デジタル
2023/5/12 10:30

AndroidとWindowsの融合進む、新公開された2つの便利なアプリとは?

4月に話題となったデジタル関連の注目ニュースをピックアップしてお届けします。ここで取り上げるトピックは、

AndroidとWindowsの融合が進んでいる点です。

 

AndroidスマホのゲームがPCで遊べる「PC版Google Play Games」が日本上陸

モバイル向けOSのAndroidと、PC向けOSのWindows。この2つのOSの連携が強化されつつあります。4月には「PC版Google Play Games(ベータ)」と、「ニアバイシェア for Windows(β)」という2つのアプリが公開されました。

↑Google Play Gamesが日本で使えるようになりました

 

PC版Google Play Gamesは、スマホ(Android)向けゲームの一部を、Windows PCでプレイできるサービス。2022年に北米で公開されており、4月19日に日本向けのサービスがスタートしました。約100タイトルのラインアップがあるほか、日本での公開に合わせて、以下の4タイトルが遊べるようになりました。

 

・ウマ娘 プリティーダービー

・FFBE幻影戦争 WAR OF THE VISIONS

・eFootballウイコレ CHAMPION SQUADS

・三國志 覇道

 

PC版Google Play Gamesは、エミュレーター上でAndroid OSを動作させ、Android向けのゲームアプリを動かす仕組みとなっています。Googleアカウントでログインでき、セーブデータはスマホ上で遊んでいるものと同期されます。動作可能なスペックは低めで、2020年頃のPCならおおむね動作するものと思われます。ただし、タイトルによっては要求条件が厳しく、中には追加の仮想化機能を有効にする必要があるタイトルもありました。

 

ここ数年で、モバイル向けゲームの存在感が増し、いまではスマホが最も身近なゲームプラットフォームとなりました。調査会社のdata.aiとIDCは、モバイルゲーム市場の消費支出規模は、家庭用機ゲームやPC向けゲームの約3倍の規模に達していると報告しています。

 

モバイルゲームはこれまでカジュアルゲームが中心でしたが、スマホ側の性能向上により、本格的な3Dグラフィックを楽しめるタイトルがいくつも登場しています。また、スマートフォンメーカーにとっても、ゲームが快適に遊べることが、高価格帯での差別化要因となっています。たとえば4月20日に日本で発売されたGalaxy S23シリーズでは、ハイスペックなPCゲームなどで導入されているグラフィック表現技術「レイトレーシング」に対応。光や影をリアルに描写できるようになっています。

 

PC版Google Play Gamesの登場により、スマホ向けゲームがPCでも遊ばれるようになれば、グラフィックにこだわったゲームが多く登場することになるかもしれません。

 

ファイルのやり取りがラクに、Android版“AirDrop”がWindowsにも対応

iPhoneやMacには、近くにある機器同士で写真などを簡単にやりとりする便利な機能「AirDrop」がありますが、Androidにも「ニアバイシェア(Nearby share)」という類似の機能が存在します。

 

そのニアバイシェアが4月、Windows PCに対応しました。これにより、AndroidスマホとWindows PCの間で、写真や動画などのファイルや連絡先、URLなどの情報を、簡単な手順で送り合えるようになりました。

↑Androidのファイル転送ツール「ニアバイシェア」がWindowsに対応

 

Windows版ニアバイシェアに必要なアプリは、Googleの公式サイトからダウンロードできます(2023年4月現在はβ版です)。Windowsにアプリをインストールしたら、起動するだけで準備状態になります。スマホ側はAndroid 6以降でGoogle Play対応の機種なら、標準搭載のニアバイシェアがそのまま使えます。

 

スマホからPCにファイルを送りたいときは、Windows側のアプリで「すべてのユーザーから受信を許可」をオンにして、スマホの「共有」機能を使って、送りたいものを選びます。PCからスマホに送りたいときは、送りたいファイルをニアバイシェアアプリにドラッグ&ドロップして選択できます。

 

機器間の通信はWi-FiかBluetoothが用いられます。基本的には直接通信するため、データ通信料はかかりません。ただし、通信速度を確保するためにモバイルデータ通信が併用されることもあります(モバイル通信を使うかどうかは設定で選択可能です)。

↑ニアバイシェアの利用イメージ

 

Windows 11には「Microsoft スマートフォン連携」という連携機能が初期搭載されていますが、これは使い始める際の設定手順が複雑なところが難点でした。Googleのニアバイシェアならそうした設定の面倒さはなく、スマホ側・PC側のメーカーを問わず使えます。近くにいる家族や知人などのPCともやりとりできるという点でも便利です。

 

なお、残念ながら、iPhone/Macとのやりとりではニアバイシェアは使えません。同様にAirDropでAndroidやWindowsに写真を送ることもできません。ファイル送信にはOS間での“壁”が存在する状況ですが、AndroidとWindowsのように、OSの壁を超えた相互接続にも期待をしたいところです。