ファッション
2020/12/31 18:45

世界の度肝を抜いた新興ブランドの「希少すぎる腕時計」5選

腕時計の新進気鋭の小規模生産(マイクロ)ブランドは、クオリティにこだわりながら、既成概念を覆す革新モデルを少数生産している。ここでは将来、大化けする可能性もある実力派5ブランドを厳選。GetNaviの兄弟誌である時計専門誌「WATCHNAVI」編集長・水藤大輔、時計ジャーナリスト・大野高広さんのコメントともに紹介していこう。

 

 新しい“スーパースター”を小規模ブランドから見つける

「作り手のこだわりが強いほど手間と時間がかかるもの。生産性は上がらなくとも素晴らしい工芸品を作る工房も評価すべき」(大野)

 

それは老舗でも新興マイクロブランドでも同じこと。たとえば徹底して手作業にこだわるモリッツ・グロスマンの時計は、熟練職人が手作業で製作するため、年間生産400本が限界といわれる。

 

「その希少性が時計の価値を高めているという側面も。すでに21世紀創業の新興ブランドからもスーパースターが誕生しています」(水藤)

 

【その1】HYT(エイチ・ワイ・ティ)

創業年=2012年 創業地=スイス/ビエンヌ

流れ続ける特殊な液体で止まることのない時を表現

H0 オールブラック オレンジ

Ref.H02387

680万9000円

時計や医療のスペシャリスト数名で設立した新興ブランド。医療用の細いガラスチューブの中をオレンジの液体が進み、レトログラード式に時表示するユニークな機構が好事家に大好評を博す。分表示は12時位置。

↑ドーム型サファイア風防の内側に手巻き駆動の独創的な機構を凝縮。液体に圧力をかける2つの独自装置なども見える

 

【その2】ROMAIN GAUTHIER(ローマン・ゴティエ)

創業年=2005年 創業地=スイス/ル・サンティエ

年間60本しか作れない革新モデル

ロジカル・ワン

Ref.MON00164

1980万円

エンジニアのローマン・ゴティエが、自身の理想の時計作りを目指して創業したプライベートブランド。2013年に由緒あるGPHGメンズコンプリケーション賞に輝いた本機は、現在も同社の代表作であり続ける。ケースは18KWG、文字盤はグランフーエナメルだ。

↑手仕上げによる美しい手巻きムーブメント。古典的なフュゼチェーン機構を再解釈した革新機構を搭載して世界の度肝を抜いた

 

【その3】RESSENCE(レッセンス)

創業年=2010年 創業地=ベルギー/アントワープ

回転式フラットディスクの10周年記念モデル

タイプ 5X

Ref.Type 5X

393万8000円

創立10周年を記念して名車ランチア・デルタ・フューチャリスタとコラボ。エンジン暖気やスタート、レース、ターボ冷却などの英字表記が入ったベゼル付き。針の描かれたディスクが回転して時刻を表示する。世界限定40本。

↑リューズはなく、巻き上げと時刻設定機能は、シリアルナンバー入りのケースバックで行う。遊び心たっぷりの特許取得機構とディスプレイが時計界を席巻

 

 【その4】MORITZ GROSSMANN(モリッツ・グロスマン)

創業年=2008年 創業地=ドイツ/グラスヒュッテ

19世紀の技法を用いたきめ細かなダイアル

ⅩⅡ バースデーエディション

Ref.MG-002802

418万円

繊細な極細針で有名な同社は、職人の手作業にこだわった高品質が持ち味。創業12周年を祝したこの新作は、19世紀の技法を用いたダイアル面はベルベットのようにきめ細かな仕上がりだ。世界限定6本の超希少な一本。

↑丁寧に磨いた針を手作業で焼き、ブルーに発色させる。極めて難度が高い作業

 

↑空気抵抗を抑え、大きな運動エネルギーを引き出すよう設計したテンプ。ほとんどの部品がこうした独自設計だ

 

【その5】D.DORNBLÜTH & SOHN(D.ドルンブルート&ゾーン)

創業年=1999年 創業地=ドイツ/カルベ

昔ながらの工作機器で創造する

クイントス2010.REG レギュレーター

Ref.Q-2010.REG.ST.BKWH

207万9000円

手作業にこだわるドイツ時計ブランドで、ほぼ受注生産のため年産100本ほど。人気のレギュレーターデザインは、センターに秒・分針、6時側で時、12時側で約52時間の巻き上げ残量を示す。手巻き。

↑コンピュータ制御やOA機器とは無縁。往年の工作機械で昔ながらの手作業で製作する。ドイツらしい質実剛健なブランドだ

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】