不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULL(ライフル)は、「2022年 LIFULL HOME’S 住みたい街ランキング」を発表しました。
首都圏版「借りて住みたい街」ランキングでは、2年連続1位となった「本厚木」をはじめ、2位の「大宮」、3位の「柏」、4位の「八王子」など、準近郊・郊外でも都心方面に乗換なしでアクセス可能な路線があり、“駅勢圏”(駅周辺の繁華性のある地域)が広い街が、共通して上位にランクインしました。しかし、昨年5位から今年12位となった「池袋」、同じく11位から18位となった「高円寺」など、生活と交通の利便性が高く、これまで人気のあった都心・近郊の街は低迷する結果となりました。
コロナ禍の長期化により、住まい探しのエリア選択で、“郊外化”とは別の、郊外への意識はあっても、都心へのアクセスなどの利便性は欠きたくないという“中間層”ニーズを生み出しています。これは昨年10位で今年も10位の「川崎」や、15位から14位となった「荻窪」など、昨年調査の順位が前回並みに留まっていることから明らかになり、都心・近郊の街が今回さらに順位を下げたこととは対照的な動きです。
2021年1月、5月、7~9月の感染拡大期にて、都心駅の順位が下がり郊外駅の順位が上がる“郊外志向”、もしくは感染収束期から、都心駅の順位が上がり郊外駅の順位が下がる“都心回帰”という現象が発生していないことから、賃貸ユーザーはコロナ禍であることを意識しつつも、感染拡大期であるか否かにかかわりなく住むエリアを探していることが明らかとなりました。
首都圏版「買って住みたい街」ランキングでは、「勝どき」が3年連続で1位。周辺は、昨年開催されたスポーツイベントの選手村跡地の大規模プロジェクトが進行中で、昨年12月には平均倍率8.7倍、最高111倍という人気で完売し、依然として高い注目を集めています。同様に、2年連続2位の「白金高輪」、昨年19位から今年11位となった「牛込柳町」など、話題性の高い分譲物件のあった街はランクを維持、もしくは順当に上げています。購入ユーザーのニーズは、利便性&資産性重視であることに変わりはなく、「コロナ禍でも資産性が高く維持されると期待できる都心や周辺の人気エリア」に関心が集まっているようです。
首都圏の新築マンション平均価格はバブル期を超え過去最高となっており、横浜駅に隣接した中古マンションが豊富な「横浜」が、昨年23位から今年3位に急上昇しました。近年では“駅勢圏”が広い街に中古マンションが多い傾向があり、類似する街として、21位から4位となった「浅草」や、100位以下から28位に急上昇した「渋谷」などがあります。
昨年67位から今年9位となった「東中野」や、95位から12位の「三ノ輪」、66位から14位の「入谷」など、昨年から大きく順位を上げた街の傾向として、駅前やその周辺に活気のある商店街が存在しており、街の活気が住まい探しの一つの要素となっていると考えられます。