Xiaomi(シャオミ)というブランドをご存知ですか? コスパの高さが支持されて、世界市場でのシェアを拡大している中国のスマホメーカーです。近年はスマート家電や生活雑貨も手掛け、海外では「小米之家(Mi Home Store)」という、おしゃれな専売店も展開し、ファンを増やしています。
そんな成長著しいシャオミが日本市場に参入したのは2019年12月。スマホ、リストバンド、炊飯器などを一気に発表して、注目を集めました。第1弾として発売されたスマホは、メインが1億800万画素の5眼カメラを搭載する「Mi Note 10」。ハイスペックながら5万2800円(税別)というお手頃価格でした。しかし、5万円台では “格安” とは言えないですよね。
シャオミは第2弾で本気を見せてくれました。2020年6月に発売した「Mi Note 10 Lite」と「Redmi Note 9S」は、どちらも普段使いには十分なスペックを備え、さらに4眼カメラを搭載しつつ、Mi Note 10 Liteは3万9800円(税込)〜、Redmi Note 9Sは2万4800円(税込)〜という激安価格で、われわれを驚かせてくれました。
今年の格安スマホ市場を牽引する存在となったシャオミの2モデル。どちらを買うべきかを迷う人もいるでしょう。そこで、買ってから後悔しないように、2モデルをじっくり比較してみました。
ディスプレイやデザインで選ぶならMi Note 10 Lite
ディスプレイは、Mi Note 10 Liteが6.47インチの有機ELで、Redmi Note 9Sは6.67インチの液晶を搭載しています。画面サイズはRedmi Note 9Sのほうが大きいですが、画質はやはり有機ELのMi Note 10 Liteに軍配が上がります。加えて、Mi Note 10 Liteは画面内に指紋センサーを搭載していることもメリット。
Mi Note 10 Liteはディスプレイの左右に3Dカーブを施すなど、上位モデルのMi Note 10と同じように、見た目も、手にした感触もリッチに仕上がっています。一方、Redmi Note 9Sのフロントパネルはフラットで、ごくフツーのスマホという印象。パンチホール型のインカメラを搭載するなど、価格のわりには工夫が見られますが、Mi Note 10 Liteと比べると、ベゼルが太めだったり、野暮ったい印象は否めません。
背面パネルの質感もMi Note 10 Liteのほうがいいのですが、Redmi Note 9Sはカメラの中央上部に配置していることが特徴。この左右対称のデザインに惹かれるのであれば、Redmi Note 9Sを選んだほうがいいかもしれません。
カメラのスペックには差はあるが、撮影画質に大差なし
Mi Note 10 Liteの4眼カメラは、メイン(6400万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素)という構成です。一方、Redmi Note 9Sは、メイン(4800万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素)という構成。スペック上の違いはメインカメラで、Mi Note 10 Liteのほうがセンサーの性能が高いと考えていいでしょう。
センサーの違いは、画質にどれくらいの差を及ぼすのか? 同じ被写体・シチュエーションで撮り比べてみました。
どうですか? 違いはわかりますか? 筆者の目には大きな差はないように見えました。撮影機能にもこれといった違いは見当たらず、インカメラも同じ1600万画素です。どちらの機種を選んでも、カメラの満足度は同等でしょう。ただし、撮影した写真をスマホの画面で楽しむには、有機ELのMi Note 9Sのほうがより明るく見えて、有利だと思いました。
パフォーマンスも電池持ちも同等
スマホがキビキビと軽快に操作できるかどうかは、プロセッサーの性能とメモリ(RAM)の容量に依存します。Mi Note 10 LiteのプロセッサーはSnapdragon 730G(最大2.2GHz)で、メモリは6GB。一方、Redmi Note 9SはSnapdragon 720G(最大2.2GHz)で、メモリは6GBまたは4GBから選べます。
同じ6GBのモデルを使い比べてみましたが、ほとんど差は感じませんでした。スマホの処理速度を比較するためのベンチマークを測定できる「Geekbench 5」というアプリでも比べてみました。結果は、やはり同等でした。
バッテリー容量はMi Note 10 Liteが5260mAhで、Redmi Note 9Sは5020mAh。やはり大差はありません。実際に使ってみても、電池持ちは同等と感じました。
指紋認証によるアンロックやアプリの起動速度、写真や動画を撮った後に保存にかかる時間など、基本的な機能のパフォーマンスもほぼ同等を考えて差し支えないでしょう。
スペックを細かく比べてみると……
最後に、2モデルの価格と主なスペックを比べておきましょう。
Mi Note 10 Lite | Redmi Note 9S | |
価格 | 6GB+64GBモデル 3万9800円(税込) 6GB+128GBモデル 4万4800円(税込) | 4GB+64GBモデル 2万4800円(税込) 6GB+128GBモデル 2万9800円(税込) |
CPU | Snapdragon 730G | Snapdragon 720G |
ディスプレイ | 6.47インチ(2340×1080) | 6.67インチ(2400×1080) |
アウトカメラ | メイン(6400万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素) | メイン(4800万画素)+超広角(800万画素)+マクロ(500万画素)+深度(200万画素) |
インカメラ | 1600万画素 | 1600万画素 |
バッテリー | 5260mAh | 5020mAh |
指紋認証/顔認証 | ○(画面内)/○ | ○/○ |
NFC | ○ | ー |
microSD | ー | ○ |
ハイレゾ | ○ | ー |
注目すべき違いは3つあります。まず、NFCを搭載しているのはMi Note 10 Liteだけです。ただし、おサイフケータイには対応していないので、Google Payのモバイル決済サービスは利用できません。なので、NFC搭載のメリットを享受できることはほとんどないかもしれません。
次に、Mi Note 10 LiteのSIMスロットには2枚のnanoSIMしか挿せませんが、Redmi Note 9SのSIMスロットには2枚にnanoSIMに加えて、最大512GBのmicroSDカードも装着できます。動画をたくさん撮る人には、Redmi Note 9Sのほうが便利かもしれません。
オーディオ性能にも若干差があります。Mi Note 10 Liteはスペックに「ハイレゾオーディオ認証」「HiFi音質」と記されているので、ハイレゾ対応のヘッドフォンなどを用意することで、より高音質で音楽を試しめるはずです。ただし、申し訳ございませんが、筆者は実際に聴き比べたわけではありません。もしかしたら、Redmi Note 9Sの音質でも十分満足できる人が多いかもしれません。
価格を最重視するならRedmi Note 9Sがオススメ!
デザインやスペックでは、Mi Note 10 Liteが若干上回るものの、使用感ではほとんど差はないと言えそうです。同じ6GB+128GBモデルで価格を比べた場合、2モデルの差は1万5000円。これを安いと考えるか、高いと捉えるかは、人によって異なるでしょう。
日本で発売される、ほとんどのスマホに触れている筆者の個人的な意見としては、価格を最重視する人は、Redmi Note 9Sを選ぶべきだと思います。この仕様で2万円台で買えるのは絶対的にお得です。買ってから多少不満を感じることがあったとしても、この価格なら後悔しないでしょう。
1台のスマホを長く使いたいという人には、Mi Note 10 Liteをおすすめしたいです。格安スマホの価格でハイエンドモデルさながらの質感なので、気持ちよく使い続けられるはずです。ただし、3〜4万円出せるのなら、機種の選択肢はぐっと広がります。おサイフケータイ対応の「OPPO Reno3 A」(3万9800円・税込)や「Google Pixel 4a」(4万2900円・税込)も視野に入れて検討すべきでしょう。
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