ゲーム&ホビー
2021/4/5 20:00

ゲームで遊びながらプログラミングを学べるソニーのロボットトイ! 「toio Do」で大人も満足のプログラミング体験

2021年3月20日で発売から2周年を迎えた、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のロボットトイ「toio(トイオ)」。3月17日、“新たな展開”として、「toio Do(トイオ・ドゥ)」が発表されました。今回はtoio Doとは何なのか、toio Doでどんなことができるのか、実際に遊んでみます!

↑「toio Do」とは一体?

 

まずtoioとは何かを“おさらい”

toioは2019年3月に発売された、創意工夫する力を引き出すキューブ型のロボットトイ。楕円形のボディが特徴の「toio コンソール」、モーター内蔵で動き回ることのできる「toio コア キューブ(以下キューブ)」、キューブの動きを制御する2台のコントローラー「toio リング」で構成されています。toio専用タイトルが格納された「toio カートリッジ」(別売)を使えば、さらに遊びや学びの幅が広がります。toioのタイトルはこれまで「おんがくであそぼう ピコトンズ」や「大魔王の美術館と怪盗団」などが発売されています。

↑「toioコンソール」に収まっている四角い物体が、toio Doで重要な役割を果たすキューブ

 

toioはこれまでも、ビジュアルプログラミングでキューブを動かせたり、より本格的なプログラミングで複雑な動きをさせたりといったことができましたが、やはり素人がゼロからビジュアルプログラミングでプログラムを作っても、大半はきっと、単純にキューブが“動いて回ってしゃべるだけ”になるでしょう。

↑こちらはtoio Doを使わずに、ビジュアルプログラミングでゼロから作ってみたプログラミング(※記事内動画は筆者撮影)

 

今回リリースされたtoio Doは、「あそぶ」と「つくる」の2軸からプログラミングを楽しく学べるサービス。キューブとビジュアルプログラミングで、あらかじめ用意されたミニゲームやサンプルプログラムの構造を実際に見たり、その仕掛けを理解したり、直接プログラムの数値などを“いじる”ことで、ゲーム感覚でいつの間にかプログラミングが身に着いていくというサービスです。WindowsやMacだけでなく、iPad(アプリ)、そして4月からはChromebookでも利用できるようになります。

 

「プログラミングってなんだか難しそう!」「なにをどうすればいいのか正直よくわからない!」と思っていても、toio Doなら出来合いのサンプルをあれこれと見たり変えたりしていれば、遊びながら理解が深まって「プログラミングは楽しい」という結論に達するのですね。

 

豊富な“サンプル”も満足!

“あそぶ”のサンプルには、「キューブでお絵かき」「動くわなげ」「ブロックくずし」などのミニゲームや、「シンプルリモコン」「動きレコーダー」など、toioチーム制作の「シンプルゲーム&ツール」、さらに、じゃんけん・しりとり・トランプ・将棋などに“調味料”としてロボットのプログラムが加わった、ボードゲーム作家「ブルーパドル」制作の「あそびの調味料」が用意されています。

 

今回は1人用のゲームしかお試しできなかったのですが、サンプルというにはもったいないほどの、満足感のある遊び応え! サンプルのゲームは今後も追加されていくようです。

↑動くキューブと、それを見守る筆者

 

シンプルゲーム&ツールのひとつ、「シンプルリモコン」は、PCやiPadの画面上で、キューブをラジコンのように前後左右、自由自在に動かせるコントローラー。これはiPadのタッチ操作の方が動かしやすいかもしれません(ミニレースも同様)。

↑シンプルリモコンは“自由度”が高く、マットの上に障害物を置いて、ジムカーナのようなタイムアタックをやってみても楽しそう!

 

プログラムいじりに挑戦!

1.サンプルで遊んでみる

ブロックくずしは、キューブを左右に動かしながら、ボールを落とさないように操作するゲーム。2つあるキューブのうち、1つを自動で動かすことができます。このキューブ操作が意外と難しい! 勢い余って行き過ぎたり、逆にボールに届かなかったり、なかなか全部崩せなかったりします。そこで……

↑ブロックくずしに挑戦中

 

2.プログラムをいじってみる

全部崩せずに途中でゲームオーバーになってしまうのは、ボールが小さくて動きも速いからだと仮定して、じゃあボールが大きかったら、動きが遅かったら……と考え、プログラムを見て、ボールの大きさと速さの数値を変えてみました。

↑ビジュアルプログラミングの画面。プログラミングのヒントもところどころに書かれている

 

3.再び遊んでみる

試しにボールの大きさを初期値の倍(24)に、速さを初期値の半分(3)にそれぞれ変えてみたところ、ボールが大きく遅くなり、先ほどよりは善戦できました。このように、プログラムをいじって自分がクリアできるような仕様にしたり、自分好みの新しいルールに変えたりといった、オリジナルの“あそび”を、自由な発想で無限に創り出すことができます。

↑クリアできるまでボールの大きさや速さを変えてみよう

 

続いて、ミニゲーム「キューブさんのおしゃべり」をいじって、キャラクターがしゃべるアニメーションプログラムを作ってみました。キューブさんのおしゃべりは、キューブのキャラクター「キューブさん」が、様々なセリフをしゃべってくれます。

↑キューブさんのおしゃべり

 

キューブさんのおしゃべりをほぼコピーして、キューブさんの見た目と、セリフを変えた“おしゃべりフルーツボウル”を作ってみました!

 

こんな感じでアニメーションプログラムも簡単に作成できます。Scratchのような低年齢層のイメージが強いビジュアルプログラミングでも、大人が思わず唸ってしまうプログラミングが可能なのです。

 

なお、サンプルが用意されているのはゲームだけでなく、タイマーや分度器、ノギスといったユーティリティツールもあります。

↑「タイマー」は、アラーム音などを変更可能

 

料理を全然作ったことのない人が、例えばちょっとした総菜のアレンジレシピから料理に興味を持っていくように、プログラミングも「ちょっといじってみるか」から始まって、そこからぐんぐんと目覚めること間違いナシでしょう! ちなみにtoioは2020年秋から、ゲームエンジン「Unity」のSDK(開発キット)も無償配信されており、より本格的なロボットプログラミングに挑戦することができます。さらに興味が湧いたら、そこからUnityなどに手を出していくと、将来有望なゲームクリエイターになれるかもしれませんね。

 

しかしながら、イマドキの若い人は羨ましいですね。こんなに手軽にプログラミングを楽しめるなんて。なぜ20年以上前にtoio Doがリリースされなかったのだろう……もし筆者が10代のころにtoio Doと出会っていれば、今頃筆者は凄腕プログラマーになっていたはずなのに!?

 

というわけで、toioのキューブさえあれば無料で楽しめます。キューブ単体も税抜4480円なので、ゲームソフト1本分と変わらないですよ。ぜひ遊んでみてください。

↑toio本体セットを持っていなくても、キューブ1個だけでもtoio Doは遊べる!

 

写真/鈴木謙介

 

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