冬になると、各国メディアで取り上げられるのが凍ったシャボン玉。この現象はとても神秘的で美しく、たくさんの人たちを魅了しています。本稿ではシャボン玉が凍る仕組みとシャボン玉の凍らせ方を説明しましょう。
シャボン玉が凍っていくとき、どこからか氷の結晶が生まれ、丸いシャボン玉の内部をフワフワと漂っていきます。その様子はとても神秘的で、まさに自然が作るスノードーム。やがて結晶はシャボン玉の表面に張り付き、その数はどんどん増えていきます。YouTubeやSNSにはこの様子を捉えた動画が数多く投稿されており、毎年冬になると世界中で話題となっています。
なぜ氷の結晶がシャボン玉のなかでフワフワと浮かぶのでしょうか? その理由は「マランゴニ対流」と呼ばれる現象が起きているからです。マランゴニ対流とは、液体の表面張力に差ができたときに生じる流れのこと。
私たちは日常生活でそれを目撃することがあり、お味噌汁をお椀によそったとき味噌汁がお椀のなかで自然と動いているのはその一例。これはお味噌汁の表面部分が空気に触れて冷やされるのに対して、お椀の内部は熱いままのため、表面張力に差が生じて対流ができるからです。
お味噌汁と同じように、シャボン玉でも表面部分と内部で温度差が生まれることで、その内部にマランゴニ対流が生まれます。すると氷結が始まったところから氷の結晶が剥離し、シャボン玉のなかをふわふわと浮遊していき、シャボン玉の凍結が進むにつれて氷の結晶が成長していきます。
シャボン玉の凍結にチャレンジ
凍ったシャボン玉はとても繊細で割れやすいため、一定の条件下でないと、この現象はなかなか観察できないそう。でも、こんなキレイな様子を見られるなら、自分でもシャボン玉を凍らせてみたくありませんか?
国立研究開発法人・科学技術振興機構は身近な材料だけで手軽にシャボン玉が凍る様子を観察できないか、さまざまな条件で実験を行いました。その結果からシャボン玉が凍りやすい条件を次のように結論づけています。
・液体洗剤と水を1:4の割合で混ぜて作ったシャボン玉液が最も凍りやすい
・ステンレス製トレイの表面温度を2.7℃以下まで冷やしておく
・そのトレイのうえにシャボン玉をのせて作る
・冷凍庫など-11.6℃以下の環境に置いてシャボン玉を凍らせる
一般的な家庭用冷凍庫の温度は-18℃のため、これなら自宅でもシャボン玉を凍らせることができるかもしれませんね。なお、ステンレス製のトレイではなく、銅のような熱伝導率が良いトレイなら、さらに凍結するまでの時間を短縮できるかもしれないそうです。
2020年12月9日、北海道では最低気温が-15℃を下回った地域があり、凍ったシャボン玉の写真が国内メディアで紹介されました。外気温がここまで下がる地域に住んでいる方なら気温がぐっと下がる日を狙って、自然環境下でシャボン玉の凍結にチャレンジしてみるのもありかもしれません。