EUの域内市場・消費者保護委員会は、スマートフォンを含めたデジタル機器の充電端子をUSB-Cに統一する法案を圧倒的多数で可決しました。独自規格のLightning端子を採用し続ける、アップルのiPhoneやAirPodsに対して特に影響が大きいと予想されています。
この法案は、昨年9月に発表されていたものです。域内で販売されるすべての家電製品につき、全てのメーカーは携帯電話やタブレット、ノートPCやデジタルカメラ、ヘッドフォンや携帯ゲームなどにUSB-C端子の搭載が義務づけるという内容です。ただしスマートウォッチや活動量計、一部のスポーツ用品など、小さすぎてUSB-Cポートを搭載できない機器は例外とされています。
域内市場・消費者保護委員会での投票結果は、賛成43票、反対わずか2票となっています。公式リリースでは、この動きは電子機器の廃棄物を減らし、製品の持続可能性に対応しており、さまざまな機器をより使いやすくすると表明されています。
2020年初めに欧州議会で議論が始まった当時、アップルはこれを「コネクタの規格統一を強いる規制」と呼び、「技術革新を抑制する」として反対声明を出していました。こちらもドッキングステーションや既存のLightningアクセサリ全てが捨てられるとして、EU側と同じく「前例のない」電子機器の廃棄物が生じることを反対の理由の1つとしていたしだいです。
もっとも、今回の動きは「一歩前進した」にすぎません。発効のためには5月に欧州議会の本議会にかけられ、そこで承認された上で、最終的にどう実施するかについてEU加盟国と協議しなければなりません。
さらに言えば、アップルは将来のiPhoneを外部の開口部がない完全ポートレス化する計画とも噂されており、実際にワイヤレス充電方式のMagSafeを経由してデータをやり取りできる(データ転送のためにUSB-Cなど外部端子が必要ない)特許を申請しています。それが実現した場合、EUがどう対応するのかは興味深いところです。
Source:Europäisches Parlament
via:MacRumors