三宅弘城さん演じる完璧なる執事・鎌塚アカシの活躍を描いた人気シリーズの第6弾『鎌塚氏、羽を伸ばす』がいよいよ開幕! 第4弾で強烈なインパクトを残したチタルお嬢様の再登場や初めての列車の旅など話題が満載のこの作品で、新たなキャラクラーとして登場するのが庭師見習いの真鍋リョウスケ。演じるのはこれが初舞台となる櫻井海音さん。「楽しみでいっぱい!」と語る彼に、作品への意気込み、そして演じることへの思いを伺った。
【櫻井海音さん撮り下ろし写真】
登場する人物がみんな個性的で、どの役を見ても興味しかわかないです(笑)
──ついに初舞台ですね。今の心境は?
櫻井 たくさんの緊張感と、舞台に立つということに対していまだに実感がないのが本音です。ただ、“どうなるのかな?”という不安がある一方で、“絶対に面白くなる!”という期待感やワクワクもあって。それになにより、舞台を経験することで自分の新たな引き出しを見つけられそうなので、後悔しないようにしっかりと楽しんでいきたいなという思いでいっぱいです。
──オファーがあった時はあまり迷われなかったのでしょうか?
櫻井 そうですね。これはいい機会を頂けたぞと思っていました。お話を頂いたのは1年くらい前で。その時は正直不安もあったのですが、今回のオファーは、共演させていただく二階堂ふみさんが僕のことを推薦してくださったことがきっかけだったと伺い、それがすごく嬉しかったんです。二階堂さんとは一度、朝ドラ『エール』撮影の際にごあいさつさせていただいた程度で、どこで僕の芝居を見てくださっていたのか分からないのですが、僕に期待してくれているということが本当に嬉しくて。同じ事務所の先輩ですし、その思いに応えたいという気持ちもありました。
──過去のシリーズ作品をご覧になったことは?
櫻井 二階堂さんが出ていらした『鎌塚氏、腹におさめる』(2017年/シリーズ第4弾)を映像で拝見しました。テンポやセリフ回しが印象的で、コメディの面白さがすごく出ている作品だなと思いました。また、僕がこれまで経験したことのない世界観でしたので、自分が演じたらどんな感じになるんだろうという楽しさもあって。それに、舞台だからこそのお客さんの生のリアクションを存分に体感できそうなので、たくさん笑ってもらえるように頑張りたいなと思いました。
──主人公・鎌塚アカシを演じる三宅弘城さんはグループ魂で《石鹸》としてドラムを担当されていますので、櫻井さんとも共通するところがありそうですね。
櫻井 そうなんです。スチール撮影の時にあいさつをさせていただいたのですが、そこでも少しドラムの話になりました。そうした話題があるだけでコミュニケーションが取りやすくなる気がするので稽古も楽しみでいっぱいです。
──また、今作で櫻井さんが演じるのは、二階堂さん扮するチタルお嬢様の屋敷で庭師見習いとして働く真鍋リョウスケ役です。チタルお嬢様にはどのような印象をお持ちですか?
櫻井 チタルさんはお嬢様特有のキャラクラーで面白いですよね。一見すると気が強そうですが、実は内面には弱いところもあって。そのチタルさんにリョウスケがどう絡んでいくのか楽しみです。そもそも、この作品は登場する人物がみんな個性的で、どの役を見ても興味しかわかなくて(笑)。主人公の鎌塚さんも「私は完璧な執事だ!」なんて言って、確かに働きっぷりはものすごいんですが、ちょっと抜けたところもある。そうしたなかで、自分がどう染まっていくのかも想像がつかなくて楽しみですね。
──作・演出を手掛ける倉持 裕さんとはどんなお話を?
櫻井 役についての具体的なお話はこれからですが(※取材時)、映像と舞台でのお芝居の違いについて伺いました。そうしたら、「根本的な部分で“演じる”ということに違いはないから」という言葉を頂いて。それで不安要素が1つなくなりました。倉持さんはいつも穏やかで、話しやすい雰囲気をお持ちの方ですので、稽古場では積極的にコミュニケーションを取って、いろいろとアドバイスを頂こうと思っています。
自分に似た部分を見つけてそこから深掘りしていきます
──そもそものお話になりますが、櫻井さんが俳優の仕事をしようと思ったきっかけは何だったのでしょう?
