦横無尽に動き周って時間をかけて掃除をするタイプです。16畳程度のLDをオートで掃除したところ、2時間45分動き続けてホームベースに戻りました。……長い。ルンバのように床の広さを検知して、掃除が終わったと認識する知能は備えていないようで、電池切れになるまで動き続けていました。

 

ただし、2時間45分動き続けてくれたので、結果的にはムラなく走行してくれました。多少の段差は積極的にクリアしてくれますし、本体が少し乗り上げてしまっても諦めることなく脱出していたので、シャープのココロボやダイソン機に比べるとかなり根性はある印象。ルンバレベルに到達していると思います。ダイニングテーブルの下のような家具の足が林立する場所でも、何度もいろんな方向からアプローチして入り込んでいたので、走行性能は優秀だと思います。

↑充電中の本機
↑ホームベースで充電するRoboVac 10

 

Checkその3

操作性 3/5点

本体はオートボタンのみなので、迷わず使えます。ただリモコンでないと壁際モードやスポットモードが使えないのは、やや不便。本体にも最低限のボタンは欲しいところです。

 

一方、リモコンはシンプルでいいのですが、スポットとエッジモードは、充電ステーションに本体がいるときだと設定できず、走行し始めてからしか指令を受け付けない点が気になりました。

 

Checkその4

メンテナンス性 3/5点

ダストボックスは横から取り出すタイプ。先述したように、入り口にホコリが溜まるため、引き出すと同時に集めたホコリが出てきてしまいました。ダストボックスにキチンとホコリが収まっていれば、ゴミ捨ては問題ないのですが……。

 

また、吸い込み口のロールブラシに結構な毛絡みが……。一回の掃除でこの状態だと、毎回手入れをする必要があり、メンテナンスは大変です。ダストボックスまでホコリが行かないことも含めると、吸引力に難があるのかもしれません。

↑ロールブラシの毛がらみ
↑ロールブラシの毛がらみ

 

フィルター部分は結構ホコリが溜まっていたので、定期的なメンテナンスは必要なようです。取り外しはしやすい点は評価できますね。

↑フィルター部は取り外ししやすい
↑フィルター部は取り外ししやすい

 

総合評価

3.5/5点

犬の抜け毛があるという固有の事情によるのかもしれませんが、ダストボックスにゴミが収まるかだけが懸念事項。ダストボックスにゴミが収まっていない場合だと、ゴミ捨ての際にゴミを吐き出してしまうので、そこは要注意です。砂ぼこりなど、細かいゴミがメインの掃除なら問題ないでしょう。

 

総じて一定の掃除力はあるので、価格を考えるとコスパはとても高い製品です。本機は、延々と掃除をし続けて成果を出す、いわば「体育会系」。ホコリがなくなったら掃除をやめる、汚れ具合に応じて吸引パワーを変えるなど、効率や賢さを求めなければ十分満足できるレベルです。

 

使う前は、「ロボット掃除機の評判を下げる低価格品かも……」と猜疑心を持っていましたが、使ってみると、様々な状況をクリアしてしっかり走行してくれたのは驚きました。ダストボックスまでの集じん経路など改良の余地こそあれ、この価格では期待以上の働きをしてくれました。圧倒的な安さを考えると、総合評価は4点にしてもいいのかもしれませんね。