日経新聞の英字メディアNikkei Asia(以下「日経」)は、今年秋に発売される「iPhone 14(仮)」シリーズのうち、少なくとも1モデルの生産が3週間遅れていると報じていました。中国のロックダウンにより生産拠点である上海市などでの作業が滞っているためで、それにより発売直後は品薄になる恐れがあるとのことでした。
では、どのモデルが遅れているのか? それは「iPhone 14 Max」だというアナリスト情報が伝えられています。
日経の報道によれば、特定のiPhone 14モデルが、大量生産を始める前にすべての部品や製造過程を決めるためのEVT(エンジニアリング検証テスト)が遅れた影響を受けているとのことでした。ちなみにEVTとは、アップル製品が量産に入るまでのテストの1つで、通常はEVT>DVT(設計検証テスト)>PVT(生産検証テスト)の段階が踏まれています。
さてアナリストのJeff Pu氏によると、遅れているモデルは「iPhone 14 Max」だそうです。このモデルは通常価格モデルながらも、6.8インチの広い画面を備えていると噂されているもの。一昨年や昨年、5.4インチのminiモデルは売れ行きが芳しくなかったことから2022年モデルでは廃止され、代わりに大きなサイズが投入されると見られています。
Pu氏いわく、iPhone 14 Maxの生産は遅れるものの、アップルは年内に9100万台のiPhone 14シリーズを製造する予定だそうです。これは2021年内に出荷されたiPhone 13シリーズの8400万台を上回り、かなりの強気とも思われます。しかし、生産の遅れによりiPhone 14の正式発表が延期されるかどうかは不明と伝えられています。
その一方で数々の実績あるアナリストMing-Chi Kuo氏によれば「自分の最新情報は、アップルが上海のロックダウン以来、iPhone 14モデルの出荷計画を変更していないと示唆している。 iPhone 14 Maxは遅れを取っているが、状況は制御されており、サプライヤーは残業してスケジュールに追いつける」とのことです。
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My latest channel checks suggest that Apple has not changed the shipping plan for the iPhone 14 models since the Shanghai lockdown. iPhone 14 Max is running behind, but it's still under control currently, and suppliers can work overtime to catch up with the schedule.— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) May 26, 2022
つまりiPhone 14 Maxの開発に遅れが生じているのはほぼ確実ですが、まだまだ遅れは取り返せる可能性が高いということでしょう。
すでにiPhone 14シリーズについての噂や予想は次々と届けられており、先日も有名リーカーが「iPhone 14 Pro」の詳しい予想レンダリング画像を公開したばかりです 。
おおむね「高価なProモデルはデザインが変更、カメラは大幅強化」ながら「通常価格モデルはデザインもカメラもほとんど変わらない」と予想されており、新型チップ「A16 Bionic」もProモデルのみとの説が有力です。お値段が張っても高い性能を求める人はProモデル一択であり、iPhone 14 Maxの発売が遅れても問題ないかもしれません。
Source:9to5Mac