2021年の干支は「丑」(うし)ということで、牛肉にいっそうスポットが当たると思っていた矢先、激アツなニュースが飛び込んできました。福岡を拠点に行列の精肉スーパーを展開する「あんず お肉の工場直売所」が東京に進出し、“イイニク”の1月29日にオープンしたのです。人気の理由を確かめるべく、店舗がある勝どきで開催された内覧会に行ってきました。
A5ランク宮崎牛を100g 300円台から買える
九州は熊本のあか牛や佐賀牛など、良質な牛肉の産地として有名ですが、「あんず お肉の工場直売所」が目を付けたのは宮崎牛。その大きな理由は、“和牛のオリンピック”と称される「全国和牛能力共進会」で3大会連続日本一を受賞しているうえ、米国アカデミー賞授賞式パーティーに3年連続(2018~2020年)採用されるなど、国内外から評価が高い和牛だからです。
宮崎牛の肉質はきめ細かな霜降りと上品なうまみが魅力で、なかでも一般的に最上級といわれるA5ランクのみを一頭丸ごと仕入れます。同一産地からまとめて一頭買いをすることで原価を抑えるとともに、「シンシン」「トモサンカク」など、普通のスーパーでは手に入りにくい希少部位も多数取りそろえられるのです。
博多発ということで、モツ鍋に適したホルモンも多彩に用意。国産牛の白ホルモン(小腸)は198円、ミックスホルモン(小腸、赤センマイ、センマイ、ハツ)は228円、丸腸は298円(すべて100g税抜)などなど。量り売りとは別にパック売りもしていて、その他の部位も購入できます。
品ぞろえは、精肉が約300種、九州を中心に全国から集めた食品類が約150種、店内調理の総菜が約50種と豊富なラインナップ。博多餃子、いかしゅうまい、ごぼう唐揚げといった九州名物の冷凍食品や、ソーセージをはじめとした加工肉も豊富で、ストック買いにも最適だといえるでしょう。
内覧会では、出店理由や今後の展開についてなどを聞いてみました。背景にあったのは、コロナ禍による生産者応援。というのも、運営元である「アトム株式会社」は外食への食肉卸や食品加工を中心に発展した企業。とんかつ店「あんず」など直営レストランもあり、昨今の社会情勢で外食が苦境に立たされるなか、外食向けに生産し続けている作り手に恩返しをしたいという想いから消費者の多い関東に進出したのです。
また、「あんず お肉の工場直売所」はフランチャイズにも意欲的。特に外食メインで運営している企業が小売り店という選択肢をもつことで、コロナ禍を共に乗り越えたいと花田社長は言います。