筆者が取材する場合、だいたいはメモは手書きがメインで、状況が許せば録音をしながら写真も撮る、という感じだ。その録音や撮影は、今のところスマートフォンで行うことが多い。1台でどちらも同時にできるからラクなのだ。つまり取材中は、メモ帳とスマホと筆記具を持っているわけだが、このとき筆記具は利き手で握るとして、スマホとメモ帳はもう片方の手でまとめて持つことになる。
これが実に収まりが悪かったりする。例えば、両方を重ねて持った場合、スマホよりもメモ帳の方が小さいと、メモ帳がスルッと手から滑り落ちるトラブルが発生しがち。逆にメモ帳の方が大きいと、今度はスマホがズリ落ちる危険性がある。落ちるのを警戒して強く握りすぎると手が疲れるし、メモ帳がヨレヨレになることも……と、スマホとメモ帳をセットで携帯する場合、この“サイズ差”は意外と困った問題なのである。
スマホとセットで持ち歩くための新発想メモ
この問題の解決方法は、実にシンプル。メモ帳のサイズがスマホのサイズに合っていればいいのだ。まさにその発想で作られたのが、オキナ「プロジェクトガジェットメモ」である。
オキナ
プロジェクトガジェットメモ
8.3インチ:800円/6.1インチ:550円(いずれも税別)
各4色展開
まず面白いのは、表紙隅に印刷されたサイズ表記。一般的には「B6」「A7」などの定型や「75×128mm」といった数値表記がほとんどだが、同商品は紙面の対角線サイズで「6.1 inch」「8.3 inch」と表記されている。このサイズ表記に見覚えがあるという人もいるだろう。そう、スマホやタブレットの画面サイズそのものだ。
「6.1 inch」はドンピシャで現行のiPhone(iPhone 15含む)と同サイズ。そして、「8.3 inch」はiPad miniサイズだ。握った際にメモ帳とスマホの幅がピタッと揃うので、これならズリ落ちる心配はまずないだろう。
ちなみに筆者が使っているのは少し大きいiPhone Pro Maxモデル(6.7 inch)なので、ジャストフィット! というほどの感動はないが、それでも十分にまとめ持ちがしやすい。アスペクト比が揃っているため上下もほぼ差がなく、スッキリと手に収まっている印象だ。
もうひとつ、綴じリングが表紙/裏表紙でくるまれている構造も、スマホと一緒に持ち歩くための工夫のひとつだ。これにより、重ねて持った際に金属リングがスマホに直接触れないので、スマホが傷つきにくいというわけだ。画面のガラスは硬度が高いとはいえ、やはり金属と強く擦り合わせれば細かな傷がつく可能性は十分にある。そこに衝撃が加わると割れてしまうこともあるので、この傷がつきにくい仕様はありがたい。
携帯して良し・デスクメモに良しの万能っぷり
用紙は、オキナの定番ノートパッド「プロジェクトペーパー」と同じもので、薄くてコシがあり、サラサラとした書き味が気持ち良い。水性ボールペンや万年筆のようなつゆだく気味な筆記具でも裏抜けせず、フリクションインクを消してもヨレづらい、かなり高品質な紙といえるだろう。
5mm方眼罫は全4色の表紙色を、それぞれ淡くしたカラーで印刷されている。例えばラベンダー表紙の用紙は淡ラベンダー罫だし、ライラック表紙なら淡ライラック罫という感じだ。表紙を好みの色で選べば中も同系色になるので統一感もあるし、なかなかにオシャレだと思う。
表紙には少し珍しい、毛羽立ったベルベットのような質感の厚紙が使われている。この手触りがなかなかに気持ちいいのだが、それだけではなくここにもユニークな機能が備わっている。表紙で摩擦が働いて滑りにくくなるので、机に置いてデスクメモとして使うときに、メモ自体を手で押さえなくてもワンハンドで書くことができるのだ。この安定感はデスクメモにはとても重要な要素なので、表紙/裏表紙に滑り止め機能が施されているのは、それだけでも便利。ただし、表紙の毛羽が机の汚れを拾いやすいので、そこは要注意だ。
手で持って良し・置いて良し・書いて良し……ということで、幅広い場で活躍してくれそうだ。特に、今までスマホとメモ帳を重ねて持ち歩いたことがある人なら、この良さはピンと来るはず。実際にスマホとメモ帳がジャストフィットすると、なかなかに感動的な持ち心地なので、ぜひ体感してみてほしい。