時計の性能を決めるムーブメントは製造が難しく、技術の結晶ともいえるパーツだ。各社は独自に搭載する機能を考案し、こだわりの仕上げも施すことで、コレクションに個性を与えている。
ここでは、ハイブランドに匹敵するクオリティを備えたコストパフォーマンス抜群のブランドのなかから、自社製ムーブメントを搭載するモデルをピックアップ。GetNaviの兄弟誌である時計専門誌「WATCHNAVI」編集長・水藤大輔、時計ジャーナリスト・大野高広さんのコメントともに紹介していこう。
他社との差別化を図るにはムーブメントの内製がカギに
「高度な技術を必要とするムーブメント製造はコストがかさむため、一部のハイブランドしか行ってきませんでした。しかし近年は技術革新が進み、手の出しやすい価格帯からも優れたインハウス製モデルが登場しています」(大野)
「正確性はもちろん、現代の生活様式に合わせた長時間駆動や耐磁性の強化など、自社製ムーブのハイスペック化が進んでいます」(水藤)
自社製ムーブ搭載モデルの多くはシースルーバックで、その構造を眺められるのも魅力のひとつだ。
【その1】手の出しやすい価格帯ながら高性能な自動巻きメカを搭載
オリス
アクイス デイト キャリバー400
Ref.400 7763 4135-07 8 24 09PEB
37万4000円
新開発ムーブ「キャリバー400」(※)は、ユーザーが末長く使うことを想定し、パワーリザーブ120時間や耐磁性の強化など現代のライフスタイルに合わせたスペックを実現。まずはダイバーズ「アクイス」に搭載された。30気圧防水。
※キャリバー……自社開発のムーブメントにつけられた名称のこと
【その2】専門会社と共同開発した画期的なGMTムーブ
ノルケイン
フリーダム 60 GMT
Ref.NNZ2100ZG/N215/20EO.18Z
48万4000円
ハイブランドにもムーブメントを供給しているケニッシ社と協力して完成させた「キャリバーNN20/2」を搭載。先端の赤い針が第2時間帯を示す。レトロな趣を感じさせるシリコンアルミニウムブロンズ合金ケース。世界限定300本。
【その3】高精度かつ長時間駆動のボーマティックキャリバー
ボーム&メルシエ
クリフトン ボーマティック COSC
Ref.M0A10468
38万5000円
サテン仕上げを施したステンレススチール製のケース&ブレスレットに、印象的なグラデーションブルーの文字盤を組み合わせた人気3針時計。シースルーバックから、繊細な装飾のムーブメントを鑑賞できる。40㎜径。
【その4】GSブルーのセラミックベゼルが鮮やか
グランドセイコー 60周年記念限定 スポーツコレクション クオーツモデル
Ref.SBGP015
44万円
スイス製に匹敵する国産最高峰の腕時計として1960年に生まれたグランドセイコーのアニバーサリーモデル。「紺色」の文字盤に赤針が映えるスポーティなデザインだ。40㎜径(厚さ12.4㎜)。世界限定2000本。
【その5】ドイツの技工ブランドによるスリムな手巻きムーブ
ノモス グラスヒュッテ
ラドウィッグ 38 エナメルホワイト
Ref.LD1A2EW238
28万6000円
懐中時計を連想させる意匠のダイアルを、光沢のあるエナメル調の純白で仕上げた手巻きウオッチ。針やムーブメントのネジは鮮やかな発色の青焼きで、価格以上のこだわりを感じさせる。37.5㎜径(厚さ6.8㎜)。
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