冷蔵庫や炊飯器などの調理家電は、キッチンにあって毎日のようにお世話になっている家電です。でも、あまりに身近すぎて意外と知らないことも多いもの。そこで今回は、Q&A形式でキッチンにある家電の素朴すぎて今さら聞けない疑問をピックアップ。「冷蔵庫の野菜室、チルド室、冷蔵室、それぞれ何℃?」「10万円以上の高級炊飯器と1万円の炊飯器は、どこが違う?」といった素朴な疑問を、家電のスペシャリスト、戸井田園子さんにぶつけてみました!
【答えてくれたのはこの人!】
家電コーディネーター
戸井田園子さん
雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。キッチン家電も得意ジャンル。
その1
Q.冷蔵庫にカレンダーやメモをベタベタ貼っても大丈夫?
A.最近の冷蔵庫なら大丈夫!
冷蔵庫の場合、扉面からの放熱はないので、扉にカレンダーなどを貼る分には放熱の妨げにはなりません。また、最近の機種は背面や上部からの放熱がほとんどで、サイド部分に神経質になる必要はありません。ただ、多少の放熱はあるので、サイド全体を覆うほどの大きなモノを貼るのは避けたほうがいいですね。
その2
Q.冷蔵庫の野菜室、チルド室、冷蔵室、それぞれ何℃?
A.明確な基準はないが「野菜室は冷蔵庫より高め」などの目安がある
JIS規格では、冷蔵庫の冷蔵室は「室温が15~30℃において、冷蔵室内を0~10℃の範囲で調整ができること」と定められています。つまり、はっきりと何℃という基準はないのですが、使用用途によってメーカーごとに部屋が温度分けされています。
野菜室は、低温に弱い野菜や急激な温度変化を嫌う野菜もあるため、冷蔵庫より少し温度が高めに設定されています。また、チルド室は冷凍すると味が落ちてしまう肉や魚を氷温に近い温度で新鮮に保存するため、0℃前後の低温となっています。食品の特徴に合わせて、各部屋を賢く使い分けたいですね。
たとえばパナソニックのサイトでは、
野菜室約3~8℃
冷蔵室約3~6℃
チルド室約0~2℃
と記載されています。
その3
Q.10万円以上の高級炊飯器と1万円の炊飯器、何が違うの?
A.釜の素材や構造が違います
高級な炊飯器は、内釜が豪華なものが多いです。例えば、おいしく炊くために発熱性や蓄熱性を重視すると、「炭釜>炭コート釜」「5層釜>3層釜」「5mm厚>3mm厚」というように、素材の使用量や釜の厚さなどで価格が変わる傾向があります。
また、加熱ヒーターも「6段ヒーター>3段ヒーター」のように、加熱する力の優劣が価格差につながってきます。ほかには安価な機種ほど、急速・おこげ・雑穀米炊飯などのメニュー数が少ない、お米の銘柄に応じて炊き分ける機能がないという傾向があります。
その4
Q.スロージューサーと普通のジューサーの違いは?
A.スロージューサーは低速で食材を搾り栄養素が壊れにくい
ジューサーは、刃の回転数により大きく2つに分類されます。一般的なジューサーは「高速タイプ」で、1分間あたり1万~2万回転の「高速遠心分離方式」が主流です。素早くジュースができますが、高速回転する刃で食材を砕くためジュースが空気に触れて酸化しやすくなり、摩擦熱などで栄養素が壊れることもあります。
一方、最近は1分間あたり数十回転の「低速タイプ」のジューサーが「スロージューサー」として注目されています。石臼のように挽きながらゆっくり絞るため、栄養素が壊れにくいメリットがあります。