櫻井 実は目指そうと思って始めたわけではなかったんです。コロナ禍でバンドの活動ができなくなり、ライブもできなくなって。そうしたもどかしさから、個人でできる仕事に挑戦しようと考え始めたタイミングでお話を頂いて。それで、いざやってみたらすごく面白かったんです。
──どういったところに魅力を感じたんですか?
櫻井 僕は普段からいろいろと思考するのが大好きで、映像の現場でも “ここはこういうふうに動いたほうが、視聴者さんには分かりやすいかな”ということをリハーサルでよく考えるんですね。そうやって、自分も含めて周りの状況を俯瞰で捉える時間がすごく楽しくて。ただ、いざ本番を迎えると、そのイメージどおりに動けることもあれば、全く別のことが起きて、想像とは違う演技になったりする。そうした予測不能なことも演じることの楽しさにつながり、どんどんと役者の仕事に面白さを感じるようになっていったんです。
──役者のお仕事だと、やはり自分とは別人になる楽しさもあるのでしょうか?
櫻井 よくそういう話を聞くんですが、僕はあまりそれを感じたことがないんです。もしかしたら、まだそれほど現実離れした人物を演じたことがないからかもしれませんが、どの役でも自分の頭の中に浮かんだ人物像を形にしていくという感じなので、全くの別人を演じているという感覚がなくて。それに、人って日常でも、相手によってちょっとしゃべり方や態度が変わったりして、どこか演じている部分があると思うんですね。特に僕にはその意識が強いから、役を演じる時にも違和感を持たないのかもしれません。
──ちなみに今回演じるリョウスケは殺人犯の容疑をかけられている男という役ですが……。
櫻井 そうなんですよね。ある意味で現実離れしていますよね(笑)。同じ人間である以上、共感したり、自分に似た部分がどこかしらにあると思いますので、そこから少しずつ深掘りしていったり、稽古で皆さんと一緒にお芝居をしながらリョウスケというキャラクラーを作っていけたらなと思っています。
──また、今回のような舞台への挑戦もそうですが、初めてのことにチャレンジする際はプレッシャーを感じるほうですか?
櫻井 結構感じちゃいます(笑)。でも、緊張やプレッシャーって、初めて挑むものに対してはどんなことでも一生持ち続けると思うんです。だからといって逃げてばかりもいられないので、いつも“やるしかない!”という精神で開き直っています(笑)。それに、経験しなければその仕事の楽しさを知ることはできませんし、続けていくことで自然と緊張もほどけていくのではないかと思いますので、どれだけ最初はプレッシャーを感じていても、まずは飛び込んでみる。そこを一番大事にしていますね。
──では最後に、GetNavi webということで、ご登場いただく皆さんに愛用しているガジェットをお聞きしているのですが、どんなものがありますか?
櫻井 ちょうど今愛用していて、常に持ち歩いているのがひげ剃り。メイクさんが持っていて、すごくよさそうだったので僕も購入したんです。細長いコンパクトな形状で、持ち運びが便利で。現場に向かう車の中でいつも使っていて、もはやクセという趣味みたいに剃っています。本当は肌を痛めてしまうので剃りすぎないようにしないといけないのですが、最近はコツを編み出しました(笑)。
──では、最近購入したアイテムなどはありますか?
櫻井 いろいろ買ってますね……。というのも、少し前に部屋の模様替えをしたんです。まだ住み始めて一年も経っていないんですが、急に部屋の雰囲気を一新したくて。そのときに家具を新調しました。一通りそろえ直したので、次は家電も買おうかなと考えていまして。今欲しいのは加湿器。それと、これからの季節も考慮に入れて、あわよくばビールサーバーとかも買っちゃおうかなと目論んでいます(笑)。
M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、羽を伸ばす』
【東京公演】 2022年7月17日(日)〜8月7日(日) 本多劇場
【富山公演】 2022年8月11日(木・祝) 富山県民会館ホール
【愛知公演】 2022年8月13日(土)・14日(日) 東海市芸術劇場大ホール
【島根公演】 2022年8月16日(火) 島根県民会館 大ホール
【岩手公演】 2022年8月21日(日) 北上市文化交流センター さくらホール 大ホール
【新潟公演】 2022年8月24日(水) りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
【大阪公演】 2022年8月27日(土)・28日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
(STAFF&CAST)
作・演出:倉持 裕
出演:三宅弘城、二階堂ふみ、櫻井海音、玉置孝匡、マキタスポーツ、西田尚美
撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ ヘアメイク/高草木 剛(VANITES) スタイリスト/藤井晶子 衣装協力/th products、JUHA、SHINGO KUZUNO、grounds