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2020/8/21 18:30

お湯のほうが早く氷になる「ムペンバ効果」が新たな方法で実証! どういう仕組み?

暑い季節は飲み物や食事に氷を使う機会が増えますが、早く氷を作るための意外な方法があるのをご存知でしょうか? それが水ではなくお湯で氷を作るというやり方。これは「ムペンバ効果」と呼ばれる現象で、これまでに多くの科学者がそれについて研究し、最近になってようやく再現に成功しました。

 

とある少年の偶然の発見

↑お急ぎでしたらお湯がおすすめ

 

ムペンバ効果は1963年にタンザニアで見つかりました。当時13歳だったエラスト・ムペンバは学校の授業でアイスクリームを作っていたところ、砂糖やミルクを混ぜた液体を一度冷やすことなく、誤って熱いままアイスクリームの撹拌機に入れてしまいました。しかし驚くことに、彼が作ったアイスクリームはほかの生徒よりも早く凍ったのです。

 

その後、彼は先生の協力のもと、沸かしたお湯と温かいお湯をグラスに注ぎ、どちらが早く凍るかを実験。その結果、沸かしたお湯のほうが先に凍りやすいことを見つけ出したのです。この現象は彼の名前から「ムペンバ効果」と呼ばれるようになりました。

 

それ以来このムペンバ効果は、日本も含め世界各国の科学者たちが興味をもち、同じ現象が再現できるか実験を行ってきました。しかしムペンバ効果の存在を認める科学者がいる一方で、なかなか再現することが難しくその原因も完全には解明されておらず、ムペンバ少年がその現象を目の当たりにしてから50年以上が経った現在でも、ムペンバ効果に関する議論は続いてきました。

 

ついに再現成功

↑カナダの物理学者が効果を再現

 

そして最近、科学誌「Nature」に掲載されたのが、カナダのサイモンフレーザー大学の物理学者アビナッシュ・クマール氏とジョン・ベックホーファー氏がムペンバ効果の再現に成功したという論文です。彼らは極小のガラスビーズを水の入ったグラスに入れ、さまざまな条件下でそれがどんな動きをするかレーザーを使い観測していたところ、温かいガラスビーズの方がそうでないガラスビーズに比べて、早く冷えることを発見したのです。

 

ムペンバ効果について議論するとき、水にはミネラルなどのほかの物質も含まれいるため、問題はやや複雑になります。水が凍り始める時点を凍ったものとするのか、完全に凍った時点とするのか、氷点下に達したときなのか、どの時点を「凍った」と定義するのかも議論されていますが、今回発表された方法は「凍る」定義そのものとは関係なく、極小のガラスビーズそのものの温度を測定するものです。さまざまな温度で1000回以上に及ぶ実験を繰り返し、ガラスビーズは高温のほうが低温より早く冷たくなるという結論を導きだし、これによりムペンバ効果は実際に起こり得る現象であることが実証されたのです。

 

自宅で氷を作るとき、その条件は自宅によって異なり、ムペンバ効果が起きないこともあるそうですが、興味のある方は、温かいお湯で氷を作ってみてはいかがでしょうか?

 

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