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2020/12/12 6:30

世界の2%の人しか持っていない「超認識力」。自分にもあるか今すぐチェックできる

一度会った人の顔を、時間が経ってもしっかり記憶できる人がいますよね。普通なら覚えられないのに、一度見た人の顔を数多く認識できる特殊な能力は「超認識力」と呼ばれ、その持ち主を英語では「スーパーレコグナイザー(super recognizer)」と言います。

 

この超認識力とはどんなものなのでしょうか? そんな特殊能力が自分にもあるかどうか知ることができる簡単なテストとあわせてご紹介しましょう。

↑一度だけ見て、こんなに覚えられる?

 

超認識力とは何か? まずは、それを示すあるエピソードをご紹介しましょう。1990年代、ある女性がパリの公園で、男性写真家が子どもを撮影している様子を目撃しました。それから10年後、この女性がレストランで偶然このときの男性と遭遇したので、女性は男性に「あなたは写真家で、パリの公園で子供の写真を撮ったことがありますか?」とたずね、男性は驚愕した。そんな出来事が実際にあったそうです。

 

超認識力とは、このように一度顔を覚えれば長い期間が経った後でもその人を認識できる能力のことをさします。その後、研究者たちが行った顔認識テストで突出した結果を出した人物がいたことから、2009年に「超認識力」と「スーパーレコグナイザー」という言葉が作られました。

 

以前は、超認識力は訓練によって身につけられると思われていました。ところが一定のレベルまでは訓練で伸ばすことができても、スーパーレコグナイザーのようにずば抜けた能力は訓練で獲得できるものではないことが明らかとなり、この力はもっぱら遺伝と関係していると考えられています。

 

スーパーレコグナイザーは世界中でわずか1~2%ほどしか存在していないのですが、この特殊能力は警察などの政府機関や出入国管理局、情報機関、警備関連などで求められるケースが増えてきていると言われています。

 

超認識力のテスト

ごく限られた人しか持っていない超認識力ですが、「もしかしたら自分にも超認識力があるのでは……」と気になったりしませんか? 幸いにも超認識力があるかどうかを確認できる方法があります。それがUNSWフェイステストで、これはオーストラリアのニューサウスウェールズ大学の法心理学研究所の心理学者が2017年から使用しており、先日科学誌に発表したました。これまでにこのテストを受けた人は3万1000人。最も多いスコアは50~60%で、70%以上ならスーパーレコグナイザーに分類できるそうです。

 

では、テストのやり方を簡単にご紹介しましょう。テストは英語での表示ですが、10~15分ほどで簡単に進められて、無料でできます。

 

準備

① https://facetest.psy.unsw.edu.au/ にアクセスする

② 青い「Click here to begin the test」をクリック

③ ページ下の「*I have read and understood the Information and Consent details above」にチェックをつけて、「I agree, start test」をクリック

④ 「Launch Experiment」をクリック(テストはフルスクリーンモードで行われます)

⑤ 自分の年齢を入力して「Submit Answers」をクリック

⑥ 年齢と性別、人種を選択して「Submit Answers」をクリック

 

テスト開始

① 20人の顔が自動で次々に表示されるので、これをできるだけ記憶します(Part 1)。

② 今度(Part 2)は人の顔が表示されるので、Part 1で覚えた人物だったら「Y」、違う人なら「N」を押します。Part2の写真はPart1と表情やポーズなどが異なります。

③ 最初にターゲットの顔が表示され、その後別の顔写真4枚が重なった状態で表示されます。最初に見たターゲットと一致するなら右方向に、違うなら左方向にドラッグし、最後に画面下の「Done」をクリックします。(4枚すべてがターゲットと一致する場合も、その逆もあります。最初にイラストを使った練習問題を行います。)

④ これでテストは終了。テスト結果のデータをほしい場合、最後にEメールアドレスを入力、不要ならそのまま「Submit Answers」をクリックすれば、自分のスコアが表示されます。

 

このテストの過去最高スコアは97%。今後100%のスコアを出す人物が現れるかもしれないと研究者たちは期待しているようです。ちなみに筆者もこのテストを受けてみましたが、人を覚えるのがとても苦手なせいか、33%と散々な結果でした。超認識力が自分にあるかどうか知りたい方は試してみてはいかがでしょうか?