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2023/2/18 21:15

ラインマーカーにも!話題のドット絵が描ける四角マーカー「ドットエペン」を使い倒す方法

自分には絵心がない……と自覚している人は多いだろう。誰しも、思ったように絵が描ければ楽しいだろうなと思っているだろうが、ペンや絵筆を握った手は、イメージしたようには動いてくれないのだ。手本となる絵を模写することさえ、不思議と線が歪んでパーツのサイズが狂い、最終的にはどうやったってパチモンにしか見えないひどい仕上がりになってしまうのである……。

 

でも、安心してほしい。世の中には「見本通りに描けば、誰でも絶対に見本通りに描ける絵」というものが存在する。ファミコンめいたレトロ感のある、「ドット絵」というやつだ。

 

自分で図柄を考えるとなると難易度が高いが、ただ見本を再現するだけなら、座標を間違わない限り失敗する要素がない。しかも専用ツールを使えば、サクサクと簡単に描けるので、とても楽しいのである。

 

かわいいドット絵が描ける専用マーカー

その“専用ツール”というのが、サンスター文具から2022年11月に発売された四角マーカー「dot e pen」(ドット・エ・ペン)だ。四角い軸に四角いキャップという、8bitなドット感を強調するカクカクしたデザインが、とてもキュートである。

サンスター文具
dot e pen(ドット・エ・ペン)

全16色
各200円(税別)

 

このペンは細芯カラーペンと太芯マーカーのツインタイプなのだが、太芯のチップが四角柱型となっている。で、チップを紙へ垂直に捺すことで四角いドットが量産できる仕組みなのだ。

 

ちなみにスタンプ式の太芯マーカーというのは、これまでにも「プレイカラードット」(トンボ鉛筆)や、「ZIG クリーンカラードット」(呉竹)などいくつか存在したが、基本的にはどれも丸い水玉ドットを描くためのもの。四角いドットはかなりレアだ。

↑四角い軸に、3mm角のマーカー芯と0.5mm径のカラーペン芯を搭載

 

↑太芯をスタンプのように捺すと、3mm平方のドットが描ける

 

四角柱の太芯チップは、意外と密度感のある硬質な感触となっている。これはおそらく、グッと押しつけた際に型崩れせず、きれいに四角い跡を残すように作られているのだろう。

 

きれいに四角いドットを捺したいなら、軽くポンと捺すのはNG。面全体に均等に圧をかけるよう、少し強めにグリグリと捺してやると良い。で、これをいくつも捺していくことで、かわいいドット絵が作れるのである。

↑ドットをなんとなく積み重ねていくだけでも、充分に絵になるのが楽しい

 

↑ラインアップは16色。できれば人間のキャラを描くためのペールオレンジ(肌色)系の色が何色か欲しかった気もする

 

しかし、我々のような絵心レス族にとって、解像度の低いドット絵とはいえオリジナルの絵を生み出すのはハードルが高い。そこでオススメなのが、冒頭でも述べたように「見本通りに描く」というやり方だ。実はドット絵、ネットを探すと無料で利用できる見本がかなり豊富に揃っているのである。

↑3mm方眼用紙を使うとラクだ。ダウンロードしてきた見本を見ながら……

 

↑どんなに絵が下手でも、XY座標さえ把握できればドット絵は描ける!

 

それが、刺繍のひとつである「クロスステッチ」の図案集である。クロスステッチとは布にドットを描くように刺繍する技法なので、図案はそのままドット絵。図案から座標を確認しつつスタンプしていけば、まさに見本通りのかわいい絵が完成するのである。

 

とにかく根気さえあれば絵心あまり関係なく絵が描けちゃうので、これは非常に楽しいし、テンションも上がるはずだ。(ただし無料図案とはいえ、サイトによってそれぞれ利用条件はあるので、要確認のこと)

 

よくできた構造で描画以外の実用性もバッチリ!

太芯チップは3mm幅のラインも引けるため、0.5mm径のカラーペン+ラインマーカーという使い方もできる。カラーラインアップには蛍光カラーも含まれているため、ノート作りツールとしても充分に役立つはずだ。

↑3mm芯は、文庫本にラインを引くのにジャストサイズ

 

余談だが、キャップの構造が個性的

さて、「dot e pen」を使う上では無用な情報だが知っておくとちょっと「へぇ」と思えるポイントが、キャップの構造である。

 

よく見ると、四角柱型の透明キャップの内側に、チップを包むようにもうひとつ円筒形のキャップがあるのが分かるだろう。四角いキャップは円筒キャップと比べると、どうしても歪みやすい。するとフチに隙間ができてしまうため、気密が保てずインクが乾燥してしまうのだ。

↑キャップの中に、もうひとつキャップが。この二重キャップで芯を乾燥から守る仕組みだ

 

そこで四角柱と円筒の二重キャップにすることで、四角いルックスながら内部の気密を保ってドライアップを防ぐ、という仕組みをとっているというわけ。

 

ただ、そのためかキャップの嵌合(かんごう)が渋めになっており、開けるのがかなり固く感じられる。無理してグイッとキャップを引き抜くとインクが手にベッタリつくこともあるので、そこは要注意かもしれない